20世紀アメリカでベーシックインカムが実現するチャンスがあった!:リトガー・ブレグマンの『隷属なき道』ー3
リトガー・ブレグマンによる『隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働』(文藝春秋・2017/5/25 刊)。
同氏が弱冠26歳のときに執筆した同書を、ベーシックインカム書としての必読書的に支持する人もいるのですが、果たしてどういう内容か。
日本語版出版から4年も経過しているハードカバー書を幸い中古書で入手し、8月下旬に斜め読みしました。
その内容を章単位に辿ってみるシリーズ。
序としての
◆ リトガー・ブレグマンの「隷属なき道」、その道標(2021/9/2)
から始め、前回、第1章を対象として
◆ 過去最大の繁栄の中の最大の不幸とユートピア:リトガー・ブレグマンの『隷属なき道』ー2(2021/9/6)
をアップ。
今回は、第2章を取り上げます。
「第2章 福祉はいらない、直接お金を与えればいい」から
「お金を与えれば福祉は不要」。
いかに例えての話とはいえ、これはある意味暴言です。
こういうアジり方をする人間の言うことは、素直には聞けないし、やはり極端な主張をする人間と曲解される可能性があるので、もっとよく考えて発言すべき。
そう思いながら、以下の構成に沿って本章を読み進めます。
第2章 構成
第2章 福祉はいらない、直接お金を与えればいい
1)ホームレスに3000ポンドを給付する実験
2)ガーデニング教室に通い始めた元ヘロイン中毒者
3)フリーマネーは人を怠惰にするのか?
4)ケニアでもウガンダでもフリーマネーが収入増をもたらす
5)45カ国、1億1000万世帯に届けられた現金
6)アルコール中毒者、麻薬中毒者、軽犯罪者もお金を無駄にしない
7)ハイエクやフリードマンも支持したベーシックインカム
8)カナダ「ミンカム」という世界最大規模の実験
9)ミンカムで入院期間が8.5パーセント減少
10)保障所得は大量離職を促すか?
11)ベーシックインカム法案を提出したニクソン大統領
12)「無益で、危険で、計画通りにはいかない」というユートピアへの攻撃
13)豊饒の地の富はわたしたち全員に帰するもの
ベーシックインカム実証実験事例紹介
本書の全体を通じての特徴の一つが、ほとんどのベーシックインカム論書と同様、これまでの各国・各地でのベーシックインカム的実験例を紹介し、その有効性・有意性を主張していることです。
それが、本章でも展開されます。
初めに、1)<ホームレスに3000ポンドを給付する実験>、2)<ガーデニング教室に通い始めた元ヘロイン中毒者>は、2009年にロンドンで、援助団体ブロードウェイが、13人のホームレスに自由に使えるお金、フリーマネーを3000ポンドを給付した結果を示します。
実験開始から1年半後には、7人が路上生活から屋根のある生活、2人がアパート生活に、13人全員が、支払い能力や個人的成長につながる重要な足がかりを得ていたことを。
これで、13人を救っただけでなく、かなりのコストを削減できたことも。
また、3)<フリーマネーは人を怠惰にするのか?>、4)<ケニアでもウガンダでもフリーマネーが収入増をもたらす> で、支援組織ギブ・ディレクトリによる西ケニアのある村民へのフリーマネーの支給や、ウガンダ政府によるによる1万2千人の16歳から35歳の人々への約400ドルの支給における成功例報告を紹介。
それは、人々を怠惰にすることなく、家々の修繕、自身への教育、ビジネスへの投資などに向けられ、収入の増加や雇用率の向上に繋がったとします。
世界各国でのフリーマネー支給、送金プログラムが多くのメリットをもたらしている
これを受けるかたちで、 5)<45カ国、1億1000万世帯に届けられた現金>、6)アルコール中毒者、麻薬中毒者、軽犯罪者もお金を無駄にしない> において、フリーマネーが機能することについての世界各国での研究を包括して、以下のように紹介しています。
フリーマネーの支給が犯罪、小児死亡率、栄養失調、10代の妊娠、無断欠席の減少に繋がり、就学率の向上、学校の成績の向上、経済成長、男女平等の改善をもたらすことが分かっている。
(略)
