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MMT財政論が主流派経済学を論駁できない事情を考える:島倉原氏著『MMTとは何か』から考えるベーシック・ペンションー5

財源・財政・金融・インフレ問題とMMTを関連付けてベーシックインカム、ベーシック・ペンションを考察するシリーズ-Ⅱ

【『ベーシックインカム×MMTでお金を配ろう』から考えるベーシック・ペンション】シリーズ(記事リストは最後に掲載)に続いて、
島倉原氏著MMT〈現代貨幣理論〉とは何か 日本を救う反緊縮理論』(2019/12/10刊・角川新書)を参考にした、【島倉原氏著『MMTとは何か』から考えるベーシック・ペンション】シリーズに取り組んでいる。
<第1回>:ベーシックインカムとMMTの誤解・無理解をどう克服するか:島倉原氏著『MMTとは何か』から考えるベーシック・ペンションー1(2023/7/5)
<第2回>:貨幣の本質とベーシックインカムに関係はあるか:島倉原氏著『MMTとは何か』から考えるベーシック・ペンションー2(2023/7/7)
<第3回>:遊びのような「内生的貨幣供給論」と「外生的貨幣供給論」の比較論:島倉原氏著『MMTとは何か』から考えるベーシック・ペンションー3(2023/7/9)
<第4回>:政府財政支出に制限なし論の根拠とBI財源問題:島倉原氏著『MMTとは何か』から考えるベーシック・ペンションー4(2023/7/12)

前回で【第1部 MMTの貨幣論】を終わり、今回から【第2部 MMTの政策論】に入る。
当初、「第4章 MMTの租税政策論」「第5章 機能的財政論」「第6章 就業保証プログラム」の各章ごとに3回に分けて進める予定だったが、前の2つの章を今回合わせて取り上げ、次回は第6章と、2回で通過することに変更した。


『MMTとは何か』から考えるベーシック・ペンション-5

【第2部 MMTの政策論】では、第1部でのMMTの貨幣論に基づいて、「経済政策はどうあるべきか」の提言とそのための規範的理論としてのMMTの解説が行われる。

第2部 MMTの政策論
第4章 MMTの租税政策論

・「MMT=無税国家論」ではない
・租税の目的とは何か
悪い税(1)社会保障税
悪い税(2)消費税
悪い税(3)法人税
第5章 機能的財政論
「完全雇用と物価安定」という公共目的
・機能的財政と二つのルール
・機能的財政と表券主義
・機能的財政と為替相場制度

第4章 MMTの租税政策論」から

本章では、国家はどのような税金を課すべきか、あるいは課すべきでないかについて、MMTの租税政策論が課題である。

無税国家論ではないMMT

MMTによくある誤解の一つが「MMTは無税国家論であり、政府は租税を必要としない」と受け止められていること。
しかし、これまでのMMTの貨幣論で示されたように、租税の支払手段として使えるから通貨を受け取り、それが政府に無限の支出能力をもたらしているわけで、租税は必要不可欠であることが大前提であるというわけだ。
また、前回、インフレが政府支出の制約条件になり、この場合増税が必要としていた。
しかし、私は、通貨が租税の支払手段であるゆえに政府に無限の支出能力を与えているというロジックには不自然さを感じている。
MMTの個々の課題事項においての理論(理屈?)には、どうもすっきりしない、説得力が欠けていることがままあるのだ。
無税国家論と受け止められてもしようがないとも。

租税の目的とは

MMTにおける租税の目的は、「貨幣を動かす」こと、政府が発行する通貨に対する需要を生み出すこと。
こういわれても、私には具体的・現実的なイメージがわかないのが本当のところ。
その目的を達成するには、大半の人々が納税義務を負うような税金が、最も適していると筆者。
租税とは関係なく考えれば、通貨は、さまざまな需要を生み出すモノ、道具といえ、納税のために通貨を求めるわけではないと思うのだが。
これとは別に、筆者は、1940年代にニューヨーク連銀議長だったビアズリー・ラムルの論文から次の4つの目的を紹介している。
1)通貨の購買力安定を促進する
2)所得と富の分配を変える
3)悪い行動を抑止する
4)特定の公的プログラムのコストをその受益者に割り当てる
個々の具体的な税の例や理由は、BI、BP論との関係は薄いのでここでは省略したい。

