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ユートピア論に変わってしまった公共貨幣理論経済学:公共貨幣論から考える-15

少しずつ、よくなる社会に・・・

・山口薫氏著『公共貨幣』(2015/9/24刊・東洋経済新報社)
・山口薫氏・山口陽恵氏共著『公共貨幣入門』(2021/10/12刊・集英社インターナショナル新書)
を参考にして「公共貨幣」論のベーシック・ペンションへの組み込みの可能性と方法等を考える<「公共貨幣」論から考えるベーシック・ペンションと社会経済システム>シリーズ。

以下の構成で進めてきていますが、今回は【第3フェーズ】『公共貨幣』<第Ⅱ部 公共貨幣システム>第8章~第11章の最終回です。
なお、これまでに終えている【第1フェーズ】【第2フェーズ】の記事のラインアップは、今回の記事の最後に挿入しています。
確認頂ければと思います。

「公共貨幣」論から考えるベーシック・ペンションと社会経済システム>シリーズ構成

 1.はじめに:<「公共貨幣」論から考えるベーシック・ペンションと社会経済システム>シリーズ開始にあたって
【第1フェーズ】:『公共貨幣』<第Ⅰ部 債務貨幣システム>第1章~第7章
 2.<第1章 経済学とは何か>から
 3.<第2章 お金とは何か>から
 4.<第3章 日本銀行は必要か>から
 5.<第4章 お金はなぜ無から創られるのか>から
 6.<第5章 お金はなぜ支配の手段となるのか>から
 7.<第6章 国の借金はなぜ増え続けるのか>から
 8.<第7章 債務貨幣システムはデット・エンドだ>から

【第2フェーズ】:『公共貨幣入門』第1章~第3章
 9.<第1章 債務貨幣システムと「失われた30年」>から
10.<第2章 主流派経済学の破綻>から
11.<第3章 MMTは債務貨幣のデザイン欠陥を隠蔽>から

【第3フェーズ】:『公共貨幣』<第Ⅱ部 公共貨幣システム>第8章~第11章
12.<第8章 シカゴプラン(貨幣改革)とは何か>から
13.<第9章 公共貨幣システムの誕生>から
14.<第10章 国の借金は返済できる>から
15.<第11章 公共貨幣で輝く未来>から


【第4フェーズ】:『公共貨幣』<第Ⅲ部 公共貨幣システムへの移行>第12章~13章/『公共貨幣入門』第4章~5章
16.<第12章 公共貨幣システムへの移行モデリング>から
17.<第13章 日本国公共貨幣法>から 
18.<第4章 公共貨幣システムへの移行>から
19.<第5章 公共貨幣で新国生みイニシアティブ>から
20.総括:公共貨幣論のベーシック・ペンション構築及び社会経済システム改革への活かし方

<「公共貨幣」論から考えるベーシック・ペンションと社会経済システム>シリーズ-15:【第3フェーズ】『公共貨幣』「第Ⅱ部 公共貨幣システム」<第11章 公共貨幣で輝く未来>から

この『公共貨幣』第Ⅱ部 公共貨幣システム」<第11章 公共貨幣で輝く未来は、最後の【第4フェーズ】で予定している『公共貨幣入門』<第5章 公共貨幣で新国生みイニシアティブ>と一部内容が重なっています。
タイトルからイメージできるように、公共貨幣システム社会が実現した場合、どんな変化・変革が起きるかを想定・描写しているからです。
以前も述べましたが、本章では<振る舞い>という表現を用いたり、<むらトピア>という用語を用いるなど、およそこれまでの経済理論・貨幣理論書に似つかわしくない、ふさわしくない感覚が前面に出てくるのが特徴です。
こうした試み?は、経済理論・貨幣理論を身近なものと思ってもらうために有効と考えたからかもしれまえせんが、逆効果にしかならないような気がしています。
のっけからいけませんが、致し方ありません。
果たして<輝く未来>を示してくれるか。
我慢して、整理してみたいと思います。