ブラジルからインドまで、メキシコから南アフリカまで、送金プログラムはグローバルサウス(南の発展途上国)で広く行われるようになり、2010年には既に、45カ国の1億1千万を超える世帯に現金が届けられていた。
こうした例を紹介した、マンチェスター大学研究者らによる著『貧者には金を与えよ(Just Give Money to the Poor)』では、送金プログラムの利点を以下としています。
1)各家庭がお金を上手に利用し
2)貧困が減少し
3)収入、健康、税収の面でさまざまな長期的利益がもたらされ
4)プログラムにかかるコストは他の方策より少ない
左派も右派も推奨するベーシックインカム
こうした試みについての好感を抱かせる報告が済むと、<ハイエクやフリードマンも支持したベーシックインカム>で、少し遠慮気味に、しかし自信を持って、こう書き添えています。
フリーマネー。(略)
トマス・モアは1516年に『ユートピア』でそれについて夢想した。
その支持者は、左派から右派、新自由主義を牽引したフリードリヒ・ハイエクやミルトン・フリードマンにまで及ぶ。
そして世界人権宣言(1948年)第25条は、いつかそれが実現することを約束している。
ユニバーサル・ベーシックインカムだ。
それは数年間に限るものではなく、発展途上国や貧しい人々だけを対象とするものでもない。
文字取り、フリーマネーは「すべての人」に与えられる。
好意としてではなく、権利として与えられるのだ。
「共産主義へと至る資本主義の道」と呼べるだろうか。
ここで重要であり、絶対的なのが「権利として与えられる」ということ。
「共産主義へと至る資本主義の道」 という部分については反対です。
しかし、ここではここまでとし、先を急ぎます。
世界最大規模の実験、カナダの「ミンカム」紹介
そしてもう一つが、8)<カナダ「ミンカム」という世界最大規模の実験>、9)<ミンカムで入院期間が8.5パーセント減少>、 10)<保障所得は大量離職を促すか?> で紹介されている、1973年カナダのドーフィンで行われた「ミンカム」社会実験にまつわる話の紹介です。
1973年にカナダの人口1万3千人の町、ドーフィンの全住民の30%の世帯に、何も条件をつけず毎月小切手を、年間で約1万9千ドル相当額郵送した。
4年間すべて順調に進められたが、選挙で保守陣営が勝利して、実験は土台から崩壊。
費用の4分の3を負担した政府は、金のかかる実験の価値を認めず、実験結果を分析する費用を負担する意志もなく、結局研究者たちは実験を中止し、その結果のファイルを2000個の箱にしまい込んだ。
マニトバ大学教授エヴリン・フォーゲットがそうした記録があることを知り2004年から探し始め、5年後2009年にアメリカ国立公文書記録管理局で発見し、その記録を分析。
その結果、結婚する年齢は遅くなり、出生率は下がり、学業はおおむね向上、男性の労働時間はほとんど減らず、新生児をもつ母親は数ヶ月の育児休暇を取ることができ、学生はより長く教育を受け、入院した人の入院期間が8.5%減少、家庭内暴力も減少し、メンタルヘルスの悩みも減った。
ミンカムは、町全体を賃金と健康両面から、次世代に良い影響を及ぼしたことが分析できたとしています。
このミンカムの事例については、波頭亮氏著『AIとBIはいかに人間を変えるのか 』(2018/2/28刊)を参考に、以下で紹介しています。
◆ カナダオンタリオ州ミンカム等ベーシックインカム、実験導入事例紹介-1(2021/3/6)
またこれ以外の実験導入例を、以下の記事でも紹介しています。
◆ BI実験と効果誘導に必要な認識:ベーシックインカム、実験導入事例紹介-2(2021/3/7)
なお、この後、1964年、リンドン・B・ジョンソン大統領が「貧困との戦い」宣言時に、共和党・民主党両党が基本的福祉の改善で結束。
数千万ドルの予算を組み、ニュージャージー、ペンシルベニア、アイオワ、ノースカロライナ、シアトル、デンバーの計8500人以上の米国人にベーシックインカムを提供することを決定。
実験群と対象群とを用いての、史上初の最大の社会実験が行われたことが記されています。
しかし、なぜか本書では、その実験結果の詳述も、その後の扱いも、ほとんど報告されていません。
こうした中途半端な記述をリカバーするためか、次節では、より現実的な話が紹介されます。
ニクソン政権下でベーシックインカムがもし実現していたら、世界は変わっていた?