悪い税の例

このように租税の目的や性質に関してMTTの考え方を示す中で、レイの『MMT入門』第5章第6節「悪い税」を取り上げて、次の3つの税を望ましくない税とする。

1)社会保障税:将来の年金支払いに備えた基金に充当するため、賃金の一定比率を雇用主と従業員が折半して支払うもの。
この税が望ましくない理由は、雇用コストを上げ、雇用を抑制する方向に働くため。
労働者としても、この税の負担によって労働価値と余暇価値の比較において前者が低くなり、労働・就労を回避・忌避し余暇を選択する方向に働くことから、望ましくない税ということになる。
ここでは「税」と表現しているが、「社会保険」である「厚生年金保険」制度が、ここでの「社会保障税」とみなすことができる。
なお、この税が、脱税が可能なインフォーマル・セクターでの労働や利子・配当・家賃などの不労所得を有利にするという点での不適切性を付け加えている。

2)消費税:モノやサービスの販売価格に対して一定比率で課される税。
こうした消費が増えれば人々の生活水準は向上するのだが、消費税は、これを抑制する方向に働かせる。
また、この税には低所得者ほど消費性向が高く、負担が重くなる「逆進性」があることもその要因の一つ。
但し、有害品やぜいたく品その他「望ましくない消費」には「悪行税」が課されること、逆進性緩和目的でのぜいたく品への課税や食料品等への免税が評価されることが付け加えられている。
こうした消費税に関する課題については、生活基礎年金として支給するベーシック・ペンションの利用時の運用基準上の検討課題とできると考えている。

3)法人税
:企業の利益に対して課される税。
法人税は、労働者には低賃金、消費者には製品の高価格化により転嫁される要素があり、企業にとっては利益を押し下げる経費の一種として、なにかしらのカバーが必要とされる。
その他法人の経営活動における様々なプロセスにおける経費・損金、利益、競合・競争などの判断において、法人税がマイナスの影響を与えることを例示し、悪しき税としている。
ただ、主流派経済学がメリットとして挙げている、累進所得税と並んで有力な自動安定装置としての法人税だが、MMTでは、上記のデメリットがそれを上回るということになる。
ただ、法人所得を株主に帰属させ、株主の個人所得と合算額に累進所得税を課すことを提案するなど、運用上検討可能な課題があることを加えている。

BIやBPと関係付けて租税について考えれば、経済システムとしてよりも、社会保障制度、社会保険制度などの社会システムの在り方を、保険料も租税同義的に捉えることで、具体的に考察・提案する方向になると思われる。
そのため、本書・本章でこの課題に向かうことはないのではと考えている。

第5章 機能的財政論」から

MMTによる2つの公共目的

この項の冒頭、「公共目的」の「公共性」は、国や時代により異なり、種々の可能性があるとした後、MMTにおいての主要なそれを「完全雇用と物価安定」であるとする。

完全雇用不達成時の問題と達成時の意義

完全雇用とは、現在の賃金水準で就業を希望する人がすべて雇用されている状態。
完全雇用ではない状態とは、非自発的な失業者が存在すること。
それは経済全体に本来備わっているモノやサービスの生産能力が、不十分にしか発揮されていない状況で、社会全体で利用可能な富が失われていることを意味する、と。
いきなり「富」の喪失といわれると、何のこっちゃと一瞬引いてしまうのだが、経済学、経済理論とはこういうものなのか・・・。
続いて、人々の生活水準の低下、所得を稼げない失業者と家族へのダメージ、就業機会の喪失による健康状態や治安悪化、危険なイデオロギーへの傾倒、ルサンチマンによる特定の人々への攻撃云々など、さらに深刻な社会問題を引き起こすリスクとその例が目白押しに。
政府が完全雇用の達成に注力することは、
1)失業の不安から解放された労働者が、現在の仕事がなくなるリスクを顧みずに設備の効率的な利用に励んだり、より生産性の高い仕事に転職したりするのを後押しし、モノやサービスの最大産出量を引き上げる経路
2)マクロ経済的な不況によりビジネスが失敗するリスクから経営層や投資家を解放し、自らが制御可能な、より個別的なリスクへの対処に専念できる状況をもたらす経路
を通じて経済全体の効率性向上に寄与する、としたうえで、社会安定のカギといえる公共的な価値が存在すると。

失業問題の解決は、原因である自らへの支払義務を定めた政府が負うべき当然の責務、とし、政府にはその政策の遂行に必要な「支出能力」があることに、完全雇用を公共目的とする本質的理由としている。
しかし、財政支出がすべてを解決し、完全雇用を実現できるものか、筆者が好む「実証」は果たして可能なのか、これまで実証的に証明された例があるのか疑問だ。

