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夢のある人、夢の実現をめざす人のためのベーシック・インカム:BI導入シアン-7(2020/7/4)

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 これまで
現状の年金生活者もベーシック・インカム受給者のようなもの
公務員の給料の一部は、ベーシック・インカム性を持つ
働く人の格差是正と安心を目的としたベーシック・インカム
不測の事態に備え、機能するベーシック・インカム
とベーシック・インカムