公共貨幣論よりも広まったMMTへの怨念はらむ批判が残念:公共貨幣論から考える-11
少しずつ、よくなる社会に・・・
・山口薫氏著『公共貨幣』(2015/9/24刊・東洋経済新報社)
・山口薫氏・山口陽恵氏共著『公共貨幣入門』(2021/10/12刊・集英社インターナショナル新書)
を参考にして「公共貨幣」論のベーシック・ペンションへの組み込みの可能性と方法等を考える<「公共貨幣」論から考えるベーシック・ペンションと社会経済システム>シリーズ。
前回で以下の【第1フェーズ】『公共貨幣』「第Ⅰ部 債務貨幣システム」を終えています。
<第1回>:<「公共貨幣」論から考えるベーシック・ペンションと社会経済システム>シリーズ開始にあたって(2022/6/15)
<第2回>:4つの機能を持つ貨幣、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」「日本銀行法」:公共貨幣論から考える-2(2022/6/17)
<第3回>:政府55%出資の民間特殊法人・日本銀行が抱える不明朗性と存在意義:公共貨幣論から考える-3(2022/6/19)
<第4回>:廃すべき信用創造という民間銀行の利権と不平等:「公共貨幣」論から考える-4(2022/6/21)
<第5回>:権力の支配手段としてのお金の正体:公共貨幣論から考える-5(2022/6/23)
<第6回>:減らすことができない財政赤字・政府債務。これからどうなる、どうする?:公共貨幣論から考える-6(2022/6/25)
<第7回>:現状の債務貨幣システムの欠陥と宿命をどのように理解してもらうか:公共貨幣論から考える-7(2022/6/28)
その後、シリーズは【第2フェーズ】『公共貨幣入門』第1章~第3章に入り、以下の3回を終えています。
<第8回>:債務貨幣システムはなぜ生まれたかを復習する:公共貨幣論から考える-8(2022/7/1)
<第9回>:失われた30年から、何を変革すべきと考えるか:公共貨幣論から考える-9(2022/7/3)
<第10回>:新古典派経済学、ケインズ経済学の破綻とその要因:公共貨幣論から考える-10(2022/7/5)
<「公共貨幣」論から考えるベーシック・ペンションと社会経済システム>シリーズ-8:【第2フェーズ】『公共貨幣入門』<第3章 MMTは債務貨幣のデザイン欠陥を隠蔽>から
今回からは、次の構成の<第3章 MMTは債務貨幣のデザイン欠陥を隠蔽>を取り上げます。
第3章 MMTは債務貨幣のデザイン欠陥を隠蔽
1.貨幣理論を分類すれば4つしかない
2.MMTは虚偽の貨幣論
3.MMTの「就業保障プログラム」は対症療法
『公共貨幣入門』<第3章 MMTは債務貨幣のデザイン欠陥を隠蔽>より
例によって、上記の3つの節・項区分をアレンジして、以下進めていきます。
4つの貨幣理論
この章の目的であるMMT(Modern Monetary Theory 現代貨幣理論)を批判すべく、初めにそのポジションを明確にするためとして、貨幣理論を次の4種類に区分して、それぞれ説明しています。
1)主流派1=貨幣無用論(商品貨幣論)
2)主流派2=債務貨幣論(フロー手法)
3)内生的債務貨幣論(ストック手法):貨幣改革論系及びMMT系
4)公共貨幣論
主流派の2分類は、既に述べた新古典派経済学とケインズ経済学における貨幣論です。
公共貨幣は、債務貨幣を批判してこうあるべきという山口氏提案の新しい貨幣理論。
MMTは、そのいずれにも属さない、内生的債務貨幣論としていますが、但し、そのグループ内に、貨幣改革論系とMMT系の2つが存在し、経済モデル不在の論争を繰り広げているとしています。
この4分類を、概要、モデル、代表的エコノミストという項目で分かりやすく整理した分類表とそれぞれの詳しい説明がありますが、ここでは省略し、相当のページ数を費やしているMMTの批判の方に移ります。
MMTは虚偽の貨幣論
「公共貨幣」による債務貨幣の現状分析の帰結である破局のシナリオに真っ向から対立するような貨幣理論が最近国内に広がっている。MMT系のと呼ばれる現代貨幣理論である。
