
朴勝俊・山森亮・井上智洋氏提案の「99%のためのベーシックインカム構想」ー1(紹介編)
今ちょうど、松尾匡・井上智洋・高橋真矢氏共著による新刊新書
『資本主義から脱却せよ~貨幣を人びとの手に取り戻す~ 』(2021/3/30刊)
を読んでおり、読み終えたら、これを参考にしてベーシック・ペンションとからめて記事を書こうと思っていたところ。
ベーシックインカムに関する情報発信を精力的に進めている白崎一裕氏のFacebookでの投稿を目にしました。
それは、4月6日に、ローズマークキャンペーンというサイトで公開された「99% のためのベーシックインカム構想」。
その構想の3人の提案者の内2人が、当サイトでも著書と共にたびたび紹介し、取り上げている山森亮氏と井上智洋氏。
(参考)
⇒ MMT現代貨幣理論とは:ベーシックインカムの論拠としての経済学説を知る(2021/2/23)
⇒ 井上智洋氏提案ベーシックインカムは、所得再分配による固定BIとMMTによる変動BIの2階建て(2021/2/24)
⇒ 福祉国家論とベーシックインカム:福祉国家から基本的人権社会保障国家へ(2021/2/27)
⇒ 山森亮氏のベーシックインカム財源論(2021/4/3)
それに加えて、恥ずかしながら初めて知った<薔薇マークキャンペーン>の代表者であり、当構想の解説を書いている松尾匡氏は、冒頭の新刊書の共著者。
こういう日本のBI論者の代表格の経済学者がタッグを組んだBI構想。
しかし、日本におけるBI実現上の最も困難な課題の一つが、政治イシュー化、政治マター化すること。
理想としては、BIを明確に提案し、公約に掲げる政党があることですが、そこまでの道のりはまだ見通せない状況です。
この薔薇マークキャンペンの活動方針は、自グループの構想・提案に賛同する国会議員選立候補者を支持するというもの。
特定政党にこだわらずに、個別の政策への賛同候補者を支援するという方式です。
基本的に、特定政党の党員は、党議に拘束されるのが一般的なので、このキャンペーンがどこまで発展拡大可能か、難しいとは思いますが、何もやらないよりいいですし、何より、ベーシックインカム、しかも実現可能なそれを理解浸透する上で非常に意義があると考えます。
(参考)
⇒ 薔薇マークキャンペーン公式HP
そして、このところの井上氏は、特別定額給付金の再交付提案など具体的な活動を行っているので、こうした提案が出てくることが当然と言えます。
これに、山森氏が呼びかけ人の一人に最近加わったことで、私自身の当提案への期待度・信頼度は高まり、内容をさっと読んだときには、即、賛同人になろうと。
そして申込みしました。
そこで、今回は、以下に、薔薇マークキャンペーンの紹介も加えて、同構想を極力そのまま転載し、紹介することにします。

薔薇マークキャンペーンとは
薔薇マークキャンペーン組織は、2019年7月の参議院選挙を主目標に、安倍政権に選挙で勝てるような政策、人々の生活を良くするための経済政策=反緊縮経済政策を、野党に最優先の課題として掲げてもらうべく、松尾匡氏を代表として、2019 年2月に設立されました。
「反緊縮プログレッシブ運動」(後述)に賛同する国会議員選挙立候補者を認定し、支援する活動でもあります。
今回、4月4日にまとめられ、同6日に公開された「99% のためのベーシックインカム構想」は、その活動の最重要課題として位置付けられるものと言えます。

反緊縮プログレッシブ運動とは
「反緊縮プログレッシブ運動」とは、その文字通り、長く続くデフレ経済の元凶である、政府の財政規律至上主義や消費増税等で示される緊縮経済政策に反対する活動です。
それは、以下のさまざまな活動との繋がりを呼びかけており、今後の薔薇マークキャンペーンの広がりの可能性を示すものでもあります。
- 消費税の引き下げや廃止を求める運動。法⼈税や所得税の累進課税とその強化など「公平な税制度」を求める運動。
- 財政規律キャンペーンに対抗して、ひとびとに必要な分野(社会保障や教育・医療・子育て支援や防災、気候変動防止・再生可能エネルギーへの転換等)への積極的財政出動を求める運動。
- クビ切りや就職難に反対し、まっとうな賃金や労働条件のもとでの完全雇用を実現する運動。この目的に反するような財政・金融・社会政策に反対する運動。
- 労働組合の活性化・賃上げ闘争、最賃引き上げ運動、労働時間短縮闘争、非正規労働者の労働運動、労働者協同組合運動。民族ヘイトや歴史修正主義等の偏狭なナショナリズムと対抗し、外国人労働者の処遇を改善するための運動。