『公共貨幣』「第Ⅱ部 公共貨幣システム」<第11章 公共貨幣で輝く未来より

第Ⅱ部 公共貨幣システム
第11章 公共貨幣で輝く未来

 1.公共貨幣システムの構築
 2.公共貨幣vs.債務貨幣システム

  2.1 システム構築の比較
  2.2 システム構築の振る舞い比較
 3.政府債務完済の幸運を活かす
  3.1 デット・エンドの終焉
  3.2 民の活力を取り戻す
  3.3 経済基盤に活力を与える
 4.公共貨幣システムの応用
  4.1 寡占化は防げるのか
  4.2 女性にメリットはあるのか
 5.新生むらトピア経済
 6.レバレッジ・ポイントを誤るな!


筆者によると
「公共貨幣システムを日本で構築すればどのように日本経済は復活し、日はまた昇って、輝く未来を照らし始めるようになるか」を本章で論じる、としています。
例によって、以上の構成に手を加えて、私流に本章をまとめることにします。

日本における公共貨幣システム構築のための基本手順

1)公共貨幣の発行機能は国会に属するとし、その権限は独立の公共貨幣委員会に委譲する。
・政府が現在55%所有の日本銀行を100%政府所有の公共貨幣庫とし、新たに設立する公共貨幣省に統合する。
・公共貨幣省は公共貨幣の製造、発行及び管理、運営実務を行う。
2)銀行の信用創造を禁止し、要求払預金の公共貨幣庫での預金準備率を100%とする。
・但し、準備率は日銀における現行の約1%から段階的に引き上げていく。
・この過程で必要になる資金は、公共貨幣省が無利子、無期限で貸与する。
・また銀行保有の国債で充当できるとする。
3)経済成長や社会福祉等に新たに必要な公共貨幣は政府が財政政策を通じて流通に投入し、過剰な公共貨幣は同様に引き上げる。


以上を、これまでの議論・提案の確認にもなりますが、日本に公共貨幣システムを移行・導入する基礎条件であり、基本手順として提示しています。
各事項について、より詳しく説明を加えていますが、大半は省略して上記のまとめにとどめます。
但し、中で最も気になった3)に関して加えられていた記述は、以下に紹介しておきたいと思います。

追加的に必要となる流通貨幣量の額は、政府(財務省)が政府予算の一部として要求できるが、その最終決定権は公共貨幣委員会にあるとする。
公共貨幣委員会には、この強力な権限が与えられるため、公共貨幣に関する情報は常に100%無条件に公開する義務を負う。
特にこの流通貨幣量の決定をサポートするマクロ経済モデルを公開し、国民が同時にシミュレーション確認できるようにする。
万一、物価安定等公共貨幣法で定める職務遂行に失敗すれば、公共貨幣委員長は即時に辞任しなければならない。


なんだか、不安になってきました。
というよりも、正直、不安のほうが大きくなってきました。
ここでの表現を真似ると、「万一」このマクロ経済モデルが間違っていたときには、だれが責任を取るのでしょうか。
公共貨幣委員長は、だれがどのようにして選び、決定するのでしょうか。
政権政党にその権限があるのか、仮に中立的立場からの人選となると、中立とはどういう基準で決まる、決めるのでしょうか。
現状の政治システムや、社会経済システム上の問題は、その新たな公共貨幣システム移行時に、どうあるべき、どうなっているべきと考え、それが望ましいものになっている保証はあるのでしょうか。

今の日本は、原発事故あり、放射能汚染あり、不況あり、財政危機ありで、まさに「瑞穂の豊かな国」が存亡の危機に直面している。
こうした時に予算がないからという理由で政府が手をこまねいているということは許されない。
今こそ公共貨幣システムに移行して、国を救うべき時ではないのだろうか。


やはり、これでは、ロジカルに見えそうで、かなり情緒的な振る舞い、思考パターンに転換してしまった感がおおありです。
これは心してかかるべき、と。
論述確認を続けましょう。

公共貨幣システムと債務貨幣システム間の構造の違い、振る舞いの違いを提示していますが、以下転記しました。
説明は、これまでのシリーズで触れてきたことばかりですので、省略しても支障ないと思います。

