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ベーシックインカム、ベーシック・ペンションをめぐる現状認識と当サイトの2021年下期課題

上半期記事アクセス数ランキング・トップ10

 今年2021年1月1日に、親サイト https://2050society.com からスピンオフして開設した当サイト。
一昨日で、ちょうど半年、上半期を終えました。
 この半年で当サイトに投稿した記事数が121。
そのうち、法律をそのまま掲載した記事が20あるため、実質的には101記事。
 当初、記事数を増やすべく、1日1記事を目標にしていましたが、4月からは2日に1記事を目標に投稿しています。

 その全記事において、上期に最もアクセス数が多かった記事、トップ10を以下にリスト化しました。
 もし、見落とし、読み落としがありましたらチェックしてみてください。

1.ベーシックインカム地域通貨県札「房」発行公約:千葉県知事選立候補予定の皆川眞一郎氏(2021/1/9)
2.イギリス救貧法の歴史・背景、概要とベーシックインカム:貧困対策としてのベーシックインカムを考えるヒントとして(2021/1/26)
3.れいわ新選組のベーシックインカム方針:デフレ脱却給付金という部分的ベーシックインカム(2021/4/4)
4.ミルトン・フリードマンの「負の所得税」論とベーシックインカム(2021/2/19)
5.立憲民主党のベーシックインカム方針:ベーシックサービス志向の本気度と曖昧性に疑問(2021/4/6)
6.ベーシック・ペンション導入に伴う社会保障・社会福祉制度等関連法改定課題体系(2021/1/30)
7.ベーシックインカムでなく ベーシックサービスへ傾斜する公明党(2021/4/28)
8.鈴木亘学習院大学教授による、財源面からの2021年ベーシックインカム試案(2021/2/4)
9.ベーシック・ペンションによる貧困問題改善と生活保護制度廃止(2021/2/6)
10.ベーシックインカム生活基礎年金案を再考察:第4ステップ2020年10月(2021/1/6)

 幸い、毎月順調にアクセス数、ページビュー数は増えてきており、今後は、1記事1記事の質を高めつつ、より多くの方々に購読頂ける、ベーシックインカム(以降BIと表現することがあります)及びベーシックペンション(同様BP)専門WEBサイトにと考えています。

現状の日本におけるベーシックインカムへの理解度・関心度等状況と実現のための課題

コロナ禍対策としてのベーシックインカムの限界

 COVID-19、新型コロナウイルス感染症、パンデミックの波状的発生と長期化する2020年と2021年。
 昨年の10万円の特別定額給付金支給により、ベーシックインカムに対する関心が高まり、継続する2021年も、同様の支給を訴える活動があるにはあったのですが、政府にはその気はまったくなく、現状では尻窄みになっています。

 もともと私は、コロナを理由にしたBIでは、単一要件で時限的措置に終わることから、特別定額給付金がBIと受け止められ理解されることは、マイナス要因となり望ましいことではないと指摘してきました。
 そして現状は、一時的な給付金という位置づけでのみの案件止まりとなり、ベーシックインカムと結びつけて語られ、認識されることから離れていっていると言えるでしょう。
 それはそれでやむを得ないですし、長期的に見れば、むしろその方が良いと思っています。


衆議院選挙を控えての各党のベーシック・インカム政策の現状

 いずれにしても、ベーシックインカムあるいはベーシックペンションを実現させるには、国会の場にその法律案が提出され、議論検討され、可決成立する必要があります。
 しかし、現実はとなると、ベストとは言えなくとも、まずまずのレベルのベーシックインカム案を公約とする政党は皆無で、自民党を除く各政党のベーシックインカムについての考え方・方針は、以下の記事で取り上げてきました。

れいわ新選組のベーシックインカム方針:デフレ脱却給付金という部分的BI(2021/4/4)
立憲民主党のベーシックインカム方針:ベーシックサービス志向の本気度と曖昧性に疑問(2021/4/6)
日本維新の会のベーシックインカム方針:本気で考えているとすれば稚拙で危うい曖昧BI(2021/4/26)
ベーシックインカムでなく ベーシックサービスへ傾斜する公明党(2021/4/28)
国民民主党の日本版ベーシック・インカム構想は、中道政策というより中途半端政策:給付付き税額控除方式と地域仮想通貨発行構想(2021/6/6)