- 生協や農林水産業者・中小事業者の団体、医療・介護・教育・保育業界、反貧困やコミュニティづくりや環境保護、障害者や被災者の運動等々の自主団体での反緊縮的な公的取組を求める運動。
- 公務員バッシングに対抗する運動。民営化反対運動。
- 国際的な反緊縮運動との連帯。

99% のためのベーシックインカム構想とは:松尾匡氏(薔薇マークキャンペーン代表)による解説
先ず、同構想についての薔薇マークキャンペーン代表の松尾匡氏の解説を。
このベーシックインカム構想は、薔薇マークキャンペーン呼びかけ人である、朴勝俊関西学院大学教授、山森亮同志社大学教授、井上智洋駒澤大学教授の連名で発表された。
薔薇マークキャンペーンの組織的な意思決定にもとづくものではなく、個々の呼びかけ人・事務局員は責任を共有していない。
この構想は、現行の税制と社会保障制度の大枠に、あえて手をつけないことを大前提にして組み立てられている。
これは、現行の税制と社会保障制度の大枠を変革すべきでないことを意味するのでは決してなく、これらの大枠を変革することによって、より理想に近いベーシックインカム制度をめざす立場に対しても開かれている。
また、きたるべき総選挙に向けて、自公維と対抗する、政党などの政治勢力に参考にしてもらうことを意識しているが、これらの政治勢力が税制や社会保障制度についてこの構想の具体的扱いに則ることを主張するものでは全くなく、各々の税制・社会保障制度についての主張の上に、この構想を検討してもらうことを想定している。
前置きが長くなりました。
同構想の要約と本文を、以下の資料から引用転載させて頂きました。
(参考) 要約および本文 PDFファイルへ→
朴勝俊、山森亮、井上智洋3氏による「99%のためのベーシックインカム構想(要約)および(本文)[草案]」
1.99%のためのベーシックインカム構想(要約)
先ず以下が、構想の要約です。
以降の本文とかなりが重複しますが、まず理解する、という観点から有効と思いますので、一部手を加えていますが、ほぼ原文のまま転載しました。
太字は、当サイトで付しました。
・ベーシックインカムは、全ての個人に均等に一定の金額を定期的に給付する制度です。これが他の社会サービスなどを補完することによって、「健康で文化的な最低限度の生活」や、個人的および社会的自由の保障に、現在より近づくことができます。
高度な生産力と貨幣発行権を持つ日本では、不況下において、政府が国債を市中に売却し、日本銀行がそれを買い上げるような方法で、現金給付が可能です。
しかし経済が回復して物価上昇率が高まった場合に備えて、税制等によってそのおカネを回収する仕組みも必要です。
・こうした認識から、私たちは2階建てのベーシックインカムを試案として提案します。
・2階部分は、政府と日本銀行の協調による貨幣発行(国債発行と日銀の買い入れ)によるもので、均等の給付を行うことで景気回復を促し、物価安定目標を達成することを目的とします。
その金額は、政府や日銀が裁量的に決定しますが、経済が回復するとゼロに向けて縮小します。
当面は深刻な経済停滞が続いているため、1人1月7万円の給付を想定します。
・1階部分は、恒久的に安定的な給付額を保証するもので、この部分については税による裏付けを必要とします。
新税の設置や、所得税等の増税によって確保できる税収額に応じて、それを人口と12ヶ月で割り算し、1人1月あたりの給付額が決められます。
・ちなみに、1億2600万人に1人1月あたり1万円を給付するためには、およそ15.12兆円の裏付けが必要です。
その中心になるのは、所得税制の改革(所得控除の廃止と、税率の引き上げ)です。
私たちの試算によれば、これだけで45兆円弱の増収が見込め、1人1月あたり3万円弱のBIが可能です。
経済回復によってさらに増収となれば、BIの金額はもっと増やすことができます。
それ以上に1階部分の金額を増やすことは、それ以外に様々な税金を新設・増税すれば可能となります。
もし税収が不足することになっても1階部分の金額を減額することはないものとします。
・BIを運営するために、BI特別会計を設置します。BIの裏付けとなる税収はこの会計に繰り入れて管理します。
・既存の社会保障制度との関係については、私たちは原則として既存制度に手をつけません。
ただし、児童手当(約2兆円)については、BIがとって代わるものとして廃止し、この予算分をBI特別会計に繰り入れます。
生活保護の現金給付については、1階部分を収入認定し、自動的に調整をします。
その他、国民年金の基礎年金部分については、一般財源から国庫負担が行われていますので、それとの調整を検討する余地がありますが、私たちは現段階で、その議論には立ち入りいません。