公共貨幣及び債務貨幣システムの構造比較

1.公共貨幣システム
1)貨幣発行主:議会(公共貨幣委員会)
2)所有者:
政府
3)銀行準備率:
100%準備率
4)貨幣供給:
公共貨幣の直接流通投入、銀行は従来どおり
5)利子:無利子
6)経済政策:
公共貨幣政策:政府と公共貨幣委員会

2.債務貨幣システム
1)貨幣発行主:中央銀行
2)所有者:
民間銀行・金融資本家
3)銀行準備率:
部分準備率
4)貨幣供給:
ベースマネー:中央銀行
       預金(信用):銀行貸付
       流通通過:非金融部門
5)利子:利付き債務
6)経済政策:
金融(利子・QE)政策:中央銀行
       財政政策:政府

公共貨幣及び債務貨幣システムの振る舞い比較

1.公共貨幣システム
1)貨幣の安定:
安定的な貨幣供給、安定的な物価水準
2)金融の安定:
銀行取り付け騒ぎなし
3)雇用の安定:
完全雇用と正規雇用の拡大
4)政府の債務:
政府の債務が完済
5)所得の格差:
金融資本・銀行と資本家・労働者の格差解消
6)持続可能性:
持続可能性が増大

2.債務貨幣システム
1)貨幣の安定:
バブルと信用収縮、インフレとデフレ
2)金融の安定:
景気循環(バブルと不況)
3)雇用の安定:
非自発的失業
4)政府の債務:
政府債務の増大⇒不況と失業
5)所得の格差:
金融資本・銀行と資本家・労働者の格差拡大
6)持続可能性:
債務の累積⇒成長の強制⇒循環破壊

ここで、省いた説明よりも無視できない、これらを受けての情緒的・希望的表現を紹介しておきましょう。

(システム思考図ではカバーしきれないような目に見えない効果が、相乗効果としてニョキニョキと出てくる。
それらがやがて、1960年代の高度成長期にようなエネルギーを日本中に再び醸成し、そのエネルギーが落日の太陽をまた昇らせ、日本の未来を輝かせるようになる。
公共貨幣システムとは、そう、私たちにとって希望の星であり太陽なのである。
そして光り輝く日本は、世界を照らす鏡となる。


いかがですか。
そう、これはやばいです!
こんな文章を平気で、酔ったように書く経済学者と理論とやらは、やばい、です。
無論、良い意味、褒めそやすニュアンスではなく、危うい、チョー心配、という意味でです。
でも折角ここまできたのですから、我慢して見ていきましょう。
気持ちは一応、分かりますから。

政府債務完済で実現すべき政策と進めるべき政策

こうして、<第6章 国の借金はなぜ増え続けるのか>で示した、債務貨幣システム下における3つの破局、金融メルトダウン、ハイパーインフレ、デフォルトは、会計SDマクロ経済モデルによるシミュレーションを用い、公共貨幣システムの導入により回避する事ができるとしました。
すなわちデット・エンドの忌避です。
その結果、次のように世代別に民の活力を取り戻すことになるとしています。
1)現役世代:非正規労働者を正規労働者にする 
2)退職世代:豊かな老後のための社会福祉を充実する
3)子供世代:教育の無償化と奨学金を充実する
また経済基盤に活力を与える政策例として
1)福島原発事故の被害者救済
2)電力発送電分離システムの構築
を挙げます。
前者の世代別に包括的に示した社会システム政策は分かりますが、後者の経済基盤に向けての提案としてこの2つだけが挙げられていることには、不自然さを感じます。
無論前者も、それだけじゃないでしょ、と思わされ、中途半端は否めません。

これらの基本とする政策を実現した上で、公共貨幣システムにより、一層の経済活動の活性化をめざすべくどんな課題に取り組むかは、読者自身がそれぞれの関心事について考え、実践での応用を画っていくことを提案。
筆者は、「1%対99%」の金融資本寡占問題への取り組みと女性が多種多様なメリットを享受できる政策への取り組みを挙げます。
この唐突とも言える転換も、脈絡的に不自然さを感じさせるものです。



