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2022・23年考察

社会システムへの配慮が欠落したマクロ経済公共貨幣理論にならぬように:公共貨幣論から考える-13

少しずつ、よくなる社会に・・・

・山口薫氏著『公共貨幣』(2015/9/24刊・東洋経済新報社)
・山口薫氏・山口陽恵氏共著『公共貨幣入門』(2021/10/12刊・集英社インターナショナル新書)
を参考にして「公共貨幣」論のベーシック・ペンションへの組み込みの可能性と方法等を考える<「公共貨幣」論から考えるベーシック・ペンションと社会経済システム>シリーズ。

以下の構成で進めてきていますが、前回から【第3フェーズ】『公共貨幣』<第Ⅱ部 公共貨幣システム>第8章~第11章に入っています。
その第1回、通算第12回の投稿記事は、以下です。
公共貨幣理論の原型であるシカゴプランの政治的実現可能性が奪われた謎:公共貨幣論から考える-12(2022/7/10)
なお、これまでの【第1フェーズ】【第2フェーズ】の記事のラインアップは、今回の記事の最後に挿入しています。
確認頂ければと思います。

「公共貨幣」論から考えるベーシック・ペンションと社会経済システム>シリーズ構成

1.はじめに:<「公共貨幣」論から考えるベーシック・ペンションと社会経済システム>シリーズ開始にあたって
【第1フェーズ】:『公共貨幣』<第Ⅰ部 債務貨幣システム>第1章~第7章
 略.<第1章 経済学とは何か>から
 2.<第2章 お金とは何か>から
 3.<第3章 日本銀行は必要か>から
 4.<第4章 お金はなぜ無から創られるのか>から
 5.<第5章 お金はなぜ支配の手段となるのか>から
 6.<第6章 国の借金はなぜ増え続けるのか>から
 7.<第7章 債務貨幣システムはデット・エンドだ>から

【第2フェーズ】:『公共貨幣入門』第1章~第3章
 8.<第1章 債務貨幣システムと「失われた30年」>から
 9. 同上ー2
10.<第2章 主流派経済学の破綻>から
11.<第3章 MMTは債務貨幣のデザイン欠陥を隠蔽>から

【第3フェーズ】:『公共貨幣』<第Ⅱ部 公共貨幣システム>第8章~11章
12.<第8章 シカゴプラン(貨幣改革)とは何か>から
13.<第9章 公共貨幣システムの誕生>から
14.<第10章 国の借金は返済できる>から
15.<第11章 公共貨幣で輝く未来>から
【第4フェーズ】:『公共貨幣』<第Ⅲ部 公共貨幣システムへの移行>第12章~13章/『公共貨幣入門』第4章~5章
16.<第12章 公共貨幣システムへの移行モデリング>から
17.<第13章 日本国公共貨幣法>から 
18.<第4章 公共貨幣システムへの移行>から
19.<第5章 公共貨幣で新国生みイニシアティブ>から
20.総括:公共貨幣論のベーシック・ペンション構築及び社会経済システム改革への活かし方

<「公共貨幣」論から考えるベーシック・ペンションと社会経済システム>シリーズ-13:【第3フェーズ】『公共貨幣』「第Ⅱ部 公共貨幣システム」<第9章 公共貨幣システムの誕生>から

以下の構成になる<第9章>は、「公共貨幣システム」そのものの定義・意味とその誕生までの経緯が示されるはずのもの。
しかし、ボリューム自体少ないのですが、第1フェーズと第2フェーズで提示してきたことの繰り返しが多く、率直なところ、その割にスッキリと整理されている感がなく、残念ながら全体を通してインパクトが弱いものに終わっています。
それも実のところ基礎知識と理解能力の不足のなせるものであり、なんとか以下、整理してみることにします。

第Ⅱ部 公共貨幣システム
第9章 公共貨幣システムの誕生

 1.システムデザイン
  1.1 米国貨幣法モデリング3部作
  1.2 「公共貨幣」の概念
  1.3 米国議会ブリーフィング
 2.「貨幣とマクロ経済ダイナミックス」の出版
 3.公共貨幣システムと貨幣の流通