・私たちの提案では、1階部分と2階部分の合計で、当面は1人1月10万円(三人家族で年額360万円)の給付が可能です。
1階部分と2階部分を合わせても、現行の社会政策体系のもとではすべての人に生活に十分な金額を保障できるわけではないので、これはいわゆる「部分BI」と呼ばれるものに相当します。

2.99%のためのベーシックインカム(BI)の理念と目的(本文草案-1)
現在の日本では、コロナ禍による経済停滞によって、多くの人々が、命や健康を脅かされているだけでなく、収入や仕事を失う脅威に晒され続けています。
私たちには、命と経済を守るために「最低限必要不可欠な」政策として、ベーシックインカム構想を打ち出すことが
求められています。
私たちの BI において欠くことのできない理念は、すべての人々の生存と自由、そして尊厳を守るために、すべての人に一定額の給付を行うということです。
「本当に困っている人に的を絞る」などといった言葉で人々を選別することはしません。
また、いかなる境遇の人にも給付の代償として、就労や職探しを義務づけたり、あるいは働いて収入を得ることを禁止・制限したり、尊厳を傷つける申請手続きを強要しません。
給付を得た人が、その現金をどのような使途に支出したのかを詮索されることも、あってはなりません。
ベーシックインカム世界ネットワーク(BIEN)は、ベーシックインカム(以下、BI)を「すべての人に、個人単位で、資力調査や労働要件を課さずに無条件で給付されるお金」と定義しています。
定義には含まれていないものの、広く共有されている前提として、BI は権利性を持つこと、一定額であること、その額は他の社会サービスと結びつくことで少なくとも最低限度の生活が可能となる額であること、また BI の導入と引き換えに他の社会サービスの削減など、弱い立場に置かれている人びとの生活を悪化させるようなことを行わないこ
と、などが想定されています。
また BI の水準については、他の社会サービスと組み合わせることで、健康で文化的な最低限度の生活を営むことができる水準が想定されており、それを満たすものを完全 BI、それ以下の水準のものを部分 BI と呼びます。
日本の現行の脆弱な社会給付や社会サービスをそのままにして、完全 BI を給付しようとするとかなり高額になりますし、私たちはそれを望ましいとは思いません。
少なくとも脆弱な社会サービスの改善と BI の導入は、現在の日本の社会の現実を踏まえると、車の両輪であり共に推し進める必要があります。
そのなかで BI に焦点を当てたこの文章は、必然的に部分 BI を主軸とした提案となります。
なお、世帯ではなく個人に給付することは、世帯の中でも相対的に地位が低く力の弱い人の自由と尊厳を守ることが、重要だと考えるためです。
BI 自体は、貧富の格差をゼロにすることを目的とするものではありません。
所得の再分配よりも、すべての人々に最低限の現金収入を権利として保障することが目的であるためです。
ただし、所得や資産が相対的に多い個人からは、累進所得税などを通じて、給付された BI の一部を自動的に回収し、公平性を高めます。
さらに BI は、既存の社会保障制度(年金制度、失業保険、医療保険、生活保護)などを廃止・削減する目的で実施されてはなりません。
ただし、これらのうち現金で給付されている部分は、BI として現金給付された金額との調整を行います。
これについても各種の社会保障制度の対象者にとって不利益・不公平にならない方法で行われるべきだと考えます。
BI は勤労者の収入の一部を保障することによって、彼らの自由を向上させ、待遇の悪い企業から退職しやすくしたり、自ら起業できるようにしたり、恐れることなく積極的な労使交渉ができるようにしたりして、職業選択や賃金・待遇等に好ましい影響を及ぼす可能性があります。
しかし BI は決して、雇用の流動化を促進する政策の道具にしてはなりません。
また、コロナ禍の現在のように経済悪化が顕著な状況では、人々の生活と命を守り経済を需要側から底上げする役割が、BI の現金給付に強く求められています。
最後に、医療・介護・保育・教育のためのインフラは、BI の有無にかかわらず拡充してゆく必要があることを指摘しておきます。
(本稿では、それらについて BI と関連づけて論じることはしません。)
※太字は当サイトによる

3.ベーシックインカム(BI)の財源の考え方(本文草案-2)
一部省略しています。
日本は自国通貨の発行権を持ち、変動相場制を採用し、国債が自国通貨建てで、高度な生産力を有する国です。
