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2020・21年考察

ベーシックインカムの夢物語を現実のものとするための道を、自ら探し、新たに創る:リトガー・ブレグマンの『隷属なき道』ー8

リトガー・ブレグマンによる『隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働』(文藝春秋・2017/5/25 刊)。
 章単位にその道を辿ってきたシリーズも、終わりに近づくに従って駆け足に。

リトガー・ブレグマンの「隷属なき道」、その道標(2021/9/2)
過去最大の繁栄の中の最大の不幸とユートピア:リトガー・ブレグマンの『隷属なき道』ー2(2021/9/6)
20世紀アメリカでベーシックインカムが実現するチャンスがあった!:リトガー・ブレグマンの『隷属なき道』ー3 (2021/9/10)
スピーナムランド制度捏造報告書が、誤った社会保障制度の歴史を作ってきた:リトガー・ブレグマンの『隷属なき道』ー4 (2021/9/12)
GDPや経済学者を信じるな!?:リトガー・ブレグマンの『隷属なき道』ー5(2021/9/14)
AIに人類愛はありませんか?:リトガー・ブレグマンの『隷属なき道』ー6(2021/9/16)
ベーシックインカムは、ユートピア・アイディア?:リトガー・ブレグマンの『隷属なき道』ー7(2021/9/17)
と回を重ね、8回目の今回が最終回です。

 最終回は、<終章「負け犬の社会主義者」が忘れていること>を確認した後、全体の総括を行います。

終章「負け犬の社会主義者」が忘れていること」から


終章の構成は、以下のとおりです。

終 章 「負け犬の社会主義者」が忘れていること 
 1)不可能を必然にする「大文字の政治」
 2)国際的な現象となった「負け犬の社会主義」
 3)進歩を語る言語を取り戻す
 4)アイディアを行動に移す2つのアドバイス

 最終章に近づくほどに、ブレグマンの主張を、極めて稚拙に思うようになってきました。
 確かに、膨大な知識はあります。
 が、それをもってしても、結局、ベーシックインカムはユートピア論であり、その思索を信じて実現すべき、というレベルの話に終始してしまいます。
 終章も当然、その主張を再確認し、再度念を押すものとなるのでしょうか。
 「負け犬の社会主義者」と社会主義者を攻め、改心を迫るその真意は?


 終章の前書きはこんな内容です。

本書で提案したのは、大きな路線変更だ。
奴隷制度の廃止、女性の解放も、唱えられた当初は、正気の沙汰とは考えられていなかった
そうした「大きな政治」を左派は思い出し、右派も同調する変革へと進むべきだ。


 ベーシックインカムの実現は「大きな政治」への転換を意味し、それを「大文字の政治」とも言い換えています。
 大きなベーシックの夢を描き、大きな政治に舵を切ることでそれが実現可能になる、ということでしょうか。

急進的な主張で主導権を握る右派対負け犬の社会主義の左派の行動の違い


 大文字の政治とは、米国弁護士ジョゼフ・オバートンが、政治家が権力を持ち続けるには、自分のアイディアを人々に許容される範囲に留めておかなければならないとし、この許容性の窓「オバートンの窓」から逸脱する、現状打破により自由になるためのもの。
 しかし時代と社会は変わり、ドナルド・トランプ、ボリス・ジョンソンなど過激な発言を繰り返し、その窓枠を広げ、右寄りにずらす右派が支配権を握る情勢があることを示します。
 それが、政治にとどまらず、経済的問題でも、文化的問題でも同様と。
 それに対して、今の左派は、となるわけで、日本のリベラルが一向に支持率が上がらないことも含め、負け犬の社会主義は国際的な現象になっているというのです。

 半民営化、反体制、反緊縮。
 彼らは何もかもに反対するので、誰もが「負け犬の社会主義者はいったい何に賛成なのだろう」と思う。(略)
 社会の弱者に味方し、人種差別を非難し、「断絶」広がることを懸念し、ずっと前に離れていった選挙民と「再びつながる」ことをいたずらに追い求める、と。
 しかし、その最大の問題は、彼らが間違っているということではなく、あまりにも覇気がないこと、語るべき物語を持たず、それを伝える言葉も持たない、と。