一方主流派経済学が基礎とする「一般均衡論」を持ち出し、高度に定型化かつ単純化された経済を前提としても、均衡状態には非現実的な条件下でしか到達しえないものであることは既に経済学的に証明されており、「市場メカニズムに委ねるのが最善」という同派の議論は妥当ではない、と主張している。
かくいう反論だが、主流派経済学者が認めるはずもないが、果たしてどちらにも与しない学者や一般人に対する説得力をもつものかどうか、疑問・疑念を払しょくできない。

2つの公共目的の一方、「完全雇用」については、次の「第6章 就業保証プログラム」を含めてしっかり取り上げているが、なぜか「物価安定」に関しては力を入れていない。
ベーシックインカムあるいはベーシック・ペンション提案者にとっては、インフレ懸念論と直接関連する物価問題なので、本書の重要なテーマとしてほしいところだが、【第3部 MMTから見た日本経済】では、着眼が異なるので期待できない。
MMTをベースとしてインフレ問題は、本書筆者島倉氏と同じMMT論者として関係が深く、L・ランダル・レイ氏著、島倉原氏監訳『MMT現代貨幣理論入門 』(2019/9/12刊・東洋経済新報社)の解説も担当している中野剛志氏の著書『世界インフレと戦争 恒久戦時経済への道』(2022/12/15刊・幻冬舎新書)を参考にしての、【『世界インフレと戦争』から考える2050年安保とベーシック・ペンション】シリーズで、今年2023年1月に取り上げている。
同書の内容を超える記述は、残念ながら当島原氏著書では見ることができない。
(参考)
⇒ 【『世界インフレと戦争』から考える2050年安保とベーシック・ペンション】シリーズー11、最終回終了!(2023/2/6)

機能的財政の意味と2つのルール

機能的財政とは、経済の中でどのように作用し、機能しているかによって、財政的な手段の是非を判断する原則。
これは、米国経済学者アバ・ラーナーが1943年に出版の論文「機能的財政と連邦債務」で明らかにしたもので、そこでは、政府が従うべき以下の2つのルールを示している。
1)政府には、国全体のモノやサービスに対する総支出額を、最大可能な総生産量を現在価格で購入した場合の水準に維持する責任がある。
2)政府は、国民が貨幣の保有量を減らし、国債の保有量を増やすのが望ましい場合のみ、借入れを行うべき。
これだけでは、「機能的」という意味は抽象的に聞こえるので、ラーナーの定義の記述からもう少し引用しよう。

 中核となる発想は、支出や課税、借入れや償還、貨幣の新規発行や回収といった政府の財政政策は、こうした行動が経済にもたらす「結果」という観点のみに基づいて実行されるべきであって、何が健全で何が不健全かという確立された伝統的な教義に従うべきではない「効果」だけで判断するという原則は、人間の他の多くの活動領域でも適用されてきたものであって、スコラ哲学に対抗するものとしての科学的方法として知られている。経済の中でどのように作用し、機能しているかによって、財政的な手段の是非を判断するこの原則を、「機能的財政」と呼ぶ。
 こうした考え方から、ラーナーは、いわゆる「健全財政」=「政府は収支予算を均衡させ、税金など収入の範囲内で支出すべきである」という「均衡財政主義」を否定している。

確かに政府財政政策は「結果」観点から実行され、「効果」で判断されるべきという考え方は分かる。
しかし、それが果たして可能かどうか、はなはだ疑わしい。
公正な判断基準を設定することもだが、支出による結果や効果をあらかじめ正しく設定することもムリではないか。
「機能的財政」の意味・定義が、そうした厳格なものとするなら、「機能的」という用語自体が的確ではないのではないか。
だからといってその反対の「財政均衡主義」が適切であるというわけでも当然ない。
収支予算の均衡は、言うのは簡単だが、災害や緊急事態の発生により、赤字財政を余儀なくされることはある意味常態化され、共通認識化もされているといってよいだろう。
いたずらに、財政均衡を守ろうとすることから、低成長経済、デフレ経済の長期化を招いたことが批判されてきたことは知るところである。
その批判派が論拠としているのがMMTであるわけだが、「機能的財政」論をもって均衡財政主義を論駁できるまでに至ってはいないといえるだろう。
理論といっても、感覚的・情緒的であり、希望的でもあり、仮説的でもあると経済学の素人としての受け止め方を私はしている。


