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ベーシックインカムは、ユートピア・アイディア?:リトガー・ブレグマンの『隷属なき道』ー7

リトガー・ブレグマンによる『隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働』(文藝春秋・2017/5/25 刊)。
 その内容を章単位に辿ってみるシリーズも終わりに近づいてきました。

リトガー・ブレグマンの「隷属なき道」、その道標(2021/9/2)
過去最大の繁栄の中の最大の不幸とユートピア:リトガー・ブレグマンの『隷属なき道』ー2(2021/9/6)
20世紀アメリカでベーシックインカムが実現するチャンスがあった!:リトガー・ブレグマンの『隷属なき道』ー3 (2021/9/10)
スピーナムランド制度捏造報告書が、誤った社会保障制度の歴史を作ってきた:リトガー・ブレグマンの『隷属なき道』ー4 (2021/9/12)
GDPや経済学者を信じるな!?:リトガー・ブレグマンの『隷属なき道』ー5(2021/9/14)
AIに人類愛はありませんか?:リトガー・ブレグマンの『隷属なき道』ー6(2021/9/16)
と回を重ね、今回は7回目。
 次回最終回の前の今回は、


第9章 国境を開くことで富は増大する 」と、 第10章 真実を見抜く一人の声が、集団の幻想を覚ます 」を取り上げます。

第9章 国境を開くことで富は増大する」から


 第9章の構成は、以下のとおりです。

第9章 国境を開くことで富は増大する
 1)発展途上国支援に過去50年で5兆ドルを投じた
 2)対象群を用いた最古の比較試験
 3)無料の教科書は効果なし?
 4)必要なのは優れた計画か、何も計画しないことか
 5)ただで蚊帳を手に入れた人の方が、蚊帳を買う確率が2倍高かった
 6)10ドルの薬が就学年数を2.9倍伸ばすと実証したRCT
 7)貧困を一掃する最良の方法「開かれた国境」
 8) 労働の国境を開けば65兆ドルの富が増える
 9)国境が差別をもたらす最大の要因
 10)21世紀の真のエリートは望ましい国に生まれた人
 11)移民にまつわる7つの課題
 12)世界で最も豊かなアメリカは移民が建てた
 13)38%の移民受け入れで開発支援総額の3倍の効果


 本書では、種々の例え話を多用しており、それらがベーシックインカムを導入すべきことの理由とするには、短絡的であり、単なるユートピア論でしかないのではという思いを強くしてきています。
 その思いをとりわけ強くさせ、真正面から反対したい章が、この第9章「 国境を開くことで富は増大する」です。

西側世界は途上国支援のために50年で5兆ドルを投じてきた。だが国境を開けば世界総生産は67~147%成長し、65兆ドルの富が生み出される。わずかに62人が35億人の総資産より多い富を所有する偏在の要因は国境にある


 第9章は、こういう序文から始まり、

わたしたちは豊饒の地にたどり着いたが、非常に多くの人が、依然として1日1ドルで生きることを強いられており、思索にふけっていないで、この時代の最大の課題である、地球上の全ての人に豊饒の地の喜びを提供することに取り組むべきではないか。


 と投げかけ、例によって、これまでの歴史でのさまざまな人道支援や海外開発援助、そしてそれらの研究などの例を多数取り上げますが、それらの成果については評価しづらいことを指摘します。
 それらの多くは、貧困の改善・解決には直結していなかったと言いたいのでしょうか。
 その考察から、<貧困を一掃する最良の方法は「開かれた国境」>というのです。


RCT(無作為化比較対照試験)が、すべての実証試験の評価を可能にする手法?