  3.1 公共貨幣システムの特徴
  3.2 公共貨幣と銀行貸出

『公共貨幣』「第Ⅱ部 公共貨幣システム」<第9章 公共貨幣システムの誕生より

米国貨幣法の貨幣改革3条件及び公共貨幣システムのシステムデザイン化への途

山口氏が提示する、債務貨幣システムを変革するレバレッジ・ポイントと直感した米国貨幣法(案)の改革3条件は以下です。
1)民間会社である連邦準備制度理事会(FRB)ー米中央銀行ーを財務省に統合し、政府のみ貨幣を発行する。
2)無からお金を創り出す民間銀行の信用創造を禁止し、100%準備とする。
3)経済成長に必要な貨幣は、政府が常時流通に投入する。
※ 1)と2)はシカゴプランの2つの概要であり、3)は米国貨幣法が新たに追加した条件

この3条件をベースにしたシミュレーション分析による検証などにより深化させた研究を進め、その成果を以下のように発表・報告していった。
・2010年7月25日第28回システムダイナミックス学会:「債務から自由な貨幣システムの下での政府債務の完済についてー米国貨幣法のモデリング」
・同月翌26日、デニス・クシニッチ下院議員の米議会ブリーフィングへの招待時に、同内容の報告
・同年9月第6回貨幣改革国際会議:上記同報告 ⇒ (米国貨幣研究所)<貨幣科学及び改革推進賞>受賞
・2011年第29回システムダイナミックス学会「オープン・マクロ経済に於ける公共貨幣システムの作動についてー米国貨幣法のモデリング」報告
・同年9月第7回貨幣改革国際会議:上記同報告
・2012年2月26日日本にて:ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス経由での民主党元総務大臣の要請に基づき、貨幣改革、公共貨幣システムによる政府債務完済可能等のプレゼン実施
 ⇒ 以後反応・アクションないまま
・2012年第30回システムダイナミックス学会「公共貨幣システムの下での貨幣と金融の安定性についてー米国貨幣法の簡略モデリング」報告

上記の会計SDマクロ経済モデリング3部作によるシミュレーション検証に基づき、公共貨幣システムの基礎となるシステムデザインが完成した、としています。

「公共貨幣」の概念

当初2010年には、当時一般的だった「債務からの自由な」貨幣システム、と表現していた。
研究が進化するなか、そのネガティブな表現に消極さを感じ「公共貨幣(Public Money)」という積極的な概念が相応しいと判断。
翌2011年のワシントンDCでの学会報告で初めて使用した。

利付き貨幣(money at interest)である「債務貨幣(debt money)」に対する概念として、National Money、govermnt money、state money などより強い表現や、debt-free money、interst-free money などの表現を用いることも選択肢としてあったが、貨幣を発行する主体が、民間の中央銀行だはなく、政府や国家であることを強調する表現として適切である。
また債務貨幣を民間の中央銀行が創る私的貨幣と考えれば、その対極にあるのが公共貨幣となる。
そしてこの「公共」という概念は、NGOやNPOといった組織おも包括でき、貨幣が果たすべき公共の福祉や厚生の向上などの役割も十分に担いうる意味合いを持たせることができることもある。
その他のそう呼称する要素・要因なども加え、多くの賛同を得て、最近では世界中の若手経済学研究者にもその概念が徐々に広がり始めているとしています。

2013年「貨幣とマクロ経済ダイナミックス」の出版とその直前での苦難

元来、「公共貨幣システム」の研究は、異端(タブー)の経済学研究であり、主流派研究者からは無視される状況が続いていた。
一応山口氏が所属し活動する特定の組織内に限っては、先述の通り「公共貨幣システム」理論構築への取り組みは順調に進んでいるかのようにみえた。
しかし社会経済の状況は失われた30年がより深刻度を深め、自身の理論をその打破に用いるべくより広める活動に傾斜しようとするなか、2013年3月同氏は、突如大学を追われ、出版の機会も奪われ、収入源も断たれ、生活圏も奪われることになった。
そうした苦難の中、どうにか同年11月「貨幣とマクロ経済ダイナミックス」出版の報告ができる機会を得ることができた。

「貨幣とマクロ経済ダイナミックス」の5つの革新的特徴

世界大恐慌後の1935年に出版されたフィッシャーとケインズの経済学を統合するものとして、マクロ経済学の振る舞いを分析する革新的方法を提供する。
現在の経済が直面する金融危機・債務危機から自由で代替的な経済システムを構築可能にする。
こう主張する、英文474ページからなる「貨幣とマクロ経済ダイナミックス」の5つの特徴として以下挙げています。