 確かにそういう側面は否定し難く、そんな不人気を気にしてか、「リベラル保守」などと自ら再評価し、支持を得ようとすり寄ろうとしている。
 
 確かに、現状の左派政党が真のベーシックインカム実現を公約とし、物語に加え、政策化して訴えてほしいとはおもうけれど、従来の枠の中での発想でしか語れないだろうから、望ましいベーシックインカム案を自信を持って提出・提案できないだろうな、と私は思っています。
 まあ、それはここではよいとして、次のブレグマンの話を聞きましょう。


左派が取り戻すべき進歩を語る言語

 負け犬の社会主義者は、左派の物語は希望と進歩の物語であるべきだということを忘れている。
と言い、取り戻すべき以下の進歩を語る用語を取り上げています。

・「改正」:もちろん賛成だ、金融部門を徹底的に整備しよう。
・「能力主義」:望むところだ、真の貢献度合いに応じて、賃金を支払うようにしよう。
・「革新」:当然だ。現在、膨大な数の才能が無駄になっている。
・「効率」:それが肝心だ。
・「過保護な福祉を削減する」:完全に正しい。働いていない人のための、無意味で傲慢な再雇用講座は廃止しよう。福祉の受益者にみじめな暮らしを強いるのをやめよう。誰にもベーシックインカム ー 人々のためのベンチャーキャピタル ー を給付し、自分の人生の方針を立てられるようにしよう。
・「自由」:謳歌使用ではないか。


 現状の左派ならば、目を向いて反対するような「進歩的」考えが示されています。
 この表現以外に詳細をブレグマンは記しているので、しっかり読んで判断すべきですが、中には、新自由主義派が主張する考えもこの中にはありますね、「能力主義」や「効率」など。
 どうやら、この内容を、例えば今の日本の立憲民主党などは、素直に受け入れるとは思えません。

 でも、散々ここまでブレグマン批判を重ねてきましたが、この「進歩」を意味する用語リストと意味には賛成です。
 しかし、この中で左派が無条件でその考えを支持し、自身の言葉として示すべきであるのが、 「誰にもベーシックインカム ー 人々のためのベンチャーキャピタル ー を給付し、自分の人生の方針を立てられるようにしよう。」という部分です。
 「過保護な福祉」という表現と意味については検討を要しますが。

 そこで、こう言います。

今こそ、新たな労働運動を始めるべきだと考える。
それは、より多くの仕事やより高い賃金を求めるだけでなく、さらに重要なこととして、本質的に価値のある仕事を求める戦いだ。


ここで再度、私の疑問が頭を持ち上げます。
なぜ、すべての仕事に価値がなければいけないのか?
そのための労働運動というのはどうもおかしくて、無理があり、不自然です。
やっぱり、どこかズレているんですね。
これについての議論は、ここでは不要としましょう。

誰にもベーシックインカム ー 人々のためのベンチャーキャピタル ー を給付し、自分の人生の方針を立てられるようにする

 この表現が、唯一本書におけるブレグマンの正しい考えと、私は断定できると思います。
 これまでは、貧困をなくすだけのために必要であるかのように、くどくどと言い回してきたのですが、貧困とは関係ない理由と目的を上げて、ベーシックインカムの意義・目的を素直に語ったのです。
 これは、何重にも評価すべきと思います。

アイディアを行動に移すブレグマンの2つのアイディアとは

 ブレグマンは、ようやく終章で、再度ベーシックインカムの近年の動向を語ります。
 彼がこの3年間訴えてきたベーシックインカム、労働時間短縮、貧困撲滅は、幾度となく、非現実的だ、負担が多すぎると批判され、あるいは露骨に無視された。
 しかし、「非現実的」というのは、「現状を変えるつもりはない」という気持ちを手短に表現しただけだ、と言うのです。
 いやいや決してそんなことはなく、本気で実現したいと思うが、そのための現実的に可能な方法に話が及んでいないのです。

 しかし、と彼はつなぎます。

 わずか3年後の現在、ベーシックインカムのアイディアは至るところに広まっている。
 フィンランドとカナダでの大規模な実証実験、シリコンバレーでの認知、そして彼の国オランダでの20を超える自治体での実施開始などは、2016年6月5日にスイスで行われたベーシックインカム導入に関する国民投票がきっかけだった、と。