新生むらトピア経済は、伝統的家族社会組織の企業バージョン


そして不自然さの極めつけとして、公共貨幣システム社会がめざし、実現する経済システムモデルとして「むらトピア経済」を提示します。
少しばかり唐突な感じがします。
しかし実は、当シリーズの最初に位置付けるべきでしたが割愛した本書の冒頭<第1章 経済学とはなにか>で、筆者が早々と現在の資本主義社会に替わって実現すべきモデル社会として、この「むらトピア経済」社会をイメージ化し、その後バークレーの博士論文でも提示していたのです。
これを公共貨幣システム実現の方法と道筋を描きえたことで、ここで、以下の3つの雇用原則に則って構築されるシステムと定義しています。

1)そこに雇用される労働者は、労働を共有する共働者(Coworker)として雇用時にその会社の生産手段を自動的に保有し、民主的な方法で経営に参加し、かつ共働者は自らの意志に反して解雇されない。
2)共働者が職場を去る場合には、その会社の生産手段は全て自動的に非保有となり、外部からコントロールできなくなり、死亡した場合も同様である。
3)共働者の職場は生計を得る場となり、生産手段から得られる経済利益を共有する。

そしてこう定義づけます。

「むらトピア経済」とは日本の伝統的な家族社会の組織を企業組織に拡張した企業からなる経済システムである。
資本主義の株式所有システム(Equity Ownership System)から資本(生産手段)保有システム(Equity Possession System)に代わるシステムである。


ついにここまで来てしまいました。
伝統的家族社会の登場で、左と右の混合システムと見紛いそうな感じも受けます。
本文では、ここに至るまでに必要な手順、プロセスも付け加えていますが、ここでは紹介する気にもなりません。。

公共貨幣・資本保有システム創造でもたらす諸問題解決のための手順

公共貨幣システムが先行優先して実現することで<利子・信用創造支配ループ>を断ち切り、金融資本・銀行支配からの解放を勝ち取る。
その後「むらトピア経済」を実現し、株主支配ループを断ち切り、多国籍企業による寡占支配からの解放を勝ち取る。


最後に結局、左翼社会主義国家創造物語の完結に導く流れができてしまったようです。
この帰結には、がっかりですし、とても賛同できないのですが、その思いをより強くさせる表現が、ここに示されていたので紹介しておきましょう。

こうしたシステム構造の変革で、元の古いシステム構造が造り出していた振る舞い(諸問題)も解決されるようになることをイメージしている、とし以下のように白々しく言い切っているのです。

経済問題、社会問題、環境問題、政治問題など、これらの現行のシステム構造が生み出す振る舞いパターンがどのようにして解決されるのであろうか。
残念ながら本書では、こうした論点を議論する時間的余裕も紙面の余裕もない。
(略)その作業は読者自身で進めていっていただきたい

そこに踏み込んでこそ、本論の理解と賛同を受けうる条件が整うのですが、みずからそれを拒否・拒絶し、そのことが、解放から閉鎖・閉塞に逆戻りさせることに気づいていない。
マクロ経済学に酔いしれている、自己満足学者に成り下がってしまったのです。


本章からのベーシック・ペンション構想へのヒント・課題-15


正直、貨幣改革論が、ここまで来るとは思っていませんでした。
甘かったと言えば、確かに甘かった。
これでは、危険視されるのも、ある意味やむを得ない。
以前にも書きましたが、この公共貨幣理論が、ある意味、「新しい資本主義」論の形成・構築に結びつけることができるのでは。
そう感じるところがあったのです。