1)会計システムダイナミックスという強靭で包括的な方法を用いて、新しい視点からマクロ経済を分析する。
・会計システム:複式簿記という社会科学の基礎理論
・システムダイナミックス:微分方程式という自然科学の動学基礎理論
2)貨幣(マネー)が常にマクロ経済分析の中心座標に鎮座しており、貨幣が経済に付随的に機能する伝統的なアプローチでは得られなかった貨幣経済のダイナミズムを分析する。
3)現行のマクロ経済を債務貨幣システムととらえ、そのシステム構造が不況、失業、金融・債務危機をもたらすと分析し、こうした経済危機から脱却できる代替的なシステムとして公共貨幣システムを提唱し、そのシステム構造、振る舞いを比較分析する。
4)本書のマクロ経済分析はすべて、システムダイナミックスを用いたマクロ経済モデルのシミュレーションに立脚しており、(添付のCD収録のモデルを用いてすべての分析結果を)読者がシミュレーション確認することができる。更に読者の興味やマクロ経済仮説に応じて、自由にマクロ経済シナリオが分析できる。
5)本書で提供のモデルはすべてテキストで用いられている標準的フレームワークに立脚しているので、これらをベースモデルとして、高度のマクロ経済行動仮説を用いたモデルへの拡張や、各国のマクロ経済実証分析への応用が容易となる。

公共貨幣システムの3つの特徴と「信用創造」の行方

この章の最後は、「公共貨幣システム」の3つの特徴と、このシステムによって、債務貨幣システムの構造的欠陥であった「信用創造」がどのようになるかについて説明しています。
まず、3つの特徴は、次のとおりです。

<「公共貨幣システム」3つの特徴>
特徴1:(先述の)貨幣改革3条件の1)から派生する特徴
・民間会社の中央銀行を政府の組織に統合し、公共貨幣委員会のみが貨幣を発行できる権限をもつ
・政府貨幣(硬貨やコイン)は政府が発行し、紙幣は日銀が発行するというこれまでの通貨制度(通貨=貨幣+銀行券)が廃止される。
・公共貨幣は、硬貨、紙幣、デジタルなどの素材をとわず、すべて公共貨幣委員会によって当位置的に発行される法貨となる。
・流通に投下されるマネタリーベースは、すべて公共貨幣の法貨となる。

特徴2:(先述の)貨幣改革3条件の2)から派生する特徴
・無からお金を創り出す民間銀行の信用創造を禁止し、100%準備とする。
・日銀当座預金=100%準備金=要求払預金となり、同時にマネタリーベース=マネーストックM1となる。
・要求払預金は公共貨幣委員会が発行する法貨となる。
・常にマネタリーベース量がマネーストックとして安定的に流通する。
・主な貸出預金は消費者が要求払預金から当分は余分なお金として貯金にまわす貯蓄預金となる。
・その貯蓄預金が企業に貸し出され、要求払預金として再び銀行に戻ってくる。
・こうして公共貨幣は流通し始める。

特徴3:(先述の)貨幣改革3条件の3)から派生する特徴
経済成長や社会福祉の充実に必要な貨幣は、公共貨幣委員会が政府予算に組み込んで常時流通に投入する。
・マネーストックが経済成長に見合った額だけ流通に投入されるようになれば、バブルやデフレなどの景気変動を引き起こすこともなく、公共貨幣は持続的経済成長をもたらし、同時に国民の福祉向上に貢献できるようになる。

<信用創造システムの必要性の消滅、2つの流れ>
1)企業が借金をする場合
・企業が長期ローンを申し込む(企業の借入金増加)
・銀行はローンの審査を行い、パスすれば融資(銀行の貸出資産の増加、貸出資金の減少)
・銀行に十分な貸出資金がなければ融資に応じられず、信用創造はできない
・銀行は融資額を企業の当座預金口座に振り込み(銀行の要求払預金の増加)
・同時に、銀行は、当座預金増分の金額の100%を準備金に振り込み、要求払預金の増加に見合う100%準備を確保(銀行の100%準備金の増加)
・このプロセスで信用創造は起きない。
・企業がこの振込融資額を確認(企業の当座預金の増加)
以上のように、銀行及び企業の貸借対照表の資産と負債が同時にバランスして増加する。

2)企業が借金を返済する場合
・企業がローンを返済(企業の借入金の減少)
・銀行がローンの返済を受ける(銀行の貸出資産の減少)
・銀行がローン返済額を企業の当座預金口座から同時に引き出す(銀行の要求払預金の減少)
・同時にこの分の準備金が不要となり、100%準備金の振り替えをして、貸出資金の保有量を同額増やす
・企業がこのローン返済額の引出を確認(企業の当座預金の減少)
以上により、銀行及び企業の貸借対照表の資産と負債が同時にバランスして減少する。

本章からのベーシック・ペンション構想へのヒント・課題-13

会計システムダイナミックスによるシミュレーションに基づく検証・分析。
これが、債務貨幣システムの構造的欠陥を明らかにし、これに代わる公共貨幣システムの有効性、すなすわち、不況も失業も、大恐慌もハイパーインフレもその発生の可能性の芽を摘んでしまい、安定的な経済成長を実現することに寄与する。

信用創造の仕組みも、これによりいとも簡単に禁止でき、不用になる。
複式簿記レベルでの帳票上でのやり取りは、極めて理解しやすく、理解も得やすいですが、果たして微分方程式を使いこなしてのマクロ経済シミュレーションの妥当性・絶対性については、無条件で評価賛同することは正直できません。
筆者が批判し、かつ異なるそれぞれの理論派において従来行われてきたマクロ経済モデル構築作業もまた、それぞれが正しいと信じた手法・理論をベースにして行い、提起し、そして誤りであったわけです。
山口氏が自信をもって提起提案提唱する公共貨幣システム理論が、絶対的に正しいと断定・断言できる手法も保証も、未だ導入されて正しく機能した結果がない限り、手に入れることはできません。
まして、「経済成長や社会福祉の充実に必要な貨幣は、公共貨幣委員会が政府予算に組み込んで常時流通に投入する」といとも簡単に、楽観的に論じるに至っては、まに受けて、手放しで喜ぶことなどでkるはずがありません。
税制や社会保障・社会保険制度をどのようにするのかの議論も提案もないままでの結論なのですから。
そのスタンスは、ベーシックインカム論者が、ベーシックインカム導入により発生し、取り組むべき社会保障制度全般や銀行・日銀関連法制等関連する制度の改革・改善方法などについて、ほとんど踏み込まないことと同次元なのです。

まだ、本書のすべてを読み通したわけでなく、最終的にはそのレベルまで考察と提案がなされるのかもしれませんが、あまり期待はしていません。
自身の専門領域に関する自信の程の強さ・大きさは、学者研究者に共通の特徴・強みなのかもしれませんが、その専門領域においても多くの賛同が得られず、広がりを欠くのは、理論上の問題だけではないような気がしています。
そのような問題・課題が山口氏の公共貨幣理論にある。
想定内のことですが、やはり残念なことではあります。
そうした残念な点、そして不安点が、残る部分の検討・考察で、少しでも払拭されることを願って、先に進みます。

次回は、<第10章 国の借金は完済できる>を取り上げます。

「公共貨幣」論から考えるベーシック・ペンションと社会経済システム>シリーズ記事ラインアップ

【第1フェーズ】:『公共貨幣』<第Ⅰ部 債務貨幣システム>第1章~第7章
<第1回>:<「公共貨幣」論から考えるベーシック・ペンションと社会経済システム>シリーズ開始にあたって(2022/6/15)
<第2回>:4つの機能を持つ貨幣、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」「日本銀行法」:公共貨幣論から考える-2(2022/6/17)
<第3回>:政府55%出資の民間特殊法人・日本銀行が抱える不明朗性と存在意義:公共貨幣論から考える-3(2022/6/19)
<第4回>:廃すべき信用創造という民間銀行の利権と不平等:「公共貨幣」論から考える-4(2022/6/21)
<第5回>:権力の支配手段としてのお金の正体:公共貨幣論から考える-5(2022/6/23)
<第6回>:減らすことができない財政赤字・政府債務。これからどうなる、どうする?:公共貨幣論から考える-6(2022/6/25)
<第7回>:現状の債務貨幣システムの欠陥と宿命をどのように理解してもらうか:公共貨幣論から考える-7(2022/6/28)
【第2フェーズ】:『公共貨幣入門』第1章~第3章
<第8回>:債務貨幣システムはなぜ生まれたかを復習する:公共貨幣論から考える-8(2022/7/1)
<第9回>:失われた30年から、何を変革すべきと考えるか:公共貨幣論から考える-9(2022/7/3)
<第10回>:新古典派経済学、ケインズ経済学の破綻とその要因:公共貨幣論から考える-10(2022/7/5)
<第11回>:公共貨幣論よりも広まったMMTへの怨念はらむ批判が残念:公共貨幣論から考える-11(2022/7/7)
【第3フェーズ】:『公共貨幣』第8章~第11章
<第12回>:公共貨幣理論の原型であるシカゴプランの政治的実現可能性が奪われた謎:公共貨幣論から考える-12(2022/7/10)

公共貨幣』の構成

はじめに
第Ⅰ部 債務貨幣システム
第1章 経済学とは何か

 1.3つの経済学:バークレーでの挑戦
 1.1 アロー・ドブルーモデル
 1.2 新古典派経済学のエッセンス
 1.3 経済思想のモデル
 2.「むらトピア経済」の誕生
 2.1 トフラー『第三の波』の衝撃
 2.2 むらトピア経済
 3.システムダイナミックスとの出会い
 3.1 会計システムダイナミックス
 3.2 バークレーからの再挑戦
 4.リーマンショック
 4.1 歴史は繰り返された
 4.2 ゾンビ経済学
 4.3 経営学のタブー
 4.4 孫悟空と釈迦の手 
第2章 お金とは何か
 1.ことわざに見るお金
 1.1 価値尺度情報
 1.2 交換手段
 1.3 価値保蔵
 1.4 権力の支配
 2.貨幣の定義
  2.1 ストック・フロー図でみるお金の流れ
2.2 教科書による定義
  2.3 アリストテレスの定義
3.法貨 Legal Tender
 3.1 政府貨幣⇒制限付き法貨
 3.2 日本銀行券⇒無制限法貨
 3.3 マネタリーベース=法貨
 3.4 米国の法貨
第3章 日本銀行は必要か
 1.日本銀行は民間会社
 2.日銀に出資するメリット
 3.日本銀行のビジネスモデル
  3.1 日銀の収入源
  3.2 税金から利息を収奪
 4.不可解な剰余金処分
  4.1 剰余金(利益)隠し
  4.2 国債利息計算の丸投げ
  4.3 民間出身者への剰余金配当
第4章 お金はなぜ無から創られるのか
 1.預金は法貨なのか
 1.1 日銀のマネーストック定義
 1.2 預金は通貨(法貨)ではない
 1.3 無から創られる預金
 2.信用創造のメカニズム
  2.1 教科書が教える部分準備銀行制度  
  2.2 銀行貸出が預金(信用)を創る
  2.3 預金は誰のもの
第5章 お金はなぜ支配の手段となるか
 1.「金が金を儲ける」
 2.複利計算の驚異と恐怖
  2.1 指数的成長と倍増(半減)時間
  2.2 借金地獄の恐怖
 3.権力の支配手段
  3.1 支配の質的構造変化
  3.2 「グローバル企業支配のネットワーク」
  3.3 支配の階層 Sphere of Influence
 4.債務貨幣・株式所有システムの振る舞い
第6章 国の借金はなぜ増え続けるのか
 1.借金地獄の日本
  1.1 ジャパンアズナンバーワンの難破
  1.2 消費増税8%でも借金は増大!
1.3 政府債務簡素SDモデル
  1.4 長期債務残高のシミュレーション
  1.5 消費増税で借金増大、なぜ?
  1.6 借金返済で金が消える!
  1.7 財政健全化のシミュレーション
 2.米国の債務危機
 3.OECDの債務危機
 4.3つの破局シナリオ
第7章 債務貨幣システムはデット・エンドだ
 1.債務危機回避のシミュレーション
 2.債務増大はストップできるが・・・
  2.1 歳出を10%削減
2.2 消費税を5%から10%に引き上げ
 3.「財政の崖」から転落する
 4.泣き面に蜂
第Ⅱ部 公共貨幣システム
第8章 シカゴプラン(貨幣改革)とは何か

 1.レバレッジ・ポイントを探せ
 2.シカゴプランの誕生
 2.1 1929年の株価大暴落と銀行休日
 2.2 「銀行改革のためのシカゴプラン」
 2.3 フレデリック・ソディ(ノーベル化学賞)
 2.4 グラス・スティーガル法
 3.フィッシャーの「シカゴプラン」
 3.1 大恐慌の債務 ー デフレ理論
 3.2 100%準備システム
 3.3 100%準備システムがもたらす利点
 3.4 1935年改訂銀行法の攻防
 3.5 「貨幣改革のためのプログラム」
 3.6 フィッシャー晩年の挑戦
 4.ケインズの一般理論
 4.1 雇用・利子および貨幣の一般理論
 4.2 ケインズとシカゴプラン
 5.闇に葬られたシカゴプラン
 5.1 ミルトン・フリードマンのシカゴプラン
 5.2 タブーとなったシカゴプラン
 5.3 グラス・スティーガル法の廃案
第9章 公共貨幣システムの誕生
 1.システムデザイン
 1.1 米国貨幣法モデリング3部作
 1.2 「公共貨幣」の概念
 1.3 米国議会ブリーフィング
 2.「貨幣とマクロ経済ダイナミックス」の出版
 3.公共貨幣システムと貨幣の流通
 3.1 公共貨幣システムの特徴
 3.2 公共貨幣と銀行貸出
第10章 国の借金は完済できる
 1.債務完済のレバレッジ・ポイント
 2.債務完済のシミュレーション
 3.債務完済でインフレにならないの?
 4.万能薬ではないが
 5.公共貨幣政策
第11章 公共貨幣で輝く未来
 1.公共貨幣システムの構築
 2.公共貨幣vs.債務貨幣システム
 2.1 システム構築の比較
 2.2 システム構築の振る舞い比較
 3.政府債務完済の幸運を活かす
 3.1 デット・エンドの終焉
 3.2 民の活力を取り戻す
 3.3 経済基盤に活力を与える
 4.公共貨幣システムの応用
 4.1 寡占化は防げるのか
 4.2 女性にメリットはあるのか
 5.新生むらトピア経済
 6.レバレッジ・ポイントを誤るな!
第Ⅲ部 公共貨幣システムへの移行
第12章 公共貨幣システムへの移行モデリング

 1.貨幣改革タブーの崩壊
 1.1 ロン・ポール議員の連銀批判
 1.2 クシニッチ議員のNEED法案
 1.3 IMF論文「シカゴプラン再考」
 1.4 ターナー卿の公的貨幣ファイナンス(OMF)
 1.5 170年ぶりの英議会ディベート
 1.6 スイスの貨幣改革国民投票イニシアティブ
 2.債務貨幣システムから
 3.量的緩和(QE)の失敗を経て
 3.1 異次元の金融緩和
 3.2 マネーストックはなぜ増えない?
 3.3 現金をなぜばらまかないのか?
 4.公共貨幣システムへの移行
 4.1 移行(Transition)目標
 4.2 移行Transitionステップ
 5.120%のみんなが幸せに
 5.1 分割・支配統治の終焉
 5.2 100%のみんなを愛で包み
 5.3 大和の心で120%のみんなが幸せに
第13章 日本国公共貨幣法
 1.公共貨幣法の概観
 2.公共貨幣法メイキングのポイント
 3.日本国公共貨幣法
付録A 米国貨幣法
おわりに

公共貨幣入門』の構成

はじめに貨幣の定義ありき
第1章 債務貨幣システムと「失われた30年」
1.あなたのお金は誰かの借金
2.銀行貸出と預金創造
3.債務総額の内訳と日本経済の驚きの事実
4.日本経済の失われた30年
5.バブルの根本原因とその教訓
6.借金地獄と3つの破綻シナリオ
第2章 主流派経済学の破綻
1.市場原理主義の新古典派経済学
2.外生的債務貨幣を想定するケインズ経済学
3.主流派IS-LM理論の破綻
4.IS-LM理論のパラダイムシフト
第3章 MMTは債務貨幣のデザイン欠陥を隠蔽
1.貨幣理論を分類すれば4つしかない
2.MMTは虚偽の貨幣論
3.MMTの「就業保障プログラム」は対症療法
第4章 公共貨幣システムへの移行
1.システムの移行目標
2.移行の7プロセス
3.公共貨幣システムの新経済風景
第5章 公共貨幣で新国生みイニシアティブ
1.公共貨幣への移行:2つの登山道
2.新国生みイニシアティブの5大プログラム
3.プログラムのシステム思考

【日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金2022年案】

ベーシック・ペンション法(生活基礎年金法)2022年版法案:2022年ベーシック・ペンション案-1(2022/2/16)
少子化・高齢化社会対策優先でベーシック・ペンション実現へ:2022年ベーシック・ペンション案-2(2022/2/17)
マイナポイントでベーシック・ペンション暫定支給時の管理運用方法と発行額:2022年ベーシック・ペンション案-3(2022/2/18)
困窮者生活保護制度から全国民生活保障制度ベーシック・ペンションへ:2022年ベーシック・ペンション案-4(2022/2/19)

少しずつ、よくなる社会に・・・

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