そのため、BI を含むあらゆる政府支出について、税金や国債発行によって前もって資金を確保する必要はありません。
むしろ、BI の給付によって、政府等の負債として、世の中に貨幣が生まれます(貨幣には硬貨や日本銀行券の他に、銀行が保有する日銀当座預金(政府の事実上の「子会社」である日本銀行の負債)と、人々が保有する銀行預金(銀行にとっての負債)があります。
ここで、金額的にも機能上も重要なのは日銀当座預金と銀行預金です。
日本銀行券や硬貨などの現金は、銀行預金が引き出された時に世の中に出回るもので、金額的にも副次的なものです。
税金や国債は「財源」というよりも、そうして生まれた貨幣の価値を保つために必要な、貨幣を回収する仕組みの一つと位置づけるべきです
実際のところ、2020 年に行われた「10 万円給付」では、約 13 兆円ぶんのおカネが無から創り出され、世の中の金融資産が増加したのです。
具体的な手続きでは、政府はどこかの段階で銀行等に対して国債を発行して、給付の「財源を調達」する格好を取っています。
しかし日本銀行が(普段から買いオペとして行っているように)この国債を買い上げれば、最終的には世の中に対しては日本銀行が作った貨幣が給付されたことになりますので、将来世代に「国の借金」の負担を残すことにはなりません。
むしろこれによって、現在世代と将来世代がともに利用できる、貨幣という名の金融資産が創造されることになります。
他方、徴税とは世の中に出回った貨幣を、回収して消滅させることです。
人々が 10 兆円の税金を納めると、銀行預金と日銀当預が 10 兆円ぶん消滅するのです。
したがって徴税は、「財源」としてはほぼ無意味ですが、世の中の貨幣が増えすぎないようにして物価上昇を防
ぎ、貨幣の価値を守る一方で、累進課税によって貧富の格差を縮小したり、環境や資源を守る動機付けを与えたりするために必要なものと、位置づけることができます。
デフレ的な状況が続いて物価安定目標がなかなか達成されない間は、貨幣発行による BIを多く出すことができますが、その結果、世の中に出回る貨幣が増えてデフレ脱却が実現し、物価上昇率が物価安定目標を超えるようなら、給付の金額を抑制したり、それ相応の課税によって貨幣を回収したりする必要が出てきます。
そのための税制は、所得税の累進性を高める一方、資産課税や環境関連課税を強化するなどして、貧富の格差と環境破壊を防ぐように、仕組みとして設定しておくべきものです。
ここで述べたような事実については、ここ数年の間に人々の理解が急速に広く、深くなってきています。
ただし、私たちは BI 給付等の政府支出から世の中に貨幣が生まれるという客観的事実を指摘しているのであって、通貨発行権を有する政府は課税をしなくても無制限に政府支出ができるとか、産業基盤の弱い発展途上国でも同様のことが簡単にできるとは、決して主張していません。
インフレとデフレの両方を防ぎ、貨幣価値を維持するための政府の役割の重要性については、ここで改めて強調しておきます。
※太字は当サイトによる

99%のためのベーシックインカム(BI)の実施方法
3氏が提案する部分ベーシックインカムの内容の要点を、同資料では、以下の5項目で示しています。
1.給付方法と金額
2.財政上の会計処理
3.財源
4.既存の社会保障制度との調整
5.雇用関係の諸制度の変更
要約で既に概要・詳細の一部を紹介しています。
ここでは、上記5項目それぞれの各項目の要点を、順序を一部入れ替え、以下に原文のまま転載しました。
給付方法と金額
資力調査等を一切行うことなく、月に一度(または 1 週間ないしは 2 週間に一度)、政府が個人の銀行口座に振り込む。
BI は、経済回復のための機動的な貨幣発行としての「2 階部分」と、課税等に裏付けられた安定的な給付としての「1 階部分」からなる。
コロナ禍のような危機的経済状況においては、人々の命と経済を守るために2階部分を手厚くする。
・2階部分: 経済状況(特に物価上昇率と物価安定目標との差)に応じて裁量的に給付額を決定する。
※現状では月額 7 万円程度が目安。
・1階部分: 裏付けとなる課税(新税・増税分)からの税収に応じて金額を定める。
いったん決まった金額は、税収が減少するなどしても下げられることはない。
※1人1月 3 万円程度が目安。
これにより、当面のBI給付額は、一人毎月10万円という提案になります。
財源
2 階部分は貨幣発行(国債発行)による。
※ 国債は日銀が買い入れる(直接引き受けも市場からの間接購入も可)。
1 階部分は課税(新税・増税分)等によって裏付ける。