一種の社会的共通資本として位置付け、支給するとしている「ベーシック・ペンション」生活基礎年金としての専用デジタル通貨は、法定通貨の一種としつつ、従来の法定通貨も当然存在し続けることを前提としています。
但し、そこでは、民間銀行の信用創造システムは廃止し、100%準備制度に変革する。
こうしてベーシック・ペンション専用デジタル通貨システムと従来の法定通貨システムの並用・並存で「新たな資本主義システム」新たな「社会経済システム」を構築する。
こんなグランドデザインに援軍となる「公共貨幣システム」であって欲しい。
そう願っていたのですが、このようなユートピア論に集約されるとは・・・。

いやそれも想定内のことです。
それはそれで、なんとかこの公共貨幣論を活かす方法を継続して考えていきます。

本書『公共貨幣』が発行されたのが2015年。
その折には、筆者は、関連する諸課題解決の処方箋、公共貨幣理論の現実的展開について考える時間はなかったかもしれませんが、昨年2021年『公共貨幣入門』発行の間、5年近くあったわけです。
ならば、次の最終【第4フェーズ】の『公共貨幣入門』<第4章 公共貨幣システムへの移行>・<第5章 公共貨幣で新国生みイニシアティブ>の中に、骨太の現実的取り組み方法が描かれているかもしれません。
その淡い期待を持ちつつ、次回以降の【第4フェーズ】に入っていきたいと思います。


「公共貨幣」論から考えるベーシック・ペンションと社会経済システム>シリーズ記事ラインアップ

【第1フェーズ】:『公共貨幣』<第Ⅰ部 債務貨幣システム>第1章~第7章
<第1回>:<「公共貨幣」論から考えるベーシック・ペンションと社会経済システム>シリーズ開始にあたって(2022/6/15)
<第2回>:4つの機能を持つ貨幣、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」「日本銀行法」:公共貨幣論から考える-2(2022/6/17)
<第3回>:政府55%出資の民間特殊法人・日本銀行が抱える不明朗性と存在意義:公共貨幣論から考える-3(2022/6/19)
<第4回>:廃すべき信用創造という民間銀行の利権と不平等:「公共貨幣」論から考える-4(2022/6/21)
<第5回>:権力の支配手段としてのお金の正体:公共貨幣論から考える-5(2022/6/23)
<第6回>:減らすことができない財政赤字・政府債務。これからどうなる、どうする?:公共貨幣論から考える-6(2022/6/25)
<第7回>:現状の債務貨幣システムの欠陥と宿命をどのように理解してもらうか:公共貨幣論から考える-7(2022/6/28)
【第2フェーズ】:『公共貨幣入門』第1章~第3章
<第8回>:債務貨幣システムはなぜ生まれたかを復習する:公共貨幣論から考える-8(2022/7/1)
<第9回>:失われた30年から、何を変革すべきと考えるか:公共貨幣論から考える-9(2022/7/3)
<第10回>:新古典派経済学、ケインズ経済学の破綻とその要因:公共貨幣論から考える-10(2022/7/5)
<第11回>:公共貨幣論よりも広まったMMTへの怨念はらむ批判が残念:公共貨幣論から考える-11(2022/7/7)
【第3フェーズ】:『公共貨幣』第8章~第11章
<第12回>:公共貨幣理論の原型であるシカゴプランの政治的実現可能性が奪われた謎:公共貨幣論から考える-12(2022/7/10)
<第13回>:社会システムへの配慮が欠落したマクロ経済公共貨幣理論にならぬように:公共貨幣論から考える-13(2022/7/13)
<第14回>:公共貨幣システムで、本当に政府債務もインフレも失業もなくなるのか:公共貨幣論から考える-14(2022/7/16)