「自国通貨を発行する政府のデフォルトはありえないし、たとえインフレやハイパーインフレが発生したとしても、増税で制御でき」「貨幣はIOU(借用証書)である」というものである。
この項は、その考え方を詭弁として批判する、上述の激しい口調から始まります。
2021年の米国貨幣研究所主催・第8回貨幣改革国際会議時に山口氏グループがMMTグループと行った激論後、同グループは貨幣改革グループから決別。
その後、山口氏がMMTの動向にほとんど注意を払ってこなかったのが、最近の日本国内での異常ともいえる取り上げられるようになってきたことに驚き、急遽その批判を再開。
この間、自分たちの公共貨幣理論の普及・理解を深める活動を地道にやってきたのに、この致命的欠陥理論であるMMTが、かくも注目と支持を集めてきていることが許せない。
そんな(嫉妬にも似た)忌々しい思いを吐露した感じ、とするのは失礼かもしれませんが・・・。
いずれにしても、体系的なマクロモデルがない、寄木細工のようなMMTと、その理論の原書を綿密に評価分析して取り上げたMMT7つの虚偽を以下、順にできるだけ簡単に見ていくことにします。
虚偽の貨幣論MMT-1:貨幣は借用証IOU、という虚偽
貨幣を借用書とするMMTは、自ずと銀行が利付で発行する債務貨幣を唯一の貨幣とする。
その定義に基づく債務貨幣の約65%(2018年)を占める機能的貨幣を可能にするのが部分準備金制度のもとでの無からの借金=信用創造だが、この民間銀行の利権には触れず、税制による流通通貨量のコントロールが可能とするが、政府は流通通貨量のコントロールはできない。
また政府の徴税権をもとにしたMMTだが、そのためには法貨であることが前提であり、IOUを貨幣とすることは論理的に不可能である。
これに対して、公共貨幣システムでは「貨幣は無利子の公共貨幣(Public Money)である」とし、根本的な違いを主張します。
虚偽の貨幣論MMT-2:日銀と政府を統合政府とすれば理論の簡素化が可能、という虚偽
MMTは、米連銀(中央銀行)と政府(財務省)の統合政府を仮定して、統合政府とその他の民間との間で流通通貨量を分析。
両者の財務諸表を連結すれば、日銀所有の国債と政府の債務が帳消しされ、政府の借金(債務貨幣の発行)はその他の民間の機能的貨幣(預金)となる。
これは、事実認識からも、資金循環分析の方法論からも誤りであり、財務諸表の連結による統合政府なる仮定は、理論的にも実践的にも不可能である。
整理すると
1)公共貨幣の存在を無視して債務貨幣のみが貨幣であると定義している
2)その債務貨幣を用いて「統合(連結)政府」を仮定し、貨幣(マネーストック)の振る舞いを説明する
という2つの根本的論理矛盾をMMTは抱えているといっています。
虚偽の貨幣論MMT-3:政府は自国建て通貨を発行できる、という虚偽
MMTによれば、政府硬貨はIOUではないので通貨とはならず、日銀券+準備預金のみが通貨となる。
この通貨は政府でなく日銀が発行しており、日銀の貸借対照表の負債勘定に計上され、これらの負債に対応する資産勘定には、主に政府発行の国債が計上される。
そのため主に日銀保有の国債(政府の借金)を担保に日銀が通貨を発行していることになるが、このことで政府が通貨を発行しているとするのは事実誤認である。
また政府債務は債務貨幣の一部に過ぎず、その大半も、日銀保有の国債以外は民間からの借金によって創造された機能的貨幣。
にも拘らず、MMTが「政府が自国通貨を発行できる」とするが、それは自国の貨幣単位による国債発行(国の借金)と同義であり、しかも債務貨幣全体の48%(2018年)にすぎない。
すなわち、それは虚偽であり、MMTは歪曲された貨幣論である。
従い、正しくは、「政府は自国建ての公共貨幣を発行できる」と反論・反証しています。
虚偽の貨幣論MMT-4:自国建て通貨を発行する政府はデフォルトしない、という虚偽
EU諸国の政府は、自国建て通貨を発行できず、デフォルトを回避できないが、円やドルで借金している日本や米国の政府はデフォルトすることがない、とMMTを「打ち出の小槌」のように言っている。