 例示した過去のさまざまな実験の成果評価に疑問を呈し、より的確・適切に評価する方法として、エスター・デュフロの協力のもとまMITが設立した貧困行動研究所による開発支援に関する研究結果を紹介します。
 それは、 無作為化比較対照試験、RCT。
 そのRCTのテクニカルな記述や研究事例はここでは省略させて頂くとして、その結果ブレグマンが導き出した、貧困を一掃する方法が「国境を開くこと」というわけです。

ブレグマンが言う、国境が差別をもたらす最大の要因

 国境を開くとは、どういうことか?
 国境をなくし、人々の出入りを自由にするということか、それとも経済活動を国境とは無関係に行うことができるようにすることか、あるは・・・。
 何を、どうするのか、という議論はここでは展開されていません。
 ただ、国境が差別をもたらす最大の要因である、と。
 では、一つの国の中での差別と貧困は、どう扱い、どう論じ、どう評価するのか。
 なぜか、そこにも触れません。
 国際的に見れば、豊饒の地の住民は。ただ裕福なだけでなく、貪欲な金持ちで、アメリカではどうこうで、と縷々引き合いに出した後、「地球で最も豊かなわずかな62人が、世界人口35億人の総資産より多い富を所有している」と、これも他の多くのBI論者がBIの必要性を語る上での論拠と同じ土壌で語ります。

労働の国境を開くことが、国境を開くこと? それは、労働を目的とした移民を受け入れること?

 そして、開かれた国境が実現すれば、「世界総生産」における予想成長率は、世界的な労働市場の動きのレベルに応じて、67%から147%に及ぶ、世界を2倍豊かにするという異なる4つの研究があることを示します。

 以前、GDP国民総生産に疑問を呈したブレグマンが、国境を超えた世界をベースにした総生産の成長を持ち出してくるのです。
 そしてこう続けます。

奇妙なことに世界は、人間以外に対しては広く開かれている。
物、サービス、株式は世界を縦横に行き交う。情報も自由に循環し、ウィキペディアは300以上の言語で利用でき(略)る。
しかし、IMFによると、資本に対する既存の制限を解除することで自由になれるのは、せいぜい650億ドル程度だが、労働の国境を開けば、富は1000倍にも増えるはずだ。


 要は、労働を受け入れること、労働による所得を得ることを目的とした移民もしくはテンポラリーな労働者を受け入れることを言っているらしい。
 そして、国内の格差については、こうも言っているのです。

数十億の人が、豊饒の地で得られるはずの賃金に比べるとほんの僅かの金で、自分の労働力を売るよう強いられているが、それはすべて国境のせいなのだ。
国境は世界の全てにおいて、差別をもたらす唯一最大の要因である。
同じ国に暮らす人々の格差は、別々の国に暮らす人々の格差に比べると、無いに等しい。


 すごい物言いですね。
 これは、「世界は一つ、人類は、みな兄弟」の理想世界を示すもの。
 国家も、土地も、住まいも、そして当然仕事も、みな分かち合うものという思想・価値観に基づくもの。
 究極のユートピア社会で実現するベーシックインカム。
 そういう、一足飛びの、宇宙を股にかけての話に着地しました。

民族、人種、宗教、言語そして国家をブレグマンはどう考えるのか


 現状、ヨーロッパ各地で問題が顕在化し、コロナ禍やアフガン問題もあり、より複雑化・長期化しつつある移民問題。
 移民に反対する人々の思い・感情を、ブレグマンは否定するのでしょうか。
 彼が住むオランダは、移民を快く受け入れ、貧困問題の解決に、国民国家を上げて取り組んでいるのでしょうか。
 国家はもちろん、人種・民族、言語・宗教・文化などは、すべて労働をシェアすることで超克できるのでしょうか。
 その国で働いた移民が、その稼ぎの多くを自国で暮らす家族や、時に国に送金し、その国の消費にはごくごく一部しか使わないとしたら。
 その国の市民の雇用を奪ったり、賃金を下げる要因になった場合、どう見るのでしょうか。
 そして、テロが自由に出入りし、その国の市民の命を奪うことになれば。

 こうしたことも、世界の貧困問題の解決のためには、無いに等しいこととするのでしょうか。
 こうした素朴な疑問や不安にどう答えるのか。
 豊饒の地に暮らすブレグマンには不要、無用のことなのでしょうか。