公共貨幣』の構成

はじめに
第Ⅰ部 債務貨幣システム
第1章 経済学とは何か

 1.3つの経済学:バークレーでの挑戦
 1.1 アロー・ドブルーモデル
 1.2 新古典派経済学のエッセンス
 1.3 経済思想のモデル
 2.「むらトピア経済」の誕生
 2.1 トフラー『第三の波』の衝撃
 2.2 むらトピア経済
 3.システムダイナミックスとの出会い
 3.1 会計システムダイナミックス
 3.2 バークレーからの再挑戦
 4.リーマンショック
 4.1 歴史は繰り返された
 4.2 ゾンビ経済学
 4.3 経営学のタブー
 4.4 孫悟空と釈迦の手 
第2章 お金とは何か
 1.ことわざに見るお金
 1.1 価値尺度情報
 1.2 交換手段
 1.3 価値保蔵
 1.4 権力の支配
 2.貨幣の定義
  2.1 ストック・フロー図でみるお金の流れ
2.2 教科書による定義
  2.3 アリストテレスの定義
3.法貨 Legal Tender
 3.1 政府貨幣⇒制限付き法貨
 3.2 日本銀行券⇒無制限法貨
 3.3 マネタリーベース=法貨
 3.4 米国の法貨
第3章 日本銀行は必要か
 1.日本銀行は民間会社
 2.日銀に出資するメリット
 3.日本銀行のビジネスモデル
  3.1 日銀の収入源
  3.2 税金から利息を収奪
 4.不可解な剰余金処分
  4.1 剰余金(利益)隠し
  4.2 国債利息計算の丸投げ
  4.3 民間出身者への剰余金配当
第4章 お金はなぜ無から創られるのか
 1.預金は法貨なのか
 1.1 日銀のマネーストック定義
 1.2 預金は通貨(法貨)ではない
 1.3 無から創られる預金
 2.信用創造のメカニズム
  2.1 教科書が教える部分準備銀行制度  
  2.2 銀行貸出が預金(信用)を創る
  2.3 預金は誰のもの
第5章 お金はなぜ支配の手段となるか
 1.「金が金を儲ける」
 2.複利計算の驚異と恐怖
  2.1 指数的成長と倍増(半減)時間
  2.2 借金地獄の恐怖
 3.権力の支配手段
  3.1 支配の質的構造変化
  3.2 「グローバル企業支配のネットワーク」
  3.3 支配の階層 Sphere of Influence
 4.債務貨幣・株式所有システムの振る舞い
第6章 国の借金はなぜ増え続けるのか
 1.借金地獄の日本
  1.1 ジャパンアズナンバーワンの難破
  1.2 消費増税8%でも借金は増大!
1.3 政府債務簡素SDモデル
  1.4 長期債務残高のシミュレーション
  1.5 消費増税で借金増大、なぜ?
  1.6 借金返済で金が消える!
  1.7 財政健全化のシミュレーション
 2.米国の債務危機
 3.OECDの債務危機
 4.3つの破局シナリオ
第7章 債務貨幣システムはデット・エンドだ
 1.債務危機回避のシミュレーション
 2.債務増大はストップできるが・・・
  2.1 歳出を10%削減
2.2 消費税を5%から10%に引き上げ
 3.「財政の崖」から転落する
 4.泣き面に蜂
第Ⅱ部 公共貨幣システム
第8章 シカゴプラン(貨幣改革)とは何か

 1.レバレッジ・ポイントを探せ
 2.シカゴプランの誕生
 2.1 1929年の株価大暴落と銀行休日
 2.2 「銀行改革のためのシカゴプラン」
 2.3 フレデリック・ソディ(ノーベル化学賞)
 2.4 グラス・スティーガル法
 3.フィッシャーの「シカゴプラン」
 3.1 大恐慌の債務 ー デフレ理論
 3.2 100%準備システム
 3.3 100%準備システムがもたらす利点
 3.4 1935年改訂銀行法の攻防
 3.5 「貨幣改革のためのプログラム」
 3.6 フィッシャー晩年の挑戦
 4.ケインズの一般理論
 4.1 雇用・利子および貨幣の一般理論
 4.2 ケインズとシカゴプラン
 5.闇に葬られたシカゴプラン
 5.1 ミルトン・フリードマンのシカゴプラン
 5.2 タブーとなったシカゴプラン
 5.3 グラス・スティーガル法の廃案
第9章 公共貨幣システムの誕生
 1.システムデザイン
 1.1 米国貨幣法モデリング3部作
 1.2 「公共貨幣」の概念
 1.3 米国議会ブリーフィング
 2.「貨幣とマクロ経済ダイナミックス」の出版
 3.公共貨幣システムと貨幣の流通
 3.1 公共貨幣システムの特徴
 3.2 公共貨幣と銀行貸出
第10章 国の借金は完済できる
 1.債務完済のレバレッジ・ポイント
 2.債務完済のシミュレーション
 3.債務完済でインフレにならないの?
 4.万能薬ではないが
 5.公共貨幣政策
第11章 公共貨幣で輝く未来
 1.公共貨幣システムの構築
 2.公共貨幣vs.債務貨幣システム
 2.1 システム構築の比較
 2.2 システム構築の振る舞い比較
 3.政府債務完済の幸運を活かす
 3.1 デット・エンドの終焉
 3.2 民の活力を取り戻す
 3.3 経済基盤に活力を与える
 4.公共貨幣システムの応用
 4.1 寡占化は防げるのか
 4.2 女性にメリットはあるのか
 5.新生むらトピア経済
 6.レバレッジ・ポイントを誤るな!
第Ⅲ部 公共貨幣システムへの移行
第12章 公共貨幣システムへの移行モデリング

