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ベーシックインカム制は、大家族化・多子家族化を招くか:BI導入シアン-17(2020/8/5)

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 前回の投稿
ベーシックインカムの適正額はいくらか:BI導入シアンー16
の中で、こども一人の母子世帯の生活保護費と、ベーシックインカム制だ導入された時の合計ベーシックインカム給付額とを比較してみた。
 生活保護費の結果は、暮らす地域によって6段階あり、
 最高額が、211,420円、最低額が、165,260円。
 ベーシックインカムは、成人対象の生活基礎年金12万円と、学齢15歳以下の児童基礎年金10万円として、合計22万円。
 居住する地域に関係なく、すべての地域で、ベーシックインカムの方が支給額が多い。
 家賃など物価が安い地域で暮らす人の方が、ベーシックインカムを受け取るメリットが大きい。

小学生と幼児の2人の子どもの母子世帯の生活保護費とベーシックインカム受給額

 では次に、小学生と未就学児、2人の母子世帯について調べてみよう。
 前回同様、このサイトを利用する。
◆ 生活保護自動計算サイト https://seikatsu-hogo.net/


 2級地1の岡崎市で、
<生活扶助>は、第1類が、92,920円に0.8350を掛けて77,590円、第2類が53,3480円、計131,070円。
<児童養育加算>が、20,000円
<母子加算>が、22,890円
<住宅扶助>(家賃補助)が、448,000円。
合計で、221,960円 となった。
 前回の子ども1人の場合の 178,820円 に比べると 43,140円 の増額に留まる。
 厳しい。

 同様、他の5種類の地域での同条件での母子世帯の受け取る生活保護費は、以下のようになった。
・1級地1は、259,390円、1級地2が、253,190
・2級地2が、219,010円 
・3級地1が、210,140円、3級地2が、204,980
 

 では、ベーシックインカム制ではどうなるか。
 ここでは、地域の違いはなく、全国一律の支給基準となる。
 母親へは、<生活基礎年金>として12万円。
 2人の子どもには、年齢に関係なく、<児童基礎年金>が1人10万円ずつで20万円。
 3人合計で32万円が支給される。
 この額ならば、母子家庭も比較的安心して生活でき、子どもの成長状況などに応じて、非正規社員として希望する時間帯に働くなど、対応方法や選択肢が増えるのではないだろうか。

大規模家族化に戻るか:同居世帯規模が大きいほど生活が楽に

 先に母子家庭について確認した。
 そこで分かったように、母子家庭に限らず、夫婦世帯や、子どもの数が多い世帯のベーシックインカム受給額が、多ければ多いほど、当然増額する。
 これまで別に暮らしていた祖父母や父母、親戚などと一緒に暮らすようにすれば、生計費が節約でき、他の収入で、それなりに余裕のある生活や将来に備えて貯蓄も可能になると予想される。
 単身世帯の増加に歯止めがかかり、世帯人数が増える傾向が生じるかもしれない。
 古い時代の大家族主義とは異質な、世帯構成員の多数化による大家族主義が生まれるかもしれない。
 あるいは、家族関係がない人同士での、シェアハウス化・共同生活様式が広がる可能性もある。
 どうなるか、非常に興味深い。

非婚・未婚化を抑制し、結婚行動を引き起こすか

 非婚化・未婚化が加速し、それが少子化も加速する一つの重要な要因とされている。
 そして、未婚・非婚の理由の最大のものが、経済的な不安とそれによる将来への不安とされている。
 ベーシックインカム制は、経済的な不安をかなり取り除いてくれるのではないだろうか。
 仮に、カップルのどちらか、あるいは二人とも非正規社員として働いていても、<生活基礎年金>が、二人で24万円入れば、非正規社員としての給料を加えれば、生活上の不安のかなりは解消されるのではないだろうか。
 なにより、<生活基礎年金>は、支給されないことはない、確かな収入源なのだ。
 どちらか、または二人非正規社員のカップルが子どもを持っても、<児童基礎年金>が生まれた時からすぐに支給されるので、ある意味安心して子どもを作ることもできるだろう。
 子どもが欲しいから、結婚したい、結婚しよう、と結婚活動を起こさせるきっかけになる可能性にも期待したいのだが。