 <移民にまつわる7つの誤謬>として、かれは、「移民は、皆テロリスト、犯罪者、社会の一体性を蝕む、仕事を奪う、怠惰で働かない、決して母国に戻らない」という移民反対の主張への反証を挙げています。
 しかし、それらすべてが誤りということはできず、その現実、そういう傾向や不安が、少しずつでもあるわけでしょう。
 それを否定・非難するのは、ベーシックインカムに反対する要因を否定して、BIの実証実験プラスの結果をあたかも100%の人々がそうであるかのように断定するのと同じレベルの話になります。
 それが、決してベーシックインカムの必要性を確たるするものに至らないことで、説得力と合理性を著しく欠いていることが分かるでしょう。

3%の移民受け入れで開発支援総額の3倍の効果が上がった後の国と世界はどうなるか


 この章の最後の節は、<3%の移民受け入れで開発支援総額の3倍の効果>というタイトルです。
 世界銀行の科学者の予測として。
 何年かかっても為し得ないであろうことについての予測。
 その予測作業をする前に、行うべきこと、そしてこの困難性は、あまりにも多く、大きいものです。
 各国の政治体制を、そうした合意形成ができるレベルに改革することが先ず第一。
 移民を送り出す国家が、どういう国家に変革するのかも、必須課題。
 受け入れる各国が、その計画を立案する必要が当然あり、その計画が、雇用問題に限らず非常に多岐にわたっていること、受け入れる地域住民との合意形成不可欠。
 ブレグマンが言う研究者は、世界総生産の試算はたやすく行い、その試算通りに実現すれば、大きな研究成果として結実するのでしょうが、単なる夢物語を描き、実行するのは、他の人、政治の責任、そして住民の責任、などとなれば、むしろ害悪しか残さない研究者でしょう。

 あまりにも現実を直視しない思想家です。
 歴史にも学ばない歴史家です。

第10章 真実を見抜く一人の声が、集団の幻想を覚ます 」から


 第10章の構成は、以下のとおりです。

第10章 真実を見抜く一人の声が、集団の幻想を覚ます
 1)空飛ぶ円盤が来なければ主婦はどうするのか
 2)1954年12月20日の真夜中
 3)自らの世界観を改めるより現実を再調整する
 4)わたしには自分の意見を変える勇気があるだろうか?
 5)真実を語るひとりの声が集団の意見を変える
 6)なぜ銀行部門の根本的改革は進まないのか?
 7) 新自由主義を広めたハイエクとフリードマン
 8)モンペルランの教訓

予言が当たらずともその予言者の存在を評価するブレグマン?


 次第に現実離れした主張を論拠とすることに傾いてきたベーシックインカム論。
 最後には、1954年の予言者の話を持ち出します。
 それは、荒唐無稽であったことも信じられることになる、と言いたいがためのこと(のよう)。

 こんな寓話も加えます。

いつの日か自分たちの理想の正しさが認められることを確信して、空中に城を築くことに人生を捧げた人物が2人いいるとしてらそれは、多方面に活躍した哲学者、フリードリッヒ・ハイエクと、世に知られた知識人、ミルトン・フリードマンだ。
(略)
もしあなたが、ハイエクとフリードマンが強欲を流行らせ、数百万の人々を苦境に陥れた金融危機を招いた張本人だと考えていたとしても、彼らから学ぶことは多い。


