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2020・21年考察

1年前の今日初めて提案主張した「ベーシック・インカム制の導入を!」

ちょうど1年前の今日、2020年4月19日に、当サイト開設の起点となったWEBサイト https://2050society.com で
「ベーシック・インカム制の導入を!」と題した記事を投稿。
ベーシック・インカムの主旨に賛同し、その導入を提案・主張した初めての記事に当たります。
その記事を、今日、背景色を入れてそのまま転載します。
但し、行替えは原文のままとしていますが、行間はすべて詰めてコンパクトにしています。
(原記事リンク)
⇒ ベーシック・インカム制の導入を!
また、その時の提案内容などをその後修正・訂正した場合、その内容を記した、今年開設の当サイト内から紹介し、簡単な説明を加えるようにしています。

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「COVID-19」後、2050年社会システム改革に臨む-2

新型コロナウイルス感染症禍による緊急事態宣言。
休業要請などで、賃金・事業収益を絶たれることによる影響が懸念されている。
実際、解雇や雇止め、アルバイト従業員の仕事の喪失など、すでに現実化し、政府や自治体の思い切った対策が待たれている。
しかし、その対策に関して、政府・自治体が懸念するのはその財源だ。
一過性に終わると決まっているものならば、急遽決まった一人10万円の給付、という手立てで、一時しのぎながら不安の少しは抑えられるかもしれない。
だが、この事態が、想定外の感染拡大(想定されたことで実はあるのだが)が、想定外の(そしてこちらも当然想定内のことになるのだが)社会経済の停滞が長期に及ぶことになれば・・・。
一時金の10万円では済まない。
では、こうした事態に備えるために考えうる対策はあるか。
不測の事態が発生しても、なんとかすべての国民が、生きていける、食べていけることを可能にする仕組み、システム。
先に、そのための一部の課題として
◆ 食料・水・空気・エネルギーの自給自足国家創造へ
を提起した。
サブタイトルが【コロナウイルス禍で考える社会システム改革-1】である。
すなわち、前回から始め、今回がその2回目である、【COVID-19」後、2050年社会システム改革に臨む】に先行してのもので、繋がっており、統一すべきものだ。

ここでは、その後の日本の文化としてのベーシック・ペンションに!という主張につながる、社会システム改革としてベーシック・ペンションを位置づけていることが確認できます。


社会保障保険制度への統合による【社会保障システム改革】

また、それよりも先行して【2030年の社会システム改革シリーズ2】
◆ 憲法で規定された生存権と「社会保障」:全世代を対象とする社会保障システム改革-1
◆ ○○手当は○○年金!?:全世代が年金受給機会を持つ社会保障システム改革-2
と提案している。
ここで取り上げた<社会保障システム改革>を総合的・統合的に具体化する方策・概念として、「社会保障保険制度」を用いるべきと、ここ数日考えていた。
その概要・内容は、次回にと考えているが、それをもう一歩、進化・進化させるのが「ベーシック・インカム」制の導入である。

未だに、と言うか、コロナ下ゆえに一層強調される、デフレ対策や停滞する経済対策としてのベーシックインカムではなく、あくまでも起点・原点が、社会保障制度改革にあることをこの時から示し、強調しています。
そしてそれは、後述する、憲法の基本的人権、最低生活保障規定に基づくものであることに繋がっています。


ベーシック・インカムとは

ベーシック・インカムとは、
「政府がすべての国民に、最低限の生活を送るために必要とされる額の現金を定期的に支給する制度」
のことだ。
真っ先にイメージするのは「生活保護制度」による給付だろう。
「生活保護」を受ける、受けている、と表現される制度だ。
表現を変えると、国民全員が、生活保護を国から受ける制度だ。
毎月全国民が、定額のベーシックインカムをもらう。
但し、生活保護と決定的に違うのは、生活保護は、国の社会福祉事業に拠るものだが、このベーシック・インカムは、憲法第25条にある、「社会保障」に拠ること。

ここでは、日本におけるベーシックインカムの原点として、憲法25条を掲げています。
その論拠をより詳述したのが、以下の記事です。
(参考記事リンク)
⇒ 憲法第三章基本的人権と自由・平等に基づき支給されるベーシック・ペンション(2021/2/21)

そして、いわゆるユニバーサル・ベーシックインカムについての説明は、当サイト開設後、以下の記事で行っています。
(参考記事リンク)
⇒ 2002年アイルランド政府「ベーシック・インカム白書」によるBI定義・特徴(2021/1/13)


生活基礎年金をベーシック・インカムに

このベーシック・インカムを、わが国では「生活基礎年金」(仮称)と呼ぶことにしよう。
すなわち、老齢者だけでなく、産まれたばかりの赤ん坊から老人まで、すべての国民が受け取る年金なのだ。
主たる意味合いは、現在の「老齢基礎年金」を出発点とするが、全世代型年金制度では、国民全員の「生活基礎年金」として機能させる。
厚生年金方式は、当然この生活基礎年金との2階建て方式で、一部改定をして存続することになる。
最低限の生活を営むことが可能な額。
現状では、生活保護給付額が参考になり、目安になるだろう。
現状の生活保護給付のうち生計費部分の標準は、月額13万円程度と言われている。
「生活基礎年金」は、世帯構成員全員に支給されるから、生活保護費における
 ・生計扶助 ・住宅扶助 ・教育扶助 ・医療扶助 
 ・介護扶助 ・出産扶助 ・生業扶助 ・葬祭扶助 
の8つの機能のほとんどを、世帯構成員のだれかが受け取る給付で、それぞれの該当費用を賄うことが可能にする。
では、いくらにするか?