機能的財政論と表券主義および為替相場制

こうした「機能的財政」論なので、この後の「表券主義」と「為替相場制」と関連付けての論述の意義・意味もとりわけのものを読み取ることが残念ながらできなかった。
表券主義(Chartalism)とは、ある固有の国家がその国土内で財やサービスとの交換を可能とするために発行し、法律によって税の支払いなどを唯一認める貨幣の内在価値を表すという貨幣理論のこと(Wikipedia)。
これも既に紹介した、立ち位置・見る位置の違いによる「内生的貨幣」「外生的貨幣」論とほぼ同次元での再確認作業を行ったレベルと捉えている。
「為替相場制」についても、MMTが、「固定相場制」をとる国家の財政システムには適用できないとしており、確認を行っただけと受け止めており、ここでとりわけ取り上げる必要もないとした。

<第4章 MMTの租税政策論><第5章 機能的財政論>から考える、ベーシックインカム及びベーシック・ペンションの財源としての税とMMTの目的との関係

今回の2つの章に限らず、筆者が用いているMMTの考え方においては、近年注目されている、 L・ランダル・レイ氏著『MMT現代貨幣理論入門 』(2019/9/12刊・東洋経済新報社)や、ステファニー・ケルトン氏著『財政赤字の神話: MMTと国民のための経済の誕生 』(2020/10/15刊・早川書房)を除けば、1950年前後の経済学者の論述が多くを占めている。
当然、この2冊においてもそれらが参考にされているわけで、長い年数を経過している割には、MMTが社会的・一般的認知を広く獲得するまでに至っていないことは明らかだ。
ここ数年のブーム?があっても、異端は異端のままの評価から脱することができていないわけだ。
やはりMMTの内容そのもの、彼ら自身のMMT評価に甘さがあることが原因だと思うしかないのではなかろうか。

税を財源のためのものと考えるか否か。
ベーシックインカムの財源論において、絶対的に重要な課題となるが、実はこれは、ベーシックインカムに限ったことではなく、政府財政のすべての対象に共通の課題である。
個人的には、MMTに頼らずとも、(統合)政府が税に頼らずに、財政支出が可能という考え方を採りたいと考える者だが、MMTの「機能的財政」論のご都合主義?には与したくない。
というわけで、なんとなくモヤモヤ感を持ち続けており、それが、本稿の遅延・遅滞にもつながってしまった。
本書そのものの評価にも繋がるのだが、ゆえに、『MMT現代貨幣理論入門 』『財政赤字の神話: MMTと国民のための経済の誕生 』この2冊もできれば早く読むべきかなと思い始めている。

次回は、【第2部 MMTの政策論】の残り「第6章 就業保証プログラム」を取り上げ、その後、【第3部 MMTから見た日本経済】に入る。
インフレ論についてこれまでは踏み込んでいないと不満を述べたが、この第3部「第9章 民主主義はインフレを制御できるか」がある。
気合を入れ直して臨んでいきたい。

MMT<現代貨幣論>とは何か 日本を救う反緊縮理論』構成

序章 MMTはなぜ注目されているのか
・MMTブームに火をつけた女性政治家
・有力者による批判の的となったMMT
・日本にも波及したMMT論争
・MMTサイドからの報道や議論
・本書の目的と構成
第1部 MMTの貨幣論
第1章 貨幣の本質

・貨幣の定義
・貨幣に関する3つの機能と「計算貨幣」
主流派経済学は「商品貨幣論」
・商品貨幣論の問題点(1)論理構造の欠陥
・商品貨幣論の問題点(2)物々交換経済の不在
・商品貨幣論の問題点(3)「貴金属硬貨=効率的な交換媒体」論の非現実性
・MMTは「信用貨幣論」
・「割り符=貴金属硬貨の代用品」はありえない
・貴金属硬貨も債務証書の一種だった
・「貨幣国定学説」と表券主義
・租税が貨幣を動かす
・国定貨幣=国家を債務者とする特殊な信用貨幣
第2章 預金のメカニズム
・預金も信用貨幣の一種
・通貨供給が貸出と預金を生み出す ー 主流派経済学は「外生的貨幣供給論
・中央銀行はマネーストックを制御できる ー 主流派経済学の「貨幣乗数理論」
・銀行貸出が預金と通貨を生み出す ー MMTは「内生的貨幣供給論
・実務関係者が支持するのは内生的貨幣供給論
・負債のピラミッド構造
・ビットコインは貨幣か?
・ビットコインは貨幣ではない ー MMTの結論
第3章 主権国家における政府の機能
・主権通貨とは何か
・自国通貨建てであれば政府の支出能力には制限がない
支出能力に制限はないが、インフレが政府支出の制約となる
税金は財源ではなく、国債は資金調達手段ではない
・主権通貨国の財政オペレーション(1)統合政府のケース
・主権通貨国の財政オペレーション(2)中央銀行が国債を引き受けるケース 
・主権通貨国の財政オペレーション(3)民間銀行が国債を引き受けるケース
・現実に行われている「間接的な財政ファイナンス」
・中央銀行の独立性は「手段の独立性」
・政府の赤字支出は金利を引き下げる
財政赤字が非政府部門の貯蓄を創造する
・海外部門の国債保有は問題ではない
政府財政は赤字が正常
第2部 MMTの政策論
第4章 MMTの租税政策論