 そして、終章の最後、大ラスで、ブレグマン提案のアイディアを行動に移す用意ができているすべての人に、以下の2つのアドバイスを提示します。

 まず、世の中にはあなたのような人がたくさんいることを知ること。
(略)
 次いで、ずぶとくなること。
 人が語る常識に流されてはいけない。
 世界を変えたいのであれば、非現実的で、無分別で、とんでもない存在になる必要がある。
 思いだそう。
 かつて、奴隷制度の廃止、女性の選挙権、同性婚の容認を求めた人々が狂人と見なされたことを。
 だがそれらは、彼らが正しかったことを歴史が証明するまでの話だった。


 また結局最後は、同じ話に戻ってきました。
 正真正銘の最後は、バシッと決めてほしかった。
 

リトガー・ブレグマン『隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働』 総括

ベーシックインカムとはどういうものかについて論じているのは第2章だけ、しかも

「福祉はいらない、直接お金を与えればいい」と題し、

生活保護や母子家庭手当て、就学援助、幾多ある福祉プログラムを全てやめる
そのかわりに全ての国民に、例えば一律年間150万円の金を与える。
それがベーシックインカム。
ニクソン大統領はその実施をもくろんでいた。

と、この章の前書きに当たる部分で、極めて端的に、そして乱暴に言いちらして、細部の記述は放り投げてしまった第2章。
 実は、ベーシックインカムとなんぞや、に関する記述は、ほぼこの第2章と今回取り上げた<終章>だけで終わっているのです。
 ある意味、フリーマネーの有効性のみを強調するだけで。


異なるタイトル:UTOPIA FOR REALISTS And …

一番初めの記事
リトガー・ブレグマンの「隷属なき道」、その道標(2021/9/2)
でも紹介しましたが、 本書が最初に 2014年26歳の時にオランダ語版でほぼ自費出版同然に発行された時のタイトルは『ただでお金を配りましょう』
 それが2017年に世界20カ国でアマゾンの自費出版サービスを通じて英語訳された英語版プリント・オン・デマンドのタイトルは『現実主義者のための理想郷』
 本書のハードカバーの取り外しカバーには、
“ UTOPIA FOR REALISTS  And How We Can Get There ”
とあります。
 果たして、リアリストは、このユートピア論をどのように読むでしょうか。
 一応ロマンチストでもあることを自認しつつ、リアリストと思っている私は、とても落胆せざるを得ない内容でした。
 とても How to が示された内容とは評価できなかったのです。
 かろうじて日本語版のタイトル『隷属なき道』に、希望を見出そうとしたのですが、ハイエクの『隷属への道』を意識はしても、それを超越する内容にも至っていないのではと想像します。


本書が提示する事実は、データの裏付けと驚きに満ちている、が・・・

 しつこいですが、表紙カバーに付けられた帯には、「本書が提示する事実は、データの裏付けと驚きに満ちている」として、文中の事例から10足らずリストアップされています。
 しかし、最近研究者たちがこだわっているエビデンス、データの裏付けは、個別分析における多数シェアをもって是非を断定する強引な手法に成り下がっていることに注意が必要です。
 そうだろうね、そういうこともできるだろうね、というデータであっても、それらがベーシックインカムを現実化する方法論となるものでは決してありません。
 というか、まったくその方法は示されていないのです。
 だからこそユートピア論なのですが。

ザクッととらえて、細かいデータをざっくりすくい取って、サラッと結論付けたブレグマンのユートピア・BI論

 これまでの記事で多くの批判を書き散らかしてきたので、総括というレベルには程遠いのですが、この小見出し「ザクッととらえて、細かいデータをざっくりすくい取って、サラッと結論付けたブレグマンのユートピア・BI論」をもって本書の総括替わりとし、このシリーズを終わることにします。

 隷属なき道も、ベーシック・ペンションを実現する道も、世界を一つとした理想論では、そのユートピアは一層遠ざかるでしょう。
 個々の、それぞれの社会的経済的、そして文化的背景・状況に応じて、ベーシックインカムの本質からズレないように、自国のベーシックインカムを実現する。
 そうした、現実の事例を、一つひとつ増やしながら、それらを参考にし、より自国にふさわしいベーシックインカムの実現に結びつける。
 日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金制も、その方針に基づいて、実現の道を歩んでいきたいと願っています。