しかし、正しく言うならば「政府はいくら借金をしても、借款債で元金返済を繰り延べし、利息のみを支払えば返済不能となることはない」とまでは言える。
だが、経済成長が止まった場合には、利息返済は強制され、やがて企業や家計の純資産が減少し始め、いずれは債務超過に追いやられ、デフォルトする。
すなわち、MMTの主張は、民間がデフォルトして経済活動が停止しても、政府だけは最後までデフォルトしないというに等しく、姑息な論理のごまかしがある。
この民間のデフォルト回避のために、政府が利息返済分をさらに国債発行で借金し賄っていくとすると、元金の債務残高はされに積み上がり、その後無限の借金地獄ループに陥れ、デフォルトのみならず無限の借金地獄に陥らせ、日本を破滅に追いやってしまう。
従い、正しくは、現行の債務貨幣システムにおいては、
「自国建ての通貨(債務貨幣)を発行する企業や家計、政府はいずれデフォルト」し、
「自国建ての公共貨幣を発行する政府はデフォルトしない」としています。
虚偽の貨幣論MMT-5:政府債務が増大してもハイパーインフレにはならない、という虚偽
MMT論者は、日本では政府の借金が累積しているにもかかわらず、金利はむしろゼロにまで下落しており、このことからもMMTの正しさが立証されていると誇らしげに主張。
だが、過去30年間、政府の財政出動で約600兆円の借金を積み上げてきたにもかかわらず、日本経済は成長しなかった。
これこそが、MMTの誤りを実証しており、失われた30年の要因ともなっていることに対する無責任として山口氏は憤りを示すのです。
MMTが主張する主流派貨幣論批判は、MMTの正当性を証明するものではなく、単に、債務貨幣論(ストック手法)が正しかっただけ、として、デマンドプル、コストプッシュどちらにおいてもインフレや続くハイパーインフレのコントロールが不可能であることを債務貨幣システムの欠陥と重ね合わせて縷々説明しています。
その上で、公共貨幣システムでは、
公共貨幣の流通量が増大しても政府支出の抑制や増税でコントロールできるため、ハイパーインフレにはならない。
さらに、未来のお金「電子公共貨幣(EPM)」を発行すれば、インフレを直接かつ機動的にコントロールする政策手段が整備され、制御が確実かつ容易になる、と付言するのです。
虚偽の貨幣論MMT-6:政府の借金は民間の資産(預金)になる、という虚偽
MMTの主張では、政府の借金は民間の金融資産(預金)の増大になるので、マネーが増えて民間が潤い、だれも損をせず、政府がもっと借金をすれば、我々はもっと豊かになれると。
それに対して山口氏は、政府の国債発行に伴って影響を受けるマクロ経済部門(政府・民間(家計・企業)・日銀・銀行)の簡易バランスシートを用いて、MMTの矛盾を突いてきます。
その結果、経済活動や金融資産の需要の為に、債務貨幣が発行されればそれだけ銀行の純資産が増大。
それにより最終的に潤うのは1%に満たない国際銀行家であり、1%対99%の所得格差が拡大していくと結びます。
従い、政府の借金は民間資産(預金)の増加ではなく、究極的には銀行の純資産の増加となり。所得格差を拡大させることになります。
虚偽の貨幣論MMT-7:政府の支出が最初にくる Spendeing Comes First! 、という虚偽
どんなに詭弁を用いようとも、政府が最初に支出できるためには、その前にまず借金から始めて、政府の預金口座にお金がなければならない。
Brrowing Comes First ! 政府は最初に借金!であり、決して、Spendeing Comes First ! ではない。
それを可能にするのが、「政府の公共貨幣の支出が最初に来ること Public Money Spendeing Comes First ! 」である。
こう結論付けます。
以上の7つの虚偽を孕んだ「MMTによる反緊縮・積極財政は政府債務を急増させ、やがて国を滅ぼす」と山口氏は断言し、MMTを断罪します。
債務貨幣システムの4大デザイン欠陥を隠蔽する偽理論MMT
1)部分準備制度により無からお金を内生的に創造・消滅させることで、貨幣供給が不安定になり、インフレ(バブル)、デフレ(不況)、失業等の景気循環を繰り返し発生させる。
2)政府債務を増大させ、その債務返済のために消費税等の増税や福祉予算の削減等の緊縮財政を強制して国民を苦しめる。
3)借金の利息を複利で計算してお金持ちが益々富み続ける金融システムをつくり、1%と99%の所得格差をもたらす。
4)福島原発事故のような環境汚染が食の安全を脅かし、元利返済のために強いられる拡大再生産が生態系を破壊し、持続不可能な社会・地球の未来をもたらす。
以上の債務貨幣システムが抱えるデザイン欠陥は、MTTによる債務貨幣政策を実践する限り克服できず、そのためには、公共貨幣システムへの移行が不可欠というわけです。
MMTの「就業保障プログラム」は対症療法
この章の最後の項は、MMTが示している完全雇用政策としての就業保障プログラム(Job Guarantee Program)について。
それは、MMTが債務貨幣システムのデザイン欠陥に起因する社会経済問題を意識しているかのように、その克服のための政策提言の代表的な一つとしていることから取り上げたものです。
その特徴は
1)このプログラムによる政府支出は、不況時には拡大し、好況時には縮小するため、経済を自動安定化させる
2)このプログラムで支給される賃金は、事実上の最低賃金として機能し、民間部門の労働条件の改善に繋がる
一見素晴らしい社会主義的(左翼的)政策提案のようにみえることにあるとします。
就業保障プログラムが内包する問題と理想としての労働の在り方
これに対して山口氏は、同プログラムは
1)債務貨幣システムであるMMT自体が景気変動による不況や失業を引き起こしているゆえに、対症療法に過ぎない
2)政府が不況時に提供する仕事は、多かれ少なかれ非生産的なもので、GDPに貢献しない無駄な仕事が多く、その背後で政府債務が継続的に増大させ、デフォルトを招く
3)ある意味ベーシックインカムと同様に非生産的で怠惰な社会を作りだし、イノベーションを止め、社会を停滞させる
4)家族経営や協同組合的企業、従業員持株会社などを枠外として、労働市場を財・サービスの交換市場の一環とみなしている
と問題視しています。
こうした問題認識から山口氏が提起するのは、
財・サービスと労働市場を同じ次元で交換可能な市場として理論を構築する欧米の経済学批判とそれからの解放です。
その理想としての形を、かつての日本における労働は苦痛ではなく、生産労働に集中することが救済の道であり、至福に至る道とみなした労働観、勤労観に求めるのです。
最後にこう表現し、結んでいます。
「公共貨幣」の理論がやっと完成したとき、重圧から開放され、労働は決して財・サービスと同じレベルでの交換市場の一環ではなく、あくまでも自己救済による至福への道でなければならない。総革新できるようになった。
公共貨幣という新国生みの新しいシステムデザインでそれが実践、実現できるのである。
欧米の国際銀行家や資本家、その手先としての経済学者に洗脳された多くの人々を公共貨幣で解放するのである。
正直、この最後の口調・論調で、公共貨幣に対する、というよりも、山口氏に対する興味関心が一気にしぼんでしまった感があります。
こういうある意味思想的、信教・信条的・哲学的?表現に至ると、経済学や経済理論ベースで理解しようとしていた姿勢スタンスが崩れていき、拒絶反応らしきものが起きてくるのです。
こういう面で、MMTの、理論とは呼べないような単純な議論の方が受け入れられやすかった。
そう言えるような気がします。
すなわち、ここでMMT批判の妥当性が一気にトーンダウンし、逆効果になってしまうであろうことは、経済学者としての冷静さを欠いたがためのことと思うのです。
本章からのベーシック・ペンション構想へのヒント・課題-11
この章の最後の最後に、ベーシックインカム批判が出てきてしまいました。
MMTがベーシックインカム論者の提案に一定の役割を果たしたことが、よほど腹に据えかねたためか、それとも元々ベーシックインカムをそう見下していたためか分かりませんが、その非常に狭量の、ごく一部の固定観念での発言は残念でなりません。
まあ、先述の範囲に留まる山口氏の認識など、無視できるレベルのものなので、そこに限っては議論する必要はありません。
実は、『公共貨幣入門』(2021/10/12刊)が発刊される以前に、私は当サイトで
◆ MMT現代貨幣理論とは:ベーシックインカムの論拠としての経済学説を知る(2021/2/23)
◆ MMTに基づくベーシックインカム反対理由:歯止めが効かなくなるヘリコプター・マネーの政治的リスク、グローバル社会リスク(2021/2/12)
という記事を投稿しています。
そこでも分かるように、経済学に疎い私は、もともとMMTには、素人なりに懐疑的。
そこでの感じ方を、今回の山口氏の批判で経済学的に裏付けられればという思いもありました。
直感的に思ったことを書き連ねた昨年の記事と、今回の山口氏のMMT批判とを並べて、比較することになりますが、問題とした点が、相似していることに、少しは納得しています。
ただ、MMT批判が、私の目的ではありませんので、程々にしておくつもりです。
こうして、私がMMTを批判的にみつつ、一方「公共貨幣」理論がベーシック・ペンション提案にどのように力を貸してくれるか。
その観点からの検討・考察の取っ掛かりの一部になるのが、今回の第3章であったわけです。
一部、次回からの当シリーズ【第3フェーズ】:『公共貨幣』<第Ⅱ部 公共貨幣システム>第8章~第11章 を先取りした部分もありましたが、予定通り、歩みを進めることにします。
なお、ベーシックインカム導入論者の一人である若手経済学者の井上智洋氏が、自身のBI提案論の中にMMTを組み入れています。
その内容・事情などは、以下の記事で確認頂けます。
◆ 井上智洋氏提案ベーシックインカムは、所得再分配による固定BIとMMTによる変動BIの2階建て(2021/2/24)
◆ 井上智洋氏ベーシックインカム論総括とベーシック・ペンション2022提案に向けて:『「現金給付」の経済学 反緊縮で日本はよみがえる』から考えるー1(2021/10/17)
◆ コロナ禍ゆえ、長引く不況ゆえだけのためのベーシックインカムではない:井上智洋氏著『現金給付の経済学 反緊縮で日本はよみがえる』から考える-2 (2021/10/25)
◆ 「自助・共助・公助」理念と相反するベーシックインカム:井上智洋氏著『現金給付の経済学 反緊縮で日本はよみがえる』から考える-3 (2021/11/4)
◆ 3段階に分けて導入する二階建てベーシックインカム:井上智洋氏著『現金給付の経済学 反緊縮で日本はよみがえる』から考える-4(2021/11/6)
◆ デフレ脱却やBI実現には、政府の「借金」「財政不健全化」が望ましい:井上智洋氏著『現金給付の経済学 反緊縮で日本はよみがえる』から考える-5 (2021/11/9)
◆ 脱成長vs反緊縮と経済第一主義とベーシックインカム:井上智洋氏著『現金給付の経済学 反緊縮で日本はよみがえる』から考える-6(2021/11/12)
「公共貨幣」論から考えるベーシック・ペンションと社会経済システム>シリーズ、ラインアップ
1.はじめに:<「公共貨幣」論から考えるベーシック・ペンションと社会経済システム>シリーズ開始にあたって
【第1フェーズ】:『公共貨幣』<第Ⅰ部 債務貨幣システム>第1章~第7章
略.<第1章 経済学とは何か>から
2.<第2章 お金とは何か>から
3.<第3章 日本銀行は必要か>から
4.<第4章 お金はなぜ無から創られるのか>から
5.<第5章 お金はなぜ支配の手段となるのか>から
6.<第6章 国の借金はなぜ増え続けるのか>から
7.<第7章 債務貨幣システムはデット・エンドだ>から
【第2フェーズ】:『公共貨幣入門』第1章~第3章
8.<第1章 債務貨幣システムと「失われた30年」>から
9. 同上ー2
10.<第2章 主流派経済学の破綻>から
11.<第3章 MMTは債務貨幣のデザイン欠陥を隠蔽>から
【第3フェーズ】:『公共貨幣』<第Ⅱ部 公共貨幣システム>第8章~第11章
12.<第8章 シカゴプラン(貨幣改革)とは何か>から
13.<第9章 公共貨幣システムの誕生>から