 1.貨幣改革タブーの崩壊
 1.1 ロン・ポール議員の連銀批判
 1.2 クシニッチ議員のNEED法案
 1.3 IMF論文「シカゴプラン再考」
 1.4 ターナー卿の公的貨幣ファイナンス(OMF)
 1.5 170年ぶりの英議会ディベート
 1.6 スイスの貨幣改革国民投票イニシアティブ
 2.債務貨幣システムから
 3.量的緩和(QE)の失敗を経て
 3.1 異次元の金融緩和
 3.2 マネーストックはなぜ増えない?
 3.3 現金をなぜばらまかないのか?
 4.公共貨幣システムへの移行
 4.1 移行(Transition)目標
 4.2 移行Transitionステップ
 5.120%のみんなが幸せに
 5.1 分割・支配統治の終焉
 5.2 100%のみんなを愛で包み
 5.3 大和の心で120%のみんなが幸せに
第13章 日本国公共貨幣法
 1.公共貨幣法の概観
 2.公共貨幣法メイキングのポイント
 3.日本国公共貨幣法
付録A 米国貨幣法
おわりに

公共貨幣入門』の構成

はじめに貨幣の定義ありき
第1章 債務貨幣システムと「失われた30年」
1.あなたのお金は誰かの借金
2.銀行貸出と預金創造
3.債務総額の内訳と日本経済の驚きの事実
4.日本経済の失われた30年
5.バブルの根本原因とその教訓
6.借金地獄と3つの破綻シナリオ
第2章 主流派経済学の破綻
1.市場原理主義の新古典派経済学
2.外生的債務貨幣を想定するケインズ経済学
3.主流派IS-LM理論の破綻
4.IS-LM理論のパラダイムシフト
第3章 MMTは債務貨幣のデザイン欠陥を隠蔽
1.貨幣理論を分類すれば4つしかない
2.MMTは虚偽の貨幣論
3.MMTの「就業保障プログラム」は対症療法
第4章 公共貨幣システムへの移行
1.システムの移行目標
2.移行の7プロセス
3.公共貨幣システムの新経済風景
第5章 公共貨幣で新国生みイニシアティブ
1.公共貨幣への移行:2つの登山道
2.新国生みイニシアティブの5大プログラム
3.プログラムのシステム思考

【日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金2022年案】

ベーシック・ペンション法(生活基礎年金法)2022年版法案:2022年ベーシック・ペンション案-1(2022/2/16)
少子化・高齢化社会対策優先でベーシック・ペンション実現へ:2022年ベーシック・ペンション案-2(2022/2/17)
マイナポイントでベーシック・ペンション暫定支給時の管理運用方法と発行額:2022年ベーシック・ペンション案-3(2022/2/18)
困窮者生活保護制度から全国民生活保障制度ベーシック・ペンションへ:2022年ベーシック・ペンション案-4(2022/2/19)

少しずつ、よくなる社会に・・・

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