真のベーシックインカムを掲げる政党は皆無

 上記の各記事から分かるように、一応曲がりなりにもベーシックインカムを掲げ公約化しているのは、れいわ新選組と日本維新の会のみ。
 前者は、インフレターゲットの考え方に基づく極めて部分的BIで、真のベーシック・インカムとは呼べません。
 維新の会の方は、いわゆる新自由主義発想による、生活保護・年金制度を吸収・廃止する改悪制度であり、論外の提案です。
 立憲民主党と公明党は、ベーシックインカムではなく、ベーシック・ペンションを目指す党。
 国民民主党は、給付付き税額控除方式を提案し、やはり真のBIとは距離があります。

 政権等の自民党は、一応新自由主義の政党ということで、その広告塔的存在と認知されている竹中平蔵氏の説については以下で取り上げたました。
竹中平蔵の暴論はシカトすべき!:週刊ポストの小学館マネーポストWEB、ベーシックインカム記事を追う-1
(2021/1/14)
 結局、現状では、ベーシックインカムを正しく理解して公約に掲げる政党はないのです。
 万一、日本維新の会が議席数を増やすようなことがあると、ある意味では、真剣にBIについて政治の場で議論する機運と機会が高まり、プラスになる可能性もあるのですが、他の政党がしっかりしたBIについての考え方を持っていないことも考えられ、不安を抱えるリスクもあるわけです。
 そういう点を考えても、はやり望ましいBI案を一つにまとめ、一つの政党がそれを公約にするという課題に早期に取り組む必要があります。

財源をめぐる考え方に乖離

 次に、当然課題の優先度・重点度を考えると、どちらが先と言えないのですが、BIの財源をどうするかは、BIまたはBP実現上の最も高いハードルと言うべきでしょう。
 れいわのみが、赤字国債を財源とし、その残高は放置して良いという考え方で、他のすべては財政規律重視を方針とし、BIに必要な財源もその規制に従うこととしています。
 それでは、少子高齢化・人口減少社会における世代間負担の不公平性を改めることは現実的に不可能です。
 また所得再分配を強める形での富裕層への課税強化に頼るにしても限界があり、またすんなりと受け入れられるとも思えません。
 仮に所得再分配のあり方を改善したとしても、BI支給額は、抑制的な金額になり、現状の社会保障制度をそのまま併用する形になってしまい、結局財政健全化は画餅に終わるでしょう。
 すなわち、財政面からの議論では、本来BI導入と併せて行うべき、他の社会保障制度の改正・改革に踏み込むことができず、問題の先送りになってしまうと予想されるのです。

給付内容及び給付管理等に関する考え方が多種多様

 上述したように、財源問題と支給額の問題とは直結しています。
 また、BI(BP)を給付するのは中央銀行である日銀なのか、国なのかという課題もあります。
 現金で支給するのか、デジタル通貨か、地域通貨か電子マネーかなど手段の問題も。
 ベーシック・ペンションでは、利用できる事業所の認可性や利用期限など細かいルールを定めています。
 他の形態・システムであっても、何かしらの創意工夫が必要でしょう。
 何から決めていけばよいか、着眼によって、改善・改定のアプローチと方法は、多種多様に広がるでしょうから、まとめ上げるのが非常に難しくなります。


ベーシックインカム提案諸説記事リスト

 こうしたさまざまな課題を抱えるベーシックインカムの実現への道。
 当サイトでは、上記の各政党とは関係のない個人やグループレベルでのBI提案、BI論について、上期に以下の記事を投稿しています。
 一部は、コロナ禍における特別定額給付金の支給を提案・要請する活動と直結したかのようなものもありますが、いずれにして特定の政党や政治グループと繋がり、具体化をめざしている状況にはないものばかりです。