1968年に著名な経済学者5人が、他の1200名の学者の署名を添えて議会に送った公開書簡に端を発し、これを真摯に受け止めた、時の共和党政権下のニクソン大統領が、自ら「わが国の歴史上、最も重要な社会立法」とした控えめなベーシックインカム法案を議会に提案。
この政策が社会にセンセーションを巻き起こし、マスコミもこぞって賞賛し、ついには下院を通過。
しかし、ある疑念・疑問が持ち上がり、一部の同党議員と民主党議員の面々の反対にあう。
民主党の反対は、より高額を求めてのもの。
すったもんだの末、大統領に拠る修正案が再度下院を通過したが、またもや上院で却下。
棚上げになり時が過ぎて1978年。
シアトルでの実験の最終報告で、離婚数が50%以上も跳ね上がったことで致命的に。
その10年後、そのデータは統計上誤りがあり、離婚率に変化がなかったことが明らかになるというオチが付き。
左の人たちの教条主義的志向と行動の知恵のなさ加減が、とんでもないチャンスを潰したわけです。
歴史上のタラレバの話は多々ありますが、アメリカでべーシクインカムが導入されていタラ、それも1970年代に始まっていレバ・・・。
考えてもムダなこと。
そういうこともありました、でよろしいでしょう。
ユートピア、ベーシックインカムへの攻撃
下院まで法案が通過し、残す上院の承認は問題なしと考えられていた、ニクソン政権下でのベーシックインカム法。
それが潰えた理由は、やはり、ベーシックインカムの危険視にあったわけですが、本章で<「無益で、危険で、計画通りにはいかない」というユートピアへの攻撃>として、幾つかの視点で反論を紹介しています。
ここでは、その3つの要因のうち、<無益か?>とする部分の記述だけを紹介します。
歴史上初めて、相当額のBIを調達できるほど豊かになっている。
(略)複雑な税額控除を廃止してシンプルな新システムに資金を流すことができる。
BIを選択すれば、支援に必要な額が、税金、浪費、原料、消費のせいで膨張することはなくなるのだ。
(略)
貧しい人だけを支援するシステムは、彼らと他の人々との間に深い溝をつくる。
「貧しい人だけのための政策は、貧しい政策である」という言葉を紹介します。
計画、貸し付け、所得比例給付のすべてをきっちり管理するというのは左派に浸透した考え方だが、問題は、それが逆効果だということだ。
(略)
基本的に人は、恩恵が自分にも及ぶ場合に協力的になる。
その社会保障制度によって、自分や家族や友人が得る利益が大きいほど、それに貢献したいと思う。
従って、万人向けの無条件のBIは、万人の支持を得るはずだ。
結局のところ、皆が恩恵を受けるのだから。
ベーシックインカムに限らず、他の給付においても、富裕層にも無条件で給付する必要はない、というのが左派に見られる主張です。
分からないことはないですが、すべての富裕層が、努力も何もせず、濡れ手で粟で、あるいは労働者を搾取して莫大な富を手に入れたわけではないはず。
コツコツ貯めた元手で事業を興し、苦労して成功して一代で富を為した人もいるはず。
教条的に富裕層はすべて同じとみる主義には与しません。
ゆえに、ユートピア的主張にも反対で、少しでも、関連する諸制度がどうなるか、どうすべきかなどの対策や法律案なども添えて、ベーシックインカムを論じ、提案すべきと考えます。
そして肝要なのが、富裕層も貧困層も、どちらも相手に対して寛容であること。
それが完全ベーシックインカム、ユニバーサル・ベーシックインカムの思想・精神であり、すべての人々に対する基本的人権としてのものです。
現在こそベーシックインカムが求められている
本章の最後の節のタイトルを、<豊饒の地の富はわたしたち全員に帰するもの> としてまとめています。
資本主義を賞賛できるのは、わたしたちが豊かになり、進歩の歴史の次の段階に自力で進むことが可能になったからだ。
その段階とは、すべての人にベーシックインカムという保障を与えることだ。
それこそが資本主義がめざすべきことである。
それを過去の世代の血と汗と涙によって可能になった進歩の配当と考えよう。
結局、わたしたちが享受しているこの繁栄のうち、わたしたち自身の努力によるのは、ごく一部にすぎないのだ。
豊饒の地の住人であるわたしたちは、制度と、知識と、先人が蓄積してくれた社会資産のおかげで豊かでいられる。
この富は、わたしたち全員に帰するものだ。
そしてベーシックインカムは、わたしたち全員がそれを分かち合うことを可能にする。
こうブレグマンは断言します。
よくもまあ、ここまではっきり言えるものだと・・・。
自信満々です。
まあ、私は豊かさを実感して人生を送っていることがないせいもあるのでしょうが。
とりわけ今だから特別に、ということでもないのでは、と思います。
その時代その時代に、だれかがユートピアを描き、語り、望んだように、です。
そして今、今を生き、自分や家族が生きる明日を思うことで、ベーシックインカムがあれば、と希望するでしょう。
それにしても、「福祉はいらない、直接お金を与えればいい」というのは、短絡が過ぎる、考察が浅過ぎるというべきでしょう。
ベーシック・ペンションの立ち位置
資本主義がめざすことがベーシックインカム。
ん~~?
