1. HOME
  2. 2022・23年考察
  3. 2023年blog&考察
  4. 2022年の「ベーシック・ペンション導入が望まれる社会」シリーズを再開
2023年blog&考察

2022年の「ベーシック・ペンション導入が望まれる社会」シリーズを再開

1年前というのは大げさですが、昨年2022年5月に、「こういう時、日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金があれば良いのに」と思わせられる新聞記事をよくみかけたことをきっかけにして、それらを題材として「べーシック・ペンション導入が望まれる社会」シリーズとして、以下の4つの記事を投稿しました。

2022年2月生活保護受給164万世帯、現役世代も増加:ベーシック・ペンション導入が望まれる社会-1(2022/5/16)
生活保護世帯の子どもの進学率に地域格差:ベーシック・ペンション導入が望まれる社会-2(2022/5/17)
コロナ禍、目立つ低所得層の子どもの医療機関受診減少:ベーシック・ペンション導入が望まれる社会-3(2022/5/18)
コロナ禍の「生活福祉資金の特例貸付」利用者が返済不能に:ベーシック・ペンション導入が望まれる社会-4(2022/5/19)

実のところ、そんな気持ちを持つことがほぼ日常化しているといっても決して大げさではないような。

今、2023年版のベーシック・ペンション提案をどうまとめようか、あるいはそれとは別に、なんとかベーシック・ペンション論を電子書籍化できないか等、思案投げ首の状況です。
そのため、過去の提案や記事の見直しや新たなアイディア・提案のための頭の体操やメモ書きなど、少しペースが落ちてでも、しゃかりきにならずにやっていこうか・・・。
そんな感じです。
でも、冒頭のような感じ・感覚を持った時に、ササッとブログを書けたらいいな、と思ったりもするのですが、いざ入力しようと思うと、結局時間を相当かけざるを得なくなる・・・。
なかなか塩梅が難しい。

ところで、今年に入ってから読んだ新書に、シリーズ化して取り上げるまでもないが、そんな感覚を抱いた内容がそこそこありました。
今回は、それを題材にできれば、さらっと「ベーシック・ペンション導入が望まれる社会」シリーズの続編を、折に触れて、気楽にやってみようか。
ということでの再開です。
とここまで入力したところで、過去の関連記事をチェックし始めたところ、やはり、オオゴトになる気配が・・・。

河合雅司氏著『未来の年表 業界大変化』から

まず、手始めに取り上げるべく選んだのが、今年に入って間もなく投稿した記事
1月課題新書。すべてがベーシック・ペンションに繋がるこの3冊:『年収443万円』『世界インフレと戦争』『未来の年表 業界大変化』(2023/1/4)
の中で紹介した
河合雅司氏著『未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本で起きること』(2022/12/20刊・講談社現代新書)
同書の内容の一部を取り上げてみることに。

2023年1月「世代共通に広がるベーシック・ペンション早期導入ニーズ」シリーズ

そこで、実は、その1月課題新書のもう1冊にある
小林美希氏著『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』(2022/11/20刊・講談社現代新書)
をヒント・きっかけにして、「世代共通に広がるベーシック・ペンション早期導入ニーズ」と題した以下の記事を2つ、既に1月中旬に投稿していることを思い出したしだい。

平均年収443万円に含まれた多様な格差要因:全世代共通に広がるベーシック・ペンション早期導入ニーズ-1(2023/1/12)
突出する日本の生涯無子率が示す結婚困難要因:全世代共通に広がるベーシック・ペンション早期導入ニーズ-2(2023/1/14)

まあ、今シリーズと、冒頭の昨年の「べーシック・ペンション導入が望まれる社会」シリーズとは、いわば同様の視点・アプローチなので、同じ性質のもの。
では、合体すればよいわけだが、どちらのタイトルを残し、他方をやめるか。
どうでもいい話だが、早期導入ニーズは当然なのだが、残念ながらベーシック・ペンション、もしくはベーシックインカム導入は、気ばかり疾っても、実現は当分見込めないので、やはり、昨年バージョンシリーズで継続するのが良いかと・・・。
ムダな時間を使ってしまった。


なお、(これも余分なことだが)、3冊の中の1冊
中野剛志氏著『世界インフレと戦争 恒久戦時経済への道』(2022/12/15刊・幻冬舎新書)
は、当サイトで取り上げ、【『世界インフレと戦争』から考える2050年安保とベーシック・ペンション】シリーズとして、今月6日に全11回シリーズを終えています。
【『世界インフレと戦争』から考える2050年安保とベーシック・ペンション】シリーズー11、最終回終了!(2023/2/6)

野口悠紀雄氏著2040年の日本から

再開シリーズのもう一つのテーマとしては、同様、◆ 2月課題新書。食料安保と関係する2冊と日本の未来書:『日本が飢える!』『誰が日本の農業を殺すのか』『2040年の日本』(2023/2/6)
で紹介した、
野口悠紀雄氏著2040年の日本(2023/1/20刊:幻冬舎新書 )
の内容から抽出する予定です。