 この引き合い話は、この章の最後の節<モンペルランの教訓>に結実?します。


最後も、 <モンペルマンの教訓>の例えで締めくくるブレグマン

 依然として右派と左派はいるもののの、いずれも未来について明確な計画はないようだ。
 アイディアの力を確信した二人の男の頭脳から生まれた新自由主義は今、皮肉な運命のいたずらから、新たなアイディアへと続く道を封鎖している。
 わたしたちは、リベラルな民主主義と自由な消費者を終着点とする「歴史の終わり」に到達したらしい。
 1970年代にフリードマンがモンペルマン・ソサエティの会長に指名された時、その発展を支えた哲学者と歴史学者の大半は退いており、議論の内容は、テクノロジーと経済に偏ってきた。
 (略)
 2008年9月15日にリーマン・ブラザーズが崩壊し、1930年代以来最大の危機が始まった時、有効な代案はなかった。(略)何年も前から、インテリ、ジャーナリスト、そして政治家は皆、「大きな物語」の時代は終わり、イデオロギーを実用主義(プラグマティズム)に換える時が来た、と信じ切っていたのだ。
 (略)
 一方で世界は依然としてますます豊かで、安全で、健康になりつつある。
 日々ますます多くの人々が豊饒の地にたどりついている。


 果たして現実は、安全で、健康になりつつあるのか?
 予言者待望のブレグマンが自ら断言している、われわれが手に入れた豊饒の地の安全と健康は、コロナ禍でますます不安定で、維持することが困難な時代さえも迎えているのです。


ユートピア論の必要性を強調するブレグマンも、自らを予言者とするのか?


 こう続けます。

 豊饒の地に長く住まうわたしたちは、新しいユートピアを切り開くべき時を迎えている。
 もう一度、帆を上げよう。
 「進歩とは、ユートピアが次々に形になっていくことだ」と、その昔、オスカー・ワイルドは記した。

 「誰にとっても、自分の信念が、今のそれとは異なる状況を想像するのは非常に難しいものだ」とハイエクは言い、「新しいアイディアが社会に広がるのに、一世代かかることもある」と主張した。
 ゆえに、わたしたちは、「ユートピア主義になる勇気」を備えた忍耐強い思索家を必要としているのだ。これをモンベルランの教訓としよう。

 アイディアは、どれほど途方もないものであっても、世界を変えてきたし、再び変えるだろう。
 ケインズはこう記した。
「実際、アイディアの他に世界を支配するものはほとんどない」と。


 過去の人々の言葉を、何度も何度も繰り返して用い、活かすべき例えとして用い、ユートピアを語ることの大切さを強調します。
 そこで必要なのは、忍耐であり、一世代要することもあるという喩えも。
 しかし、一世代どころか、何世紀何百年を経ても、イギリスで活発に議論された社会福祉に関する法律は、決してベーシックインカムに結実することはありませんでした。
 類似した方法や、実験的な試みは多数今まで行われてきましたが、ユートピアとして描いた世界は、やはり実現されていません。
 ブレグマンが主張するベーシックインカムというユートピアは、彼のアイディアであるわけでなく、彼によって新しい思索が行われ、より現実に近づいたわけではありません。

 当初、寓話を読んでいるようだと感じた本書。
 自ら、ベーシックインカムがユートピア論であることを自覚し、過去の関連する歴史、事実などをこれでもかというくらい引用・紹介されていました。
 望むらくは、より現実論として、実現のための考察を加えて、その妥当性・必要性を確かなものにしていく論述としてほしかった。
 そう期待して読み進めたのですが、想像にも、期待にも反して、より幼稚で、より夢物語に近い寓話に戻ってしまった感がしています。
 むしろ期待が大きかった分、落胆が大きいものになったとも言えます。

 ブレグマン自らも予言者の一人となりたかったのかどうか分かりません。
 それは今になってふと感じること。
 本書を手にしたときから、「隷属なき道」の道標を見出すことができるかどうか、一縷の期待をもって読み進め、考えたこと、思ったことをメモしてきたのですが、いよいよ、最終章に到達することになりました。