14.<第10章 国の借金は返済できる>から
15.<第11章 公共貨幣で輝く未来>から
【第4フェーズ】:『公共貨幣』<第Ⅲ部 公共貨幣システムへの移行>12章~13章/『公共貨幣入門』第4章
16.<第12章 公共貨幣システムへの移行モデリング>から
17.<第13章 日本国公共貨幣法>から
18.<第4章 公共貨幣システムへの移行>から
【第5フェーズ】:『公共貨幣入門』第5章
19.<第5章 公共貨幣で新国生みイニシアティブ>から
20.総括:公共貨幣論のベーシック・ペンション構築及び社会経済システム改革への活かし方
『公共貨幣入門』の構成
はじめに貨幣の定義ありき
第1章 債務貨幣システムと「失われた30年」
1.あなたのお金は誰かの借金
2.銀行貸出と預金創造
3.債務総額の内訳と日本経済の驚きの事実
4.日本経済の失われた30年
5.バブルの根本原因とその教訓
6.借金地獄と3つの破綻シナリオ
第2章 主流派経済学の破綻
1.市場原理主義の新古典派経済学
2.外生的債務貨幣を想定するケインズ経済学
3.主流派IS-LM理論の破綻
4.IS-LM理論のパラダイムシフト
第3章 MMTは債務貨幣のデザイン欠陥を隠蔽
1.貨幣理論を分類すれば4つしかない
2.MMTは虚偽の貨幣論
3.MMTの「就業保障プログラム」は対症療法
第4章 公共貨幣システムへの移行
1.システムの移行目標
2.移行の7プロセス
3.公共貨幣システムの新経済風景
第5章 公共貨幣で新国生みイニシアティブ
1.公共貨幣への移行:2つの登山道
2.新国生みイニシアティブの5大プログラム
3.プログラムのシステム思考
『公共貨幣』の構成
はじめに
第Ⅰ部 債務貨幣システム
第1章 経済学とは何か
1.3つの経済学:バークレーでの挑戦
1.1 アロー・ドブルーモデル
1.2 新古典派経済学のエッセンス
1.3 経済思想のモデル
2.「むらトピア経済」の誕生
2.1 トフラー『第三の波』の衝撃
2.2 むらトピア経済
3.システムダイナミックスとの出会い
3.1 会計システムダイナミックス
3.2 バークレーからの再挑戦
4.リーマンショック
4.1 歴史は繰り返された
4.2 ゾンビ経済学
4.3 経営学のタブー
4.4 孫悟空と釈迦の手
第2章 お金とは何か
1.ことわざに見るお金
1.1 価値尺度情報
1.2 交換手段
1.3 価値保蔵
1.4 権力の支配
2.貨幣の定義
2.1 ストック・フロー図でみるお金の流れ
2.2 教科書による定義
2.3 アリストテレスの定義
3.法貨 Legal Tender
3.1 政府貨幣⇒制限付き法貨
3.2 日本銀行券⇒無制限法貨
3.3 マネタリーベース=法貨
3.4 米国の法貨
第3章 日本銀行は必要か
1.日本銀行は民間会社
2.日銀に出資するメリット
3.日本銀行のビジネスモデル
3.1 日銀の収入源
3.2 税金から利息を収奪
4.不可解な剰余金処分
4.1 剰余金(利益)隠し
4.2 国債利息計算の丸投げ
4.3 民間出身者への剰余金配当
第4章 お金はなぜ無から創られるのか
1.預金は法貨なのか
1.1 日銀のマネーストック定義
1.2 預金は通貨(法貨)ではない
1.3 無から創られる預金
2.信用創造のメカニズム
2.1 教科書が教える部分準備銀行制度
2.2 銀行貸出が預金(信用)を創る
2.3 預金は誰のもの
第5章 お金はなぜ支配の手段となるか
1.「金が金を儲ける」
2.複利計算の驚異と恐怖
2.1 指数的成長と倍増(半減)時間
2.2 借金地獄の恐怖
3.権力の支配手段
3.1 支配の質的構造変化
3.2 「グローバル企業支配のネットワーク」
3.3 支配の階層 Sphere of Influence
4.債務貨幣・株式所有システムの振る舞い
第6章 国の借金はなぜ増え続けるのか
1.借金地獄の日本
1.1 ジャパンアズナンバーワンの難破
1.2 消費増税8%でも借金は増大!
1.3 政府債務簡素SDモデル
1.4 長期債務残高のシミュレーション
1.5 消費増税で借金増大、なぜ?
1.6 借金返済で金が消える!