とりわけ今の時代が豊かとは思っていません。
特に精神、人の心の部分については、古代からほとんど進歩していないでしょう。
犯罪は相変わらず多く、欲深い人も多く、国家や民族、宗教をめぐる争いも常にどこかで起きている。
物質的には、私自身は物欲がないため、贅沢品もゆとりを示すものもないので、豊かというものの実感はありません。
この富は、わたしたち全員に帰するもの。
ベーシックインカムで分かち合う・・・。
ん~~?
そもそも、当サイトが提案するベーシック・ペンションは、何かを分かち合うものではなく、基本的な人権として、国民国家の市民・住民として、国との約束事として、等しく給付され、受け取るもの。
こういう考え、思想に拠るものです。
共産主義社会をめざしてのものではないですし、右も左も関係なく、受け取るのです。
ただし、他の社会保障・社会福祉制度の基軸としてベーシック・ペンションは機能し、それらの制度もまた、右も左も関係なく、適用され、運用されるのです。
一応、「望ましい資本主義社会」を前提として。
「望ましい」と頭に付くのは、未だ望ましい資本主義社会が実現されておらず、困難なことではありますが、多少の希望をもっ、ベーシック・ペンションを実現することでそれをめざすべき、という考えからです。
次回は、<第3章 貧困は個人のIQを13ポイントも低下させる >を取り上げます。
(参考):『隷属なき道』の構成
第1章 過去最大の繁栄の中、最大の不幸に苦しむのはなぜか?
・50年前の平均的オランダ人よりも豊かに暮らすホームレス
・中世の理想郷「コケイン」に住む私たち
・60億人が携帯を持ち、平均寿命は100年前の倍以上
・希望なき豊饒の地
・厳格なルールに基づくユートピア
・正しい問いを投げかけるユートピア
・似たりよったりの政党、違いは所得税率だけ
・自由を謳歌する市場と商業
・うつ病は10代の若者における最大の健康問題
・資本主義だけでは豊饒の地を維持できない
・想像と希望を生む21世紀のユートピアを
第2章 福祉はいらない、直接お金を与えればいい
・ホームレスに3000ポンドを給付する実験
・ガーデニング教室に通い始めた元ヘロイン中毒者
・フリーマネーは人を怠惰にするのか?
・ケニアでもウガンダでもフリーマネーが収入増をもたらす
・45カ国、1億1000万世帯に届けられた現金
・アルコール中毒者、麻薬中毒者、軽犯罪者もお金を無駄にしない
・ハイエクやフリードマンも支持したベーシックインカム
・カナダ「ミンカム」という世界最大規模の実験
・ミンカムで入院期間が8.5パーセント減少
・保障所得は大量離職を促すか?
・ベーシックインカム法案を提出したニクソン大統領
・「無益で、危険で、計画通りにはいかない」というユートピアへの攻撃
・豊饒の地の富はわたしたち全員に帰するもの
第3章 貧困は個人のIQを13ポイントも低下させる
・チェロキー族一人当たり6000ドルをもたらしたカジノ
・精神疾患は貧困の原因か、結果か
・貧しい人はなぜ愚かな判断をするのか?
・欠乏の心理学
・欠乏感は長期的な視野を奪う
・インドの農村における貧しさと認知能力の実験
・貧困の撲滅は「子どもたちが中年になるまでに採算が取れる」
・「注意喚起」は根本的解決にはならない
・アメリカンドリームが最も難しい国はアメリカ
・低賃金を最も好んだ「重商主義」
・路上生活者に無償でアパートを提供するユタ州
・オランダでも6500人のホームレスが姿を消した
・貧困と闘うことは良心に従うだけでなく、財布にも良い
第4章 ニクソンの大いなる撤退
・1970年代におけるベーシックインカム盛衰史
・無条件収入を保障する法律に着手していたニクソン
・19世紀スピーナムランド制度の影
・世論の反発を生んだニクソンのレトリック
・経済学者マルサスの反論と予言
・ スピーナムランド制度は「大失敗だった」?
・150年後に捏造が発覚した報告書
・非道な救貧院への押し込め
・クリントンの社会保障制度改革へ続く道
・もしニクソンの計画が実行されていたら?