 次回は、本シリーズの最終回。
 最終章<終章「負け犬の社会主義者」が忘れていること>を確認し、全体の総括を整理することにします。 

(参考):『隷属なき道』構成

第1章 過去最大の繁栄の中、最大の不幸に苦しむのはなぜか?
   ・50年前の平均的オランダ人よりも豊かに暮らすホームレス
   ・中世の理想郷「コケイン」に住む私たち
   ・60億人が携帯を持ち、平均寿命は100年前の倍以上
   ・希望なき豊饒の地
   ・厳格なルールに基づくユートピア
   ・正しい問いを投げかけるユートピア
   ・似たりよったりの政党、違いは所得税率だけ
   ・自由を謳歌する市場と商業
   ・うつ病は10代の若者における最大の健康問題
   ・資本主義だけでは豊饒の地を維持できない
   ・想像と希望を生む21世紀のユートピアを 
第2章 福祉はいらない、直接お金を与えればいい
   ・ホームレスに3000ポンドを給付する実験
   ・ガーデニング教室に通い始めた元ヘロイン中毒者
   ・フリーマネーは人を怠惰にするのか?
   ・ケニアでもウガンダでもフリーマネーが収入増をもたらす
   ・45カ国、1億1000万世帯に届けられた現金
   ・アルコール中毒者、麻薬中毒者、軽犯罪者もお金を無駄にしない
   ・ハイエクやフリードマンも支持したベーシックインカム
   ・カナダ「ミンカム」という世界最大規模の実験
   ・ミンカムで入院期間が8.5パーセント減少
   ・保障所得は大量離職を促すか?
   ・ベーシックインカム法案を提出したニクソン大統領
   ・「無益で、危険で、計画通りにはいかない」というユートピアへの攻撃
   ・豊饒の地の富はわたしたち全員に帰するもの
第3章 貧困は個人のIQを13ポイントも低下させる
   ・チェロキー族一人当たり6000ドルをもたらしたカジノ
   ・精神疾患は貧困の原因か、結果か
   ・貧しい人はなぜ愚かな判断をするのか?
   ・欠乏の心理学
   ・欠乏感は長期的な視野を奪う
   ・インドの農村における貧しさと認知能力の実験
   ・貧困の撲滅は「子どもたちが中年になるまでに採算が取れる」
   ・「注意喚起」は根本的解決にはならない
   ・アメリカンドリームが最も難しい国はアメリカ
   ・低賃金を最も好んだ「重商主義」
   ・路上生活者に無償でアパートを提供するユタ州
   ・オランダでも6500人のホームレスが姿を消した
   ・貧困と闘うことは良心に従うだけでなく、財布にも良い
第4章 ニクソンの大いなる撤退
   ・1970年代におけるベーシックインカム盛衰史
   ・無条件収入を保障する法律に着手していたニクソン
   ・19世紀スピーナムランド制度の影
   ・世論の反発を生んだニクソンのレトリック
   ・経済学者マルサスの反論と予言
   ・ スピーナムランド制度は「大失敗だった」?
   ・150年後に捏造が発覚した報告書
   ・非道な救貧院への押し込め
   ・クリントンの社会保障制度改革へ続く道
   ・もしニクソンの計画が実行されていたら?
   ・監視国家と貧困者との戦い
第5章 GDPの大いなる詐術
   ・3.11後のラリー・サマーズの予測
   ・「あなたに見えるものと見えないもの」
   ・GDPが見逃している労働
   ・1970年代から急伸した金融部門のシェア
   ・80年前まで GDP は存在すらしなかった
   ・収穫高に注目した重農主義者
   ・究極の尺度にして水晶球
   ・「国民総幸福量」は新たな尺度になり得るか
   ・GPI ISEWも信用できない
   ・効率の向上を拒否するサービス
   ・「人間は時間を浪費することに秀でている」
   ・人生を価値あるものにする計器盤
第6章 ケインズが予測した週15時間労働の時代

   ・「21世紀最大の課題は余暇」
   ・フランクリンやマルクスも予測した未来
   ・フォードは初めて週5日労働を実施した
   ・「機械を世話する種族」をアシモフは危惧した
   ・テレビアニメに描かれた2062年の夫婦
   ・誰も予想できなかった「女性の解放」
   ・1年のうち半年が休暇だった中世フランス
   ・ケロッグは1日6時間労働で成功を収めた
   ・労働時間の短縮で解決しない問題があるだろうか
   ・ストレスと失業率の高い今こそ準備のとき
   ・どうすれば労働時間を減らせるか?
   ・一生のうち9年をテレビに費やすアメリカ
第7章 優秀な人間が、銀行ではなく研究者を選べば