※ 1 億 2600 万人に月 1 万円、12 ヶ月の給付を行うための課税は、毎年 15.12 兆円が必要となる。
・所得税の各種所得控除の廃止や税率変更などによる増収 ※数十兆円
・消費税の増税分による税収 ※十数兆円
・環境関連諸税(炭素税・原子力発電税など) ※十数兆円
・たばこ税・酒税等の増税分 ※~1 兆円程度
・資産課税や資本取引課税
・個人情報の使用者、知的財産の所有者に対する課税
・天然資源採取の権利料(ロイヤルティ)など、各種公共財産の使用料
・児童手当を廃止し、財源を BI 特会に繰り入れる ※約 2 兆円
※ BI 導入と関連づけた既存税制の改革は最小限に留める
※ BI は所得税の課税対象に含めない(申告納税者数を減らすため)
※ 各種の課税による税収については、別途詳細に検討する
BIのためだけに発行する貨幣によるものと、税を活用してのもの、この2種類の財源方式が軸になっています。
既存の社会保障制度との調整
原則として既存の社会保障制度には BI 導入と関連づけて手をつけることはせず、現金給付部分のみ BI と調整。
いずれの給付を受ける人にとっても、現状に比べて不利にならないようにする。
・年金・医療・介護制度・雇用保険等には手をつけない(それら各分野で別途改革を検討する)
・児童手当を BI と調整(児童手当の予算分を BI 特会に繰り入れ)
・生活保護との調整は、1 階部分の給付額の収入認定によって行う
※ 2 階部分は収入認定しない。収入認定によって生活保護が受けにくくなったり、保護廃止されやすくなったりすることの無いように配慮する。
・国民年金の基礎年金との調整は別途検討する。
BI導入においては、この<社会保障制度>がどのように変わるのか、非常に興味深いのですが、端からそこには踏みいることがないことを確認させられます。
想定内のことですが、やはり、この課題にどう対応するか、それが明確にならなければ、この構想もその意義は多くく後退することになりかねないと思っています。
雇用関係の諸制度の変更
BI と関連づけて雇用や賃金に関する既存の諸制度の変更を行うことはない。
財政上の会計処理
一般会計で扱うのではなく、BI 特別会計を新たに設置し、税財源を明示的に繰
り入れ、不足分については BI 特別会計債(一種の国債)を発行する。
以上が、同構想の内容です。
これと関連して詳述した内容も、要約および本文 PDFファイルにありますから、是非確認頂ければと思います。
当サイトでも別の機会に、利用したいと考えています。

今回は、薔薇マークキャンペーンをベースにしての朴・山森・井上3氏による部分BI構想の紹介編としての記事ですした。
99%のためのベーシックインカム構想の位置付けと次回(評価編)へ
日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンションを提案する当サイトですが、その実現には10年は必要という認識で取り組んでいます。
しかし、コロナ下ではもちろんのこと、多様な要因で、BIの必要性は、日に日に高まってきている現実があります。
とすれば、ただ手をこまねいていることは、怠惰の誹りを受けても致し方ないとも思っています。
現実的に、比較的早期になにかしらの形で、部分的ベーシックインカムを実現すべき。
その思いが高じている時の、神頼み的な今回の構想提起でした。
ベーシック・ペンションとは異なる部分が多々ありますが、相通じるところも多いのも事実。
ならば、まず当構想の実現を急ぎ、その延長線上にベーシック・ペンションを位置づけて、当構想が回避している種々の社会保障制度や労働政策等の今後の在り方を、継続して検討し、議論の場と機会、材料を提示していく。
そう考えています。
次回、当構想について感じたこと、考えたことなど(評価編)として整理してみる予定です。

次回記事は
⇒ 朴勝俊・山森亮・井上智洋氏提案の「99%のためのベーシックインカム構想」ー2(評価編)その意義と課題(2021/4/9)
<ベーシック・ペンションをご理解頂くために最低限お読み頂きたい3つの記事>
⇒ 日本独自のベーシック・インカム、ベーシック・ペンションとは(2021/1/17)
⇒ 生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)2021年第一次法案・試案(2021/3/2)
⇒ ベーシック・ペンションの年間給付額203兆1200億円:インフレリスク対策検討へ(2021/4/11)
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