全国民が持つ、近未来のマイナンバーカード:ベーシック・インカムカードとして(2020/6/5)
本稿は、WEBサイト https://2050society.com 2020年6月5日投稿記事 2050society.com/?p=2301 を転載したものです。
先日、コロナ禍での特別定額給付金のネット申請におけるマイナンバーカード利用においての不便さ・不評について触れ、そのカードの普及目的としてのマイナポイントキャンペーンについて、以下で紹介した。
◆ マイナンバーカードでマイナポイント:不評のマイナンバーカード、10万円給付金申請、次の出番
まさに、普及が進まないマイナンバーカード保有者及び利用者拡大のためのバラマキキャンペーンだが、そこまでやらなきゃいけないマイナンバーカード。
そんなに魅力がないのか。
正直、私は、法人所得税の電子申告に必要だから、一応の利便性を感じて入るが、それ以外では、今回の10万円給付申請に役立ったことくらい。
そして、事のついでに、マイナポイントの還元キャンペーンがあったので、カードを利用してみたわけだ。
まあ、よく知らないということもあるかと思い、一応利便性について調べてみた。
デジタル社会のパスポートに程遠い現状のマイナンバーカード
まず、先のマイナポイントに関するサイト、https://mynumbercard.point.soumu.go.jp/ の<マイナンバーカード取得方法>のページには、こうある。
” 暮らしをベンリに、行政をスマートに。デジタル社会のパスポート、マイナンバーカード ”
とはいえ、実際に何が、どのように便利になるのかが分かりにくい。
そこで今度は、マイナンバーカード総合サイト https://www.kojinbango-card.go.jp/ から調べると、次の<利用できることリスト>があった。
マイナンバーカード6つのメリット
1.券面提示で、マイナンバー提示必要時に、その証明書類用として利用可能
2.電子証明書の利用で、マイナポータルへのログイン等による各種行政手続のオンライン申請が可能
3.券面または電子証明書の利用で、金融機関における口座開設・パスポートの新規発給など本人確認用身分証明書として
4.電子証明書の利用で、オンラインバンキング他、各種民間オンライン取引等に利用できるようになる(見込み)
5.市区町村や国等が提供する様々なサービス毎に必要だった複数のカードがマイナンバーカードと一体化
6.電子証明書または アプリの利用で、印鑑登録証明書などの公的な証明書をコンビニなどで取得可能
こうあったが、このカードがないと手続きできないというものでもないし、例えば、印鑑証明書や住民票は、比較的空いている市役所の支所へ行けば、ほとんど待たずに入手できる。
(本当を言うと、コンビニでそれらを入手できることは知らなかったのだが。)
また、利用時の使い方が、カードを提示する、ICカードリーダーで読み取らせ、暗証番号を入力して電子証明書として利用する、場合によってはアプリをインストールする必要がある、など、分かりにくくかつ面倒だ。
だから、ポイント還元で釣って保有者を増やそうという魂胆だ。
でも、新しく作っても、結局ポイントをもらって、それ以後はカードはしまったまま、暗証番号も忘れてしまう、ということになってしまいそう。
そんな気がする。
2021年からは健康保険証として利用できるようになるとのことだが、どうだろう。
協会けんぽの健康保険証の替わりには到底ムリで、せいぜいで、当面、国民健康保険用に留まるのでは、というのが私の予測だ。
全世代型社会保障保険システム改革とマイナンバーカード
それよりも、絶対全員が持ち、全員が日常で利用する、ありがたく嬉しいマイナンバーカードにできる、また、そうする方法がある。
但し、とやっぱり但し書き、条件が伴うが・・・。
それは、正真正銘の全世代型社会保障制度改革として、全国民が、毎月定額、ベーシック・インカムとして生活基礎年金を受け取ることができるようになれば、ということだ。
なので、初めにベーシック・インカムとは一体なにかを理解し、そして、このベーシック・インカム制の導入を実現する必要がある。
そのためには、これからまだまだかなりの年数、時間がかかる。
私が、現状考える、わが国に導入することが望ましいと考えるその制度は、まだまとまっていない。
少しずつ検討を加え、繰り返し、整理している状況で、今まで以下の記事を当サイトに投稿してきている。
◆ 憲法で規定された生存権と「社会保障」:全世代を対象とする社会保障システム改革-1
◆ ○○手当は○○年金!?:全世代が年金受給機会を持つ社会保障システム改革-2
◆ 所得者全員が年金保険料を!:国民年金の厚生年金統合による社会保障システム改革-3
◆ ベーシック・インカム制の導入を!