 このシリーズを書き進めている間に、2冊のBIに関する書を入手しました。
 1冊は、これまで何度も取り上げている、井上智洋氏の新著『「現金給付」の経済学 反緊縮で日本はよみがえる 』(2021/5/11)。
 もう1冊は、わが国のBI書の古典的書と言ってもよい、小沢修司氏著『福祉社会と社会保障改革―ベーシック・インカム構想の新地平』(2002/10/30刊)です。(中古書を入手できました。)
 やはり、当然ですが、ユートピア論よりも遥かに内容がある、現実味があるBI書です。
 月内には、前書をなんとか紹介し、古典書の方は、満を持して、の感で、10月にはシリーズ化し、種々ベーシック・ペンションを再考する上での参考にしたいと考えています。

(参考):『隷属なき道』構成

第1章 過去最大の繁栄の中、最大の不幸に苦しむのはなぜか?
   ・50年前の平均的オランダ人よりも豊かに暮らすホームレス
   ・中世の理想郷「コケイン」に住む私たち
   ・60億人が携帯を持ち、平均寿命は100年前の倍以上
   ・希望なき豊饒の地
   ・厳格なルールに基づくユートピア
   ・正しい問いを投げかけるユートピア
   ・似たりよったりの政党、違いは所得税率だけ
   ・自由を謳歌する市場と商業
   ・うつ病は10代の若者における最大の健康問題
   ・資本主義だけでは豊饒の地を維持できない
   ・想像と希望を生む21世紀のユートピアを 
第2章 福祉はいらない、直接お金を与えればいい
   ・ホームレスに3000ポンドを給付する実験
   ・ガーデニング教室に通い始めた元ヘロイン中毒者
   ・フリーマネーは人を怠惰にするのか?
   ・ケニアでもウガンダでもフリーマネーが収入増をもたらす
   ・45カ国、1億1000万世帯に届けられた現金
   ・アルコール中毒者、麻薬中毒者、軽犯罪者もお金を無駄にしない
   ・ハイエクやフリードマンも支持したベーシックインカム
   ・カナダ「ミンカム」という世界最大規模の実験
   ・ミンカムで入院期間が8.5パーセント減少
   ・保障所得は大量離職を促すか?
   ・ベーシックインカム法案を提出したニクソン大統領
   ・「無益で、危険で、計画通りにはいかない」というユートピアへの攻撃
   ・豊饒の地の富はわたしたち全員に帰するもの
第3章 貧困は個人のIQを13ポイントも低下させる
   ・チェロキー族一人当たり6000ドルをもたらしたカジノ
   ・精神疾患は貧困の原因か、結果か
   ・貧しい人はなぜ愚かな判断をするのか?
   ・欠乏の心理学
   ・欠乏感は長期的な視野を奪う
   ・インドの農村における貧しさと認知能力の実験
   ・貧困の撲滅は「子どもたちが中年になるまでに採算が取れる」
   ・「注意喚起」は根本的解決にはならない
   ・アメリカンドリームが最も難しい国はアメリカ
   ・低賃金を最も好んだ「重商主義」
   ・路上生活者に無償でアパートを提供するユタ州
   ・オランダでも6500人のホームレスが姿を消した
   ・貧困と闘うことは良心に従うだけでなく、財布にも良い
第4章 ニクソンの大いなる撤退
   ・1970年代におけるベーシックインカム盛衰史
   ・無条件収入を保障する法律に着手していたニクソン
   ・19世紀スピーナムランド制度の影
   ・世論の反発を生んだニクソンのレトリック
   ・経済学者マルサスの反論と予言
   ・ スピーナムランド制度は「大失敗だった」?
   ・150年後に捏造が発覚した報告書
   ・非道な救貧院への押し込め
   ・クリントンの社会保障制度改革へ続く道
   ・もしニクソンの計画が実行されていたら?
   ・監視国家と貧困者との戦い
第5章 GDPの大いなる詐術
   ・3.11後のラリー・サマーズの予測
   ・「あなたに見えるものと見えないもの」
   ・GDPが見逃している労働
   ・1970年代から急伸した金融部門のシェア
   ・80年前まで GDP は存在すらしなかった
   ・収穫高に注目した重農主義者
   ・究極の尺度にして水晶球
   ・「国民総幸福量」は新たな尺度になり得るか
   ・GPI ISEWも信用できない
   ・効率の向上を拒否するサービス
   ・「人間は時間を浪費することに秀でている」
   ・人生を価値あるものにする計器盤
第6章 ケインズが予測した週15時間労働の時代