少子化抑制に結びつくか、2人目の壁・3人目の壁を乗り越えるか

 非婚・未婚と同様、少子化、子どもを持たない、子どもの数がひとりだけ、という夫婦・家族・世帯が増えている最も大きな要因が経済的な不安、将来への不安だ。
 ベーシックインカム制を導入することの直接的な目的・目標とは断定する必要はない。
 が、間違いなく、少子化に歯止めをかけ、合計特殊出生率が上昇に転じることを期待して導入するものであることを隠す必要はないだろう。
 そして、前項で書いたように、自分の世帯の子どもが増えれば、同時に<児童基礎年金>受給者が増え、生活自体に余裕が生まれる可能性さえ、このベーシックインカムは、もたらしてくれるのである。
 二人欲しいけど、三人目も欲しかったけど、という夫婦、母親・父親世帯に存在した、見えなかった二人目の壁、三人目の壁を簡単に打ち破ってくれるかもしれないのだ。

結婚年齢、初産年齢の引き下げに結びつくか

 そして、前述した各内容と、どちらが前になるのか、それとも後になるのか、どちらの場合もあると思われるが、結婚する時期・年齢を早める、あるいは、出産時期を早める方向に、社会や人の意識を向かわせるのでは、と期待が膨らんでいく。
 結婚年齢や第一子の出産年齢が下がることは、一般的に、多子化に結びつく可能性が高い。

少子化対策の決め手になる可能性に期待したいベーシックインカム制

 将来への経済的な不安などから結婚を諦めていた人、結婚しないと決めていた人の中から結婚する人が増え、かつ結婚する年齢が若くなる。
 初めての子どもを持つ年齢も若くなる。
 また、子どもがもっと欲しくても、経済的な不安から、子どもをつくることをためらっていた夫婦が、2人目、3人目の子どもを持つことができるようになる。
 すなわち、最も大きくて困難な社会問題とされている少子化対策の決め手となりうる制度・政策と、ベーシックインカムを位置付けうるのだ。
 それ故に、人生設計を書き直し、新しいライフステージやライフスタイルを実践することを可能にする。
 ベーシックインカム制が、積極的な人生、目標のある人生に転換する要因に、大いになりうるのではないか。


 無条件に、一律に同額を支給するベーシックインカムであることで、思想・信条・地位・職業・働き方・地域などに関係なく、将来への安心を提供・保障することから生まれる生きがいや働きがいやさまざまな目標や夢。
 人生100年時代における多様な生き方を、すべての人々が願い、実践できる基盤としてのベーシックインカム、<生活基礎年金><児童基礎年金>である。
 その導入を、コロナ禍、大規模自然災害など後ろ向きの姿勢・気持ちになりがちな時代だけに、一層真剣に考えるべきと思うのだ。
 もちろん、いいことばかり、夢のような話ばかりではない。
 否定的、批判的な意見も多いベーシックインカム制。
 起こりうると考えられるマイナスの部分・要素についても、議論・検討すべきことは当然である。
 当シリーズ及び当サイトでも、当然真逆の視点での考察も加えていくつもりである。

 次回は、今回と同様、ベーシックインカム制の導入が、社会経済にどんな影響を及ぼすか、別の視点から考えてみたい。

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本稿は、WEBサイト https://2050society.com 2020年8月5日投稿記事 2050society.com/?p=480 を転載したものです。

当ベーシックインカム、ベーシック・ペンション専用サイト http://basicpension.jp は2021年1月1日に開設しました。
しかし、2020年から上記WEBサイトで、ベーシックインカムに関する考察と記事投稿を行っていました。
そこで、同年中のベーシックインカム及び同年12月から用い始めたベーシック・ペンションに関するすべての記事を、当サイトに、実際の投稿日扱いで、2023年3月から転載作業を開始。
数日間かけて、不要部分の削除を含め一部修正を加えて、転載と公開を行うこととしました。
なお、現記事中には相当数の画像を挿入していますが、当転載記事では、必要な資料画像のみそのまま活用し、他は削除しています。
原記事は、上記リンクから確認頂けます。

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