   ・ニューヨークを混乱に陥れたゴミ収集作業員
   ・富を作り出すのではなく移転しているだけ
   ・農業や工業の生産性向上がサービス産業の雇用を生み出した
   ・アイルランドの銀行員ストライキの奇妙な事態
   ・1万1000軒のパブを中継点とする貨幣システム
   ・「くだらない仕事」に人生を費やす
   ・ 専門職の半数が自分の仕事は「意味も重要性もない」と感じる
   ・「空飛ぶ車が欲しかったのに、得たのは140文字だ」
   ・研究者が1ドル儲けると、5ドル以上が経済に還元される
   ・現在の教育はより楽に生きるための潤滑油にすぎない
   ・新たな理想を中心に教育を再構築する
   ・ ゴミ収集作業員は ニューヨークのヒーロー
第8章 AIとの競争には勝てない
   ・ロボットの開発と進出が進めば、残された道は一つ
   ・世界を縮小させたチップと箱
   ・「資本対労働の比率は不変」ではなかった
   ・アメリカでは貧富の差は古代ローマ時代より大きい
   ・生産性は過去最高、雇用は減少というパラドックス
   ・コンピュータに仕事が奪われる事例の先駆け
   ・2045年、コンピュータは全人類の脳の総計より10億倍賢くなる
   ・労働搾取工場でさえオートメーション化される
   ・ヨークシャー・ラッダイトの蜂起
   ・ ラッダイト が抱いた懸念は、未来への予言だった?
   ・第二次機械化時代の救済策はあるのだろうか?
   ・金銭、時間、課税、そしてロボットの再分配
第9章 国境を開くことで富は増大する

   ・発展途上国支援に過去50年で5兆ドルを投じた
   ・対象群を用いた最古の比較試験
   ・無料の教科書は効果なし?
   ・必要なのは優れた計画か、何も計画しないことか
   ・ただで蚊帳を手に入れた人の方が、蚊帳を買う確率が2倍高かった
   ・10ドルの薬が就学年数を2.9倍伸ばすと実証したRCT
   ・貧困を一掃する最良の方法「開かれた国境」
   ・ 労働の国境を開けば65兆ドルの富が増える
   ・国境が差別をもたらす最大の要因
   ・21世紀の真のエリートは望ましい国に生まれた人
   ・移民にまつわる7つの課題
   ・世界で最も豊かなアメリカは移民が建てた
   ・38%の移民受け入れで開発支援総額の3倍の効果
第10章 真実を見抜く一人の声が、集団の幻想を覚ます
   ・空飛ぶ円盤が来なければ主婦はどうするのか
   ・1954年12月20日の真夜中
   ・自らの世界観を改めるより現実を再調整する
   ・わたしには自分の意見を変える勇気があるだろうか?
   ・真実を語るひとりの声が集団の意見を変える
   ・なぜ銀行部門の根本的改革は進まないのか?
   ・ 新自由主義を広めたハイエクとフリードマン
   ・モンペルランの教訓
終 章 「負け犬の社会主義者」が忘れていること
 
   ・不可能を必然にする「大文字の政治」
   ・国際的な現象となった「負け犬の社会主義」
   ・進歩を語る言語を取り戻す
   ・アイディアを行動に移す2つのアドバイス

(参考):ベーシック・ペンション基礎知識としてのお奨め5記事

日本独自のベーシック・インカム、ベーシック・ペンションとは(2021/1/17)
諸説入り乱れるBI論の「財源の罠」から解き放つベーシック・ペンション:ベーシック・ペンション10のなぜ?-4、5(2021/1/23)
生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)前文(案)(2021/5/20)
生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)2021年第一次法案・試案(2021/3/2)
ベーシック・ペンションの年間給付額203兆1200億円:インフレリスク対策検討へ(2021/4/11)

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