リフレ派原田泰氏2015年提案ベーシックインカム給付額と財源試算:月額7万円、年間総額96兆3千億円(2021/2/3)
鈴木亘学習院大学教授による、財源面からの2021年ベーシックインカム試案(2021/2/4)
井上智洋氏提 案ベーシックインカムは、所得再分配による固定BIとMMTによる変動BIの2階建て(2021/2/24)
小野盛司氏の経済復活狙いのみのベーシックインカム案?(2021/2/25)
山森亮氏のベーシックインカム財源論(2021/4/3)
朴勝俊・山森亮・井上智洋氏提案の「99%のためのベーシックインカム構想」ー1(紹介編)(2021/4/8)
朴勝俊・山森亮・井上智洋氏提案の「99%のためのベーシックインカム構想」ー2(評価編)その意義と課題(2021/4/9)
高橋真矢氏によるベーシックスペース、ベーシックジョブ、ベーシックインカム、3B政策と課題(2021/4/22)
マルクス・マニア、的場昭弘氏のベーシックインカム認識と限界(2021/4/24)
ベーシックインカムを「一億総生活保護」と考える左派学者の愚(2021/6/17)
ベーシックインカムでなくベーシックサービスで人を救えるか:金子勝氏著『人を救えない国』より-2(2021/6/27)
マルクス・ガブリエル氏が描いたベーシックインカムとは:『つながり過ぎた世界の先に』から-2(2021/6/30)

 なおこれ以外に、現状SNSなどで関連情報の投稿・共有などを継続しているグループや個人がありますが、下期にその一部を紹介する予定です。

ベーシックインカム、ベーシック・ペンション早期実現のためにクリアすべき共通課題

 それらの記事で取り上げた種々の考察・提案などを参考にしながら、なんとか早期にBI(またはBP)を実現するために取り組むべき共通の課題として、以下の2つの課題があります。

共通課題1:統一ベーシックインカム(ペンション)案の調整・取りまとめ

 なんとか、BI案を1本化すべき。
 難しいことですが、下期、第3四半期の重点課題として検討し、専門家・研究者、SNS上の種々のグループに向けて提案できればと考えています。
 

共通課題2:本格的ベーシックインカム(ペンション)を公約とする政党・政治グループ開拓

 次は、そうした案を公約にするよう既存政党や政治グループに働きかける、あるいは新たな政治グループの形成について考え、可能ならばその運動・活動に着手すること。
 とりあえず、<共通課題1>がクリアできれば、その段階に進みたいと考えます。

ベーシック・ペンションに関する残る諸課題

 以上が共通課題ですが、当サイトで提案する、実現に10年は要するとしている「ベーシック・ペンション」そのものについての課題も、第3四半期に取り組むべき重点課題としています。

BP独自課題1:膨大な通貨供給によるインフレリスク問題及び一般財源に還流する資金対応問題

 この問題には、提案者の責任として取り組むべきと考えています。
 現状の提案では、BP給付額は、デジタル通貨ですが、年間203兆円規模。
 その一部は、現状のいくつかの制度に充当されている一般財源を原資としており、203兆円から差し引いて実質正味額を計算すればよいのですが、敢えて、203兆円ベースのままで考えることにしたいと思っています。
 なぜなら、BP給付額は、一般財源とはまったく異にした、中央銀行が発行する独自通貨、独自システムによるものであり、その中で管理するものとしているからです。
(但し、最終的には、還流して、一般会計と関係した処理が何割かなされるのですが。)
 そこで、インフレリスク対策と政府に還流してきたデジタル通貨の現金化分の措置について考察するものです。
 

BP独自課題2:デジタル通貨方式によるシステム開発

 もう一つは、当サイトで方法論を議論不可能の課題であり、関連情報を都度拾って、考えていくという課題です。
 すなわち、マイナンバーカードと紐付けしたデジタル通貨システムであることと、日銀(関連部門)に全国民の専用口座を開設して運用管理するシステムであること、利用可能な事業所や利用可能期間・期限を設定するシステムであること。
 等など、厖大な費用と工数とを必要とするシステム開発を想定しているため、こちらが勝手にいろいろ考えてもいけないというわけです。

 以上、かなりまとまりを欠きましたが、下期は、上期の取り組みから、サイト運営の取り組み方針とテーマを一段レベルアップし、単なる理想追求ではない、多少は現実味を感じることができる内容の考察・提案を行っていきたいと考えています。

 なお、6月から始めている「BP法の意義・背景を法前文から読む」シリーズも継続して、残り課題について取り組み、他にスポット的に取り上げる課題を差し挟んでまいります。
 忌憚のないご意見・助言も頂きたく、どうぞ宜しくお願いします。

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