・監視国家と貧困者との戦い
第5章 GDPの大いなる詐術
・3.11後のラリー・サマーズの予測
・「あなたに見えるものと見えないもの」
・GDPが見逃している労働
・1970年代から急伸した金融部門のシェア
・80年前まで GDP は存在すらしなかった
・収穫高に注目した重農主義者
・究極の尺度にして水晶球
・「国民総幸福量」は新たな尺度になり得るか
・GPI ISEWも信用できない
・効率の向上を拒否するサービス
・「人間は時間を浪費することに秀でている
・人生を価値あるものにする計器盤
第6章 ケインズが予測した週15時間労働の時代
・「21世紀最大の課題は余暇」
・フランクリンやマルクスも予測した未来
・フォードは初めて週5日労働を実施した
・「機械を世話する種族」をアシモフは危惧した
・テレビアニメに描かれた2062年の夫婦
・誰も予想できなかった「女性の解放」
・1年のうち半年が休暇だった中世フランス
・ケロッグは1日6時間労働で成功を収めた
・労働時間の短縮で解決しない問題があるだろうか
・ストレスと失業率の高い今こそ準備のとき
・どうすれば労働時間を減らせるか?
・一生のうち9年をテレビに費やすアメリカ
第7章 優秀な人間が、銀行ではなく研究者を選べば
・ニューヨークを混乱に陥れたゴミ収集作業員
・富を作り出すのではなく移転しているだけ
・農業や工業の生産性向上がサービス産業の雇用を生み出した
・アイルランドの銀行員ストライキの奇妙な事態
・1万1000軒のパブを中継点とする貨幣システム
・「くだらない仕事」に人生を費やす
・ 専門職の半数が自分の仕事は「意味も重要性もない」と感じる
・「空飛ぶ車が欲しかったのに、得たのは140文字だ」
・研究者が1ドル儲けると、5ドル以上が経済に還元される
・現在の教育はより楽に生きるための潤滑油にすぎない
・新たな理想を中心に教育を再構築する
・ ゴミ収集作業員は ニューヨークのヒーロー
第8章 AIとの競争には勝てない
・ロボットの開発と進出が進めば、残された道は一つ
・世界を縮小させたチップと箱
・「資本対労働の比率は不変」ではなかった
・アメリカでは貧富の差は古代ローマ時代より大きい
・生産性は過去最高、雇用は減少というパラドックス
・コンピュータに仕事が奪われる事例の先駆け
・2045年、コンピュータは全人類の脳の総計より10億倍賢くなる
・労働搾取工場でさえオートメーション化される
・ヨークシャー・ラッダイトの蜂起
・ ラッダイト が抱いた懸念は、未来への予言だった?
・第二次機械化時代の救済策はあるのだろうか?
・金銭、時間、課税、そしてロボットの再分配
第9章 国境を開くことで富は増大する
・発展途上国支援に過去50年で5兆ドルを投じた
・対象群を用いた最古の比較試験
・無料の教科書は効果なし?
・必要なのは優れた計画か、何も計画しないことか
・ただで蚊帳を手に入れた人の方が、蚊帳を買う確率が2倍高かった
・10ドルの薬が就学年数を2.9倍伸ばすと実証したRCT
・貧困を一掃する最良の方法「開かれた国境」
・ 労働の国境を開けば65兆ドルの富が増える
・国境が差別をもたらす最大の要因
・21世紀の真のエリートは望ましい国に生まれた人
・移民にまつわる7つの課題
・世界で最も豊かなアメリカは移民が建てた
・38%の移民受け入れで開発支援総額の3倍の効果
第10章 真実を見抜く一人の声が、集団の幻想を覚ます
・空飛ぶ円盤が来なければ主婦はどうするのか
・1954年12月20日の真夜中
・自らの世界観を改めるより現実を再調整する
・わたしには自分の意見を変える勇気があるだろうか?
・真実を語るひとりの声が集団の意見を変える
・なぜ銀行部門の根本的改革は進まないのか?
・ 新自由主義を広めたハイエクとフリードマン
・モンペルランの教訓
終 章 「負け犬の社会主義者」が忘れていること
・不可能を必然にする「大文字の政治」
・国際的な現象となった「負け犬の社会主義」
・進歩を語る言語を取り戻す
・アイディアを行動に移す2つのアドバイス
(参考):ベーシック・ペンション基礎知識としてお奨め5記事
◆ 日本独自のベーシック・インカム、ベーシック・ペンションとは(2021/1/17)
◆ 諸説入り乱れるBI論の「財源の罠」から解き放つベーシック・ペンション:ベーシック・ペンション10のなぜ?-4、5(2021/1/23)
◆ 生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)前文(案)(2021/5/20)
◆ 生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)2021年第一次法案・試案(2021/3/2)
◆ ベーシック・ペンションの年間給付額203兆1200億円:インフレリスク対策検討へ(2021/4/11)
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