この時点で、他の国民配当や保証所得といったベーシックインカムの名称とは異にして、「生活基礎年金」という呼称を提起しています。
しかし、そこでは、まだ「ベーシック・ペンション」という表現に至っておらず、その名称を用いるようになるのは、昨年の最終月12月1日に至ってからのことです。
(参考記事リンク)
⇒ ベーシック・ペンション宣言!-1:日本独自のベーシックインカム生活基礎年金導入を(2020/12/1)


生活基礎年金は、一人月額15万円に

そこで、思案した結果、試案・私案として、生活基礎年金を一人月額15万円としよう。
早速、「ムリムリ! 財源をどうする!? 無責任もいいところ!」と声が聞こえてくる。
そう、第1段階はムリを承知でのこと。
まずは、アドバルーンを上げて、少しずつ外堀を埋めていくことにしたい。
(埋めきれるかどうか、現状、自信も確証もないが・・・。どなたかの賢明な知恵・知見を頂きたいのですが・・・。)
この生活基礎年金では、所得税と社会保障保険料を負担してもらう。
ここからは、すべて単純化して、仮の話として読んでいただきたい。
・所得税:定額1万円
・社会保障保険料:定額1万円 (生活基礎年金保険、健康保険、介護保険、就労保険各保険料総額  ※就労保険は雇用保険を制度変更したもの)
これが全員共通に適用される。
他に、
・乳幼児・未就学児保育費負担料:月額6万円
・小学生・中学生義務教育児童教育費負担料:月額6万円
これは、現在保育料・義務教育費無料となっているものを本人の生活基礎年金から控除するものだ。
従い、15歳以下中学生以下の子どもの受け取ることができるのは、7万円となる。
これが現状の「児童手当」に当たり、彼らの生活費に充てられることになる。
もちろん、親権者が代行して使用することになるが、問題がある場合は行政などが関与・管理する。
上記の保育料・教育料の金額により、この額は増減することになる。
生まれたときから、個人番号(個人ナンバー)が付与され、それに基づいて、生活基礎年金を受け取るのだ。
開設した本人名義の銀行口座に、上記の負担分を控除されて、振り込まれる。


この時提案の生活基礎年金額は、その後以下の金額に修正しています。

1.0歳以上学齢15歳まで     児童基礎年金  毎月8万円
2.学齢16歳以上学齢18歳まで  学生等基礎年金 毎月10万円
3.学齢19歳以上満80歳未満まで  生活基礎年金  毎月15万円
4.満80歳以上          高齢者基礎年金  毎月12万円

(参考記事リンク)
⇒ 日本独自のベーシック・インカム、ベーシック・ペンションとは(2021/1/17)

また、文中にある種々の年金運営上の方法・基準などについては、以下で、「ベーシック・ペンション法案」として詳述しました。
⇒ 生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)2021年第一次法案・試案(2021/3/2)


生活基礎年金の財源をどうするか

さて問題の財源をどうするか?
頭が痛い問題で、必ず、ここでベーシック・インカム構想は挫折する。
しかし、改革を起こすのだから、簡単には引けない。
ほんの一部は、生活保護受給者の分が、この生活基礎年金に切り替わるので新たな費用は発生しない。
児童手当の一部も、現状実効されているものが移行・充当される。
しかし、そんなものでは、話にならない。
そこで、新しい社会保障年金制度をどう描くか、同改革するかにかかってくる。
その取っ掛かりのほんの一部に関連する考え方として、冒頭紹介したシリーズの第3回目に、以下を提起している。
◆ 所得者全員が年金保険料を!:国民年金の厚生年金統合による社会保障システム改革-3
それも、深堀りを進めつつ、次回、この課題に向き合ってみることにしよう。
まだ、道のりはとてつもなく遠いが・・・。
だから2050年の社会システム改革なのだ。

その後まとめ上げた「ベーシック・ペンション」構想及び提案では、財源は、税と社会保障との一体改革や財政規律とは切り離して、財源フリーの考え方を採用。
ゼロサムの制約によるベーシックインカム論の呪縛で、一向に話が前進しない状況を打破する提案に行き着くことになりました。

1年経過した今。
コロナは未だ収束する兆しは見えず、むしろ第4波として、三度目の緊急事態宣言が発出されるかどうか、という状況にあります。
従い、ベーシックインカム導入を主張する人たちは、1年前と変わらず、特別定額給付金の再度の支給を要求し、それを繰り返すことでの、ベーシックインカムの既成事実化を目論んでいます。
土台それはムリ筋であることは、誰が考えても明らかでしょう。
またそれは、新規赤字国債の発行を原資とするものであり、財政規律への反対、すなわち反緊縮主張の経済的視点からのみの主張であることも変わりません。
その欠点は、コロナが終息すれば、特別定額給付金も、その繰り返しとしてのベーシックインカムも必要な根拠が消失することにあります。
唯一意義を見出せるのは、デフレ脱却というスローガンのみ。
社会保障制度、生活保護制度、年金制度、少子化、ひとり親世帯問題、等々。
議論は振り出しに戻るわけです。

だれも今、そうした社会システム改革及び経済を加えた社会経済システム改革の方法としてのベーシックインカムという視点を放棄しているかの状況です。
政治家がそうした近視眼であることは、もう知れているところですが、ベーシック員インカム論者とそのグループ自体がそうなってしまっていることに、愕然としている現状です。

当サイトは、その傾向に断固棹さし、1年前の今日を思い出しつつ、粘り強く取り組むことを確認している次第です。

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