◆ ベーシック・インカム生活基礎年金の年間総額、216兆円
◆ ベーシック・インカム生活基礎年金はポイント制で
◆ ベーシック・インカム「生活基礎年金制度」続考
◆ 社会保障保険制度試論
◆ ヘリコプターマネーではなく、ファンダメンタルマネー:全国民受給のベーシック・インカム制へ
◆ 母子家庭の貧困、子育て世帯の不安、結婚し子どもを持ちたい人たち、すべてに機能するベーシック・インカム制の議論・検討を
そんな事情で、回を重ねるごとに提案内容が変化したり、新しい提案を行ったり。
そして、現在は、自分流だけの提案にとどまらないよう、専門家の知見も知っておくべきと、まず3冊の新書を入手し、1冊ずつ斜め読みして、考えるところを整理しつつある。
その1冊目についての記事が、以下である。
◆ ベーシック・インカムとは-1:歴史から学ぶベーシック・インカム
その直後、新たなアイディアとして思いつき、以下をメモした。
詳しくは、今後の投稿を継続する中で、説明や修正を行っていきたいと思っている。
ベーシック・インカムと新しいマイナンバーカード機能
◆ 現状のものとは異なるマイナンバー(個人番号)カードを新たに作り、社会保障保険カード機能を組み入れる。
◆ 社会保障保険カード機能に、ベーシック・インカム=生活基礎年金・児童基礎年金制度、及び健康保険・雇用保険・厚生年金保険・労災保険などの機能も包含する。
◆ ベーシック・インカムは、現金及び電子マネーまたは暗号通貨(例:JLPコイン・Japan Life Pension Coin)で支給する。
◆ 日銀に全国民のベーシック・インカム(生活基礎年金)口座を開設し、現金の引き出しは、市中金融機関からも可能とする。
◆ 電子マネーまたは暗号通貨の利用は、指定の医療機関等で決済時に可能とする。
◆ 上記口座管理のため、及び各種社会保障保険や自治体など申請手続きのために、電子認証機能付き電子端末を、一人1台(または世帯1台)支給する。
2040年頃までの実現をめざしたい、日本における全世代型社会保障(保険)システム改革に基づく、「ベーシック・インカム制」による全国民に対する「生活基礎年金」給付制度。
その社会保障(保険)システム全体と関連させ、中でも軸となる毎月定額給付され登録口座に振り込まれる生活基礎年金の管理用カードが、マイナンバーカードになるわけだ。
このシステムにより、全国民がマイナンバー(個人番号)カードを洩れなく持つことになる。
赤ん坊が産まれ、出生届提出時に、本人名義の振込口座を親が本人に代わって開設して同時に届け出。
その申請に基づき、自治体が国に代わって、マイナンバーカードを発行する。
そして、ベーシック・インカム(生活基礎年金)の受給と入出金管理を含め、種々の社会保障サービスを受けるたびに、このカードを必ず用いて、利用・確認・管理などを行うわけだ。
また、利便性を考え、各種オンライン申請や口座管理などのために、個人に1台、電子署名認証機能を持たせた専用の電子端末を貸与することも含んでいる。
全世代全社会保障システム活用対応多目的パーソナル・マイナンバーカード。
これが、従来とはまったく異なる、近未来のマイナンバーカード、パーソナルIDカードのイメージである。
そのためには、現在の社会システムを改革する合意形成が前提となる。
その推進の中心となるのが、社会保障保険システム改革であり、ベーシック・インカム=生活基礎年金制度の実現である。
日本国民だけが、平等に享受できるベーシック・インカム制の構想作り、内容構築作業に、今後も誠実に取り組んでいきます。
ご意見・ご参加もお待ちしています。
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当ベーシックインカム、ベーシック・ペンション専用サイト http://basicpension.jp は2021年1月1日に開設しました。
しかし、2020年から、冒頭のWEBサイトで、ベーシックインカムに関する考察と記事投稿を開始。
同年中のベーシックインカム及び同年12月から用い始めたベーシック・ペンションに関するすべての記事を、当サイトに、実際の投稿日扱いで、2023年3月から転載作業を開始。
数日間かけて、不要部分の削除を含め一部修正を加えて、転載と公開を行うこととしました。
なお、現記事中には相当数の画像を挿入していますが、当転載記事では、必要な資料画像のみそのまま活用し、他は削除しています。
原記事は、冒頭のリンクから確認頂けます。
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