・「MMT=無税国家論」ではない
・租税の目的とは何か
悪い税(1)社会保障税
悪い税(2)消費税
悪い税(3)法人税
第5章 機能的財政論
「完全雇用と物価安定」という公共目的
・機能的財政と二つのルール
・機能的財政と表券主義
・機能的財政と為替相場制度
第6章 就業保証プログラム
・裁量的財政政策に否定的なMMT
・就業保証プログラムとは何か
・就業保証プログラムの3つの意義
就業保証プログラムの問題点
・就業保証プログラムの実例? ー 理論と現実とのギャップ
・ベーシック・インカムや最低賃金制度との違い
第3部 MMTから見た日本経済
第7章 日本は財政危機なのか

・クルーグマンの機能的財政論批判
・日本は非常に良い事例 ー ケルトンの反論
・財政赤字は金利やインフレ率の上昇とは無関係
・日本は財政危機ではない ー MMTと財務省のコンセンサス?
・自国通貨建て債務でも国家は破綻する? ー サマーズの批判
デフォルトや通貨危機の真の原因は固定相場制 ー MMTの結論
第8章 日本経済には何が必要なのか
・企業の過少投資が主導する日本の長期デフレ
・生産能力と人々の生活を破綻するデフレ・スパイラル
・金融政策よりも財政政策 ー ケルトンの提言
・金融政策こそ主要な政策手段 ー クルーグマンの異論
・金融政策の効果は乏しい ー ケルトンの反論
・緊縮財政こそが長期デフレの原因
・量的緩和政策は何が問題なのか
・デフレ不況を深刻化させる消費増税
・「マクロ経済スライド」は緊縮財政の産物
・機能的財政が「老後2000万円問題」を解決する
第9章 民主主義はインフレを制御できるのか
・財政の民主的統制は難しい?
・ケインズ型政策がスタグフレーションをもたらした?
・マクロな視点が欠落した『赤字の民主主義』
・民主的統制能力を示す現代の日本
・スタグフレーションには複合的対策を ー MMTのスタンス
民主主義はインフレを制御できる ー MMTのハイパーインフレ論
・民主主義の不在が招いた日本の悲劇
おわりに ー MMTをどう生かすべきか
・主流派経済学はなぜ間違えるのか
・現実とも整合的なMMT
・MMTの課題と展望
・MMTの「実践」が求められる日本
・「公益民主主義」の形成に向けて

参考:「2022年ベーシック・ペンション案」シリーズ

<第1回>:ベーシック・ペンション法(生活基礎年金法)2022年版法案:2022年ベーシック・ペンション案-1(2022/2/16)
<第2回>:少子化・高齢化社会対策優先でベーシック・ペンション実現へ:2022年ベーシック・ペンション案-2(2022/2/17)
<第3回>:マイナポイントでベーシック・ペンション暫定支給時の管理運用方法と発行額:2022年ベーシック・ペンション案-3(2022/2/18)
<第4回>:困窮者生活保護制度から全国民生活保障制度ベーシック・ペンションへ:2022年ベーシック・ペンション案-4(2022/2/19)

(参考)【『ベーシックインカム×MMT(現代貨幣理論)でお金を配ろう』から考えるベーシック・ペンション】シリーズ

<第1回>:スコット・サンテンス氏の想いを知る:『ベーシックインカム×MMTでお金を配ろう』から考えるベーシック・ペンション-1(2023/5/28)
<第2回>:MMT視点での財政支出・BI支出によるインフレと課税論:『ベーシックインカム×MMTでお金を配ろう』から考えるベーシック・ペンション-2(2023/6/12)
<第3回>:MMTのJG雇用保証プログラムよりもBIを、という卓見:『ベーシックインカム×MMTでお金を配ろう』から考えるベーシック・ペンション-3(2023/6/13)
<第4回>:MMTに欠けるBI導入要件の矛盾と正論:『ベーシックインカム×MMTでお金を配ろう』から考えるベーシック・ペンション-4(2023/6/18)
<第5回>:MMTなくしてBI実現は不可能なのか:『ベーシックインカム×MMTでお金を配ろう』から考えるベーシック・ペンション-5(最終回)(2023/6/29)

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