   ・「21世紀最大の課題は余暇」
   ・フランクリンやマルクスも予測した未来
   ・フォードは初めて週5日労働を実施した
   ・「機械を世話する種族」をアシモフは危惧した
   ・テレビアニメに描かれた2062年の夫婦
   ・誰も予想できなかった「女性の解放」
   ・1年のうち半年が休暇だった中世フランス
   ・ケロッグは1日6時間労働で成功を収めた
   ・労働時間の短縮で解決しない問題があるだろうか
   ・ストレスと失業率の高い今こそ準備のとき
   ・どうすれば労働時間を減らせるか?
   ・一生のうち9年をテレビに費やすアメリカ
第7章 優秀な人間が、銀行ではなく研究者を選べば

   ・ニューヨークを混乱に陥れたゴミ収集作業員
   ・富を作り出すのではなく移転しているだけ
   ・農業や工業の生産性向上がサービス産業の雇用を生み出した
   ・アイルランドの銀行員ストライキの奇妙な事態
   ・1万1000軒のパブを中継点とする貨幣システム
   ・「くだらない仕事」に人生を費やす
   ・ 専門職の半数が自分の仕事は「意味も重要性もない」と感じる
   ・「空飛ぶ車が欲しかったのに、得たのは140文字だ」
   ・研究者が1ドル儲けると、5ドル以上が経済に還元される
   ・現在の教育はより楽に生きるための潤滑油にすぎない
   ・新たな理想を中心に教育を再構築する
   ・ ゴミ収集作業員は ニューヨークのヒーロー
第8章 AIとの競争には勝てない
   ・ロボットの開発と進出が進めば、残された道は一つ
   ・世界を縮小させたチップと箱
   ・「資本対労働の比率は不変」ではなかった
   ・アメリカでは貧富の差は古代ローマ時代より大きい
   ・生産性は過去最高、雇用は減少というパラドックス
   ・コンピュータに仕事が奪われる事例の先駆け
   ・2045年、コンピュータは全人類の脳の総計より10億倍賢くなる
   ・労働搾取工場でさえオートメーション化される
   ・ヨークシャー・ラッダイトの蜂起
   ・ ラッダイト が抱いた懸念は、未来への予言だった?
   ・第二次機械化時代の救済策はあるのだろうか?
   ・金銭、時間、課税、そしてロボットの再分配
第9章 国境を開くことで富は増大する

   ・発展途上国支援に過去50年で5兆ドルを投じた
   ・対象群を用いた最古の比較試験
   ・無料の教科書は効果なし?
   ・必要なのは優れた計画か、何も計画しないことか
   ・ただで蚊帳を手に入れた人の方が、蚊帳を買う確率が2倍高かった
   ・10ドルの薬が就学年数を2.9倍伸ばすと実証したRCT
   ・貧困を一掃する最良の方法「開かれた国境」
   ・ 労働の国境を開けば65兆ドルの富が増える
   ・国境が差別をもたらす最大の要因
   ・21世紀の真のエリートは望ましい国に生まれた人
   ・移民にまつわる7つの課題
   ・世界で最も豊かなアメリカは移民が建てた
   ・38%の移民受け入れで開発支援総額の3倍の効果
第10章 真実を見抜く一人の声が、集団の幻想を覚ます
   ・空飛ぶ円盤が来なければ主婦はどうするのか
   ・1954年12月20日の真夜中
   ・自らの世界観を改めるより現実を再調整する
   ・わたしには自分の意見を変える勇気があるだろうか?
   ・真実を語るひとりの声が集団の意見を変える
   ・なぜ銀行部門の根本的改革は進まないのか?
   ・ 新自由主義を広めたハイエクとフリードマン
   ・モンペルランの教訓
終 章 「負け犬の社会主義者」が忘れていること
 
   ・不可能を必然にする「大文字の政治」
   ・国際的な現象となった「負け犬の社会主義」
   ・進歩を語る言語を取り戻す
   ・アイディアを行動に移す2つのアドバイス

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(参考):ベーシック・ペンション基礎知識としてのお奨め5記事

日本独自のベーシック・インカム、ベーシック・ペンションとは(2021/1/17)
諸説入り乱れるBI論の「財源の罠」から解き放つベーシック・ペンション:ベーシック・ペンション10のなぜ?-4、5(2021/1/23)
生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)前文(案)(2021/5/20)
生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)2021年第一次法案・試案(2021/3/2)
ベーシック・ペンションの年間給付額203兆1200億円:インフレリスク対策検討へ(2021/4/11)

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