なお、同様2月の課題新書として以下の2冊は、https://2050society.com の中の<安全安心安定・保持保有確保>の「安保」政策シリーズの中での「食料安保」問題として、3月からシリーズ化して取り上げる予定です。
山下一仁氏著『日本が飢える! 世界食糧危機の真実』(2022/7/25刊:幻冬舎新書 )
窪田新之助氏・山口亮子氏著 『誰が農業を殺すのか』(2022/12/20刊:新潮新書 )

岸田内閣の目玉「異次元の少子化対策」から

今回は、紹介と予定のみの発表になってしまいました。
もう一つ、岸田内閣による「異次元の少子化対策」の中で課題とされてる「児童手当」の所得制限撤廃問題があります。
その議論の中で、以前はあまり論点になることがなかったのですが、最近富みに主張されるようになった出産以降の教育等の経済的不安以前の問題にとどまらず、雇用形態・雇用不安、低所得・所得不安等結婚以前の問題があります。
ここに視点を当てて、考えてみたいとも思っています。

2022年提案「ベーシック・ペンション法:前文」との関係

最後に、またまた余分なことになるかもしれませんが。
こうして「ベーシック・ペンション導入が望まれる社会」の一面、断面を取り上げていくことは、
ベーシック・ペンション法(生活基礎年金法)2022年版法案:2022年ベーシック・ペンション案-1(2022/2/16)
の中で紹介している、【「日本国民の基本的人権に基づき支給する生活基礎年金に関する法律」((略称)「生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)」2022年草案前文】の以下の内容の具体的に適用可能な事例として確認していく作業に当たるものです。
併せてご覧頂ければと思います。

「生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)」2022年草案前文

本法制定の背景

憲法に規定する基本的人権及び生存権等の実現
 日本国憲法の最高法規である第97条規定の「基本的人権」に準拠した「第三章 国民の権利および義務」の各条に定める「基本的人権」「個人の尊重・尊厳」「法の下の平等」「自由」「生存権」「教育を受ける権利」「職業選択の自由及び勤労の権利」「幸福追求権」等に基づき、種々の社会保障・社会福祉に関する制度・法律が制定され、運用されていますが、それらにおいて、未だに規定する条件を実現していないものがあり、その対策・充実が必要とされています。

生活保護の運用と実態
 憲法第25条に定める「最低限度の生活を営む権利」を保障する社会福祉制度の一つに、生活保護制度とその法律である「生活保護法」があります。
 しかし、この生活保護法の運用について、受給要件を満たす人の多くが、受給申請手続きを行わず、実質的に生活保護受給世帯よりも困窮した生活を送っていることが問題になっています。
 この低い捕捉率の理由として、受給要件の審査段階における手続きの複雑さ、審査基準や担当官の公平性を欠く裁量制・恣意性や態度など、それに起因する申請を躊躇わせる心情等が挙げられており、法の下の平等を欠く運用が行われている現状があります。
 また、その審査・給付などには、多くの行政上の費用が支出されています。
 その行政改革も含めて、公平性・公正性を保障する最低限度の生活を営むための社会保障制度を改廃あるいは改革することも視野に入れる必要性があります。

少子化社会の要因としての結婚・出産・育児等における経済的不安
 2019年の合計特殊出生率が1.36を記録し、年間の出生数は87万人割れ、人口減少数も50万人超と、11年連続で減少を続けています。
 特に、非婚化・未婚化及び晩婚化による出産数の減少、持ちたい子どもの数と実際に持つ子どもの数との差など、少子化に繋がる直接・間接的な要因の背景には、結婚・出産・育児・教育などの一連の営みに必要な収入・所得などの経済的な不安とこれと繋がる心理的な不安があることが指摘・認識されています。
 そこでは、エッセンシャルワーカーや非正規雇用者数の増加による所得の減少や不安定化など労働問題も指摘されています。
 そして、2019年に端を発する新型コロナウィルス感染症のグローバル社会全体におけるパンデミックが、わが国にも例外なく大きな影響を与え、経済的な不安や健康上の不安の増大から、婚姻数、妊娠件数、出産数の減少を招いており、長期化している少子化に一層深刻度が増すと予想されます。
 この少子化と人口減少が加速する日本社会において、早期に有効な手立てを打つことが不可欠な状況にあることは言うまでもないところでしょう。

子どもの貧困と幸福度を巡る評価と課題
 少子化対策とも重なり合う課題として、子どもの生活における貧困や格差、そこに起因する低い幸福度などの問題があります。
 親の収入や雇用における不安定や不安、貧困・格差は、自ずと子どもの保育・教育、生活そして人生にも影響を与えます。
 その結果、子どもが将来への希望や夢を持つことや、保育や教育を通常通り受ける機会を失うことに繋がり、成長時と成長後の生き方・働き方にも負の影響を及ぼすことになります。
 わが国の子どもにかける費用のGDP比率や、子どもが感じる幸福度、将来への希望や夢を持つ子どもの比率などにおいて、対外比でいずれも低い評価にある現状を無視するわけにはいきません。
 保育の無償化が実現しましたが、基本的には、親の経済及び心身面での安心と子どもの将来に希望を持つことができる諸施策の拡充がわが国に課せられた重要な課題と考えます。
 既存の児童手当がその不安を解消するには程遠い状況も考慮し、子どものための社会保障制度の拡充が求められています。
 その施策が、少子化社会への歯止めに繋がると共に、子どもの養育に対する親の安心感と子ども自身の成長への大きな力となり、社会経済のに好循環をもたらすことは間違いないでしょう。