1.7 財政健全化のシミュレーション
2.米国の債務危機
3.OECDの債務危機
4.3つの破局シナリオ
第7章 債務貨幣システムはデット・エンドだ
1.債務危機回避のシミュレーション
2.債務増大はストップできるが・・・
2.1 歳出を10%削減
2.2 消費税を5%から10%に引き上げ
3.「財政の崖」から転落する
4.泣き面に蜂
第Ⅱ部 公共貨幣システム
第8章 シカゴプラン(貨幣改革)とは何か
1.レバレッジ・ポイントを探せ
2.シカゴプランの誕生
2.1 1929年の株価大暴落と銀行休日
2.2 「銀行改革のためのシカゴプラン」
2.3 フレデリック・ソディ(ノーベル化学賞)
2.4 グラス・スティーガル法
3.フィッシャーの「シカゴプラン」
3.1 大恐慌の債務 ー デフレ理論
3.2 100%準備システム
3.3 100%準備システムがもたらす利点
3.4 1935年改訂銀行法の攻防
3.5 「貨幣改革のためのプログラム」
3.6 フィッシャー晩年の挑戦
4.ケインズの一般理論
4.1 雇用・利子および貨幣の一般理論
4.2 ケインズとシカゴプラン
5.闇に葬られたシカゴプラン
5.1 ミルトン・フリードマンのシカゴプラン
5.2 タブーとなったシカゴプラン
5.3 グラス・スティーガル法の廃案
第9章 公共貨幣システムの誕生
1.システムデザイン
1.1 米国貨幣法モデリング3部作
1.2 「公共貨幣」の概念
1.3 米国議会ブリーフィング
2.「貨幣とマクロ経済ダイナミックス」の出版
3.公共貨幣システムと貨幣の流通
3.1 公共貨幣システムの特徴
3.2 公共貨幣と銀行貸出
第10章 国の借金は完済できる
1.債務完済のレバレッジ・ポイント
2.債務完済のシミュレーション
3.債務完済でインフレにならないの?
4.万能薬ではないが
5.公共貨幣政策
第11章 公共貨幣で輝く未来
1.公共貨幣システムの構築
2.公共貨幣vs.債務貨幣システム
2.1 システム構築の比較
2.2 システム構築の振る舞い比較
3.政府債務完済の幸運を活かす
3.1 デット・エンドの終焉
3.2 民の活力を取り戻す
3.3 経済基盤に活力を与える
4.公共貨幣システムの応用
4.1 寡占化は防げるのか
4.2 女性にメリットはあるのか
5.新生むらトピア経済
6.レバレッジ・ポイントを誤るな!
第Ⅲ部 公共貨幣システムへの移行
第12章 公共貨幣システムへの移行モデリング
1.貨幣改革タブーの崩壊
1.1 ロン・ポール議員の連銀批判
1.2 クシニッチ議員のNEED法案
1.3 IMF論文「シカゴプラン再考」
1.4 ターナー卿の公的貨幣ファイナンス(OMF)
1.5 170年ぶりの英議会ディベート
1.6 スイスの貨幣改革国民投票イニシアティブ
2.債務貨幣システムから
3.量的緩和(QE)の失敗を経て
3.1 異次元の金融緩和
3.2 マネーストックはなぜ増えない?
3.3 現金をなぜばらまかないのか?
4.公共貨幣システムへの移行
4.1 移行(Transition)目標
4.2 移行Transitionステップ
5.120%のみんなが幸せに
5.1 分割・支配統治の終焉
5.2 100%のみんなを愛で包み
5.3 大和の心で120%のみんなが幸せに
第13章 日本国公共貨幣法
1.公共貨幣法の概観
2.公共貨幣法メイキングのポイント
3.日本国公共貨幣法
付録A 米国貨幣法
おわりに
【日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金2022年案】
◆ ベーシック・ペンション法(生活基礎年金法)2022年版法案:2022年ベーシック・ペンション案-1(2022/2/16)
◆ 少子化・高齢化社会対策優先でベーシック・ペンション実現へ:2022年ベーシック・ペンション案-2(2022/2/17)
◆ マイナポイントでベーシック・ペンション暫定支給時の管理運用方法と発行額:2022年ベーシック・ペンション案-3(2022/2/18)
◆ 困窮者生活保護制度から全国民生活保障制度ベーシック・ペンションへ:2022年ベーシック・ペンション案-4(2022/2/19)
少しずつ、よくなる社会に・・・
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