母子世帯・父子世帯の困窮支援の必要性
 先述した、生活保護受給要件を満たすけれど申請せず、困窮した生活を送っている人々の典型的な例が、母子世帯・父子世帯と言われています。
 その世帯の多くは、育児の負担や家族資源の乏しさから、労働時間に制約を受け、やむなく非正規職として働かざるをえない状況にあります。
 当然育児・教育と仕事の両立が困難で、現状と将来への不安を解消する目処・当てがないまま困窮する生活を送っている例が非常に多く報告されています。
 子どもの数や成長段階に応じた多様かつ柔軟な社会福祉的支援とともに、経済的な不安を取り除く施策が強く求められています。

非正規労働者の増加と雇用及び経済的不安の拡大及び格差拡大
 経済成長の停滞が長く続くなか、企業は、経営リスクの抑制・回避のため、非正規雇用者の比率を高め続けてきています。
 雇用の安定が、経済成長の維持・実現に寄与することから、政府も非正規雇用者の正規雇用への転換を進める施策等に取り組んできていますが、企業の取り組みは大きくは改善されていません。
 そのため、非正規雇用で働く人の多くは、低賃金や長時間勤務など、自身が望む働き方とは異なる厳しい労働条件・環境で働くことを余儀なくされており、現在と将来に対する生活への不安を増幅させています。
 単身者の非正規労働者はもちろん、夫婦共働き世帯において、一方または双方が非正規雇用に甘んじている場合も同様です。
 こうした社会経済構造は、基本な生活レベルの維持はもとより、結婚への諦め・晩婚化、単身世帯の増加、未婚率の高まり・婚姻率の低下、子どもを持つことの断念・少子化、育児あるいは介護と仕事の両立などの困難化など、さまざまな負の影響をもたらしています。
 加えて、新型コロナウィルスのパンデミックの長期化で、もっとも影響を受けたのが、非正規労働者や零細自営業者です。
 こうした人々と正規雇用者や大企業労働者、そして富裕層との格差拡大は、社会を分断するリスクを内包・拡大するものであり、その改善・解決のための抜本的な対策が喫緊の課題となっています。

保育職・介護職等社会保障分野の労働条件等を要因とする慢性的人材不足
 潜在的保育士や潜在的介護士が数多くいるにもかかわらず、慢性的に人材不足となっている、保育や介護の現場があります。
 障害者福祉の現場も含め、どの職業も、厳しい労働条件・労働環境での職務を余儀なくされ、離職率も高く、慢性的な人材不足の状況が続いています。
 新型コロナウィルス禍で、一層その状況は厳しさを増し、心身とも疲弊している現状があります。
 他産業・他職種との賃金格差もなかなか縮まらず、国が補助金を支出しても大きな改善は見られません。
 こうしたいわゆるエッセンシャル・ワークと言われる社会保障分野の職務・職業は、本質的に高い労働生産性を求めることは難しく、民間サービス事業化が進められたことも、労働条件を抑制する方向に向かわせています。
 これらの半ば公的な仕事に就く人たちですが、民間事業者においての賃金は公務員レベルに満たず、また厳しい職場ゆえに常用勤務希望者は少なく、非正規化も進んでおり、それがまた所得の低下、生活上の経済的不安化を推し進める要因ともなっています。
 小さな政府という方針とは本来相いれない社会保障・社会福祉領域の公的サービス事業の職種・職業に、希望する人が安心して就職・就労できる施策が求められています。

共働き夫婦世帯の増加と仕事と育児・介護等両立のための生活基盤への不安
 夫婦共働きが普通になっている社会ですが、働き方や生活様式は形成する家族形態を含めて多種多様で、それぞれに対応できる子育てや介護の社会化が十分に実現してはいません。
 就労する企業の支援制度に依存する場合も多く、やむなく、出産時の離職、子育てのための離職、介護離職などを余儀なくされる例もまだまだ多い状況です。
 それが新たな生活上の経済的な不安・不安定をもたらしてもいます。
 企業の支援も、企業規模や業種により格差があり、十分な支援を受けることができる人は限られています。
 また、仕事とそれらの両立等を可能にする社会保障制度の確立は、雇用される人とその世帯にとってだけでなく、自営業や零細事業を営む人・世帯においても求められるものです。
 雇用保険、健康保険、介護保険、労災保険、児童手当など種々の社会保障制度と合わせて、多面的で有効な施策を導入する必要があります。

前置きばかりになりました。
次回は、シリーズ再開1回目・通算5回目、河合雅司氏著『未来の年表 業界大変化』の内容の一部を参考にして考えてみることにします。

20年、30年後の社会を生きるすべての世代へ

  1. この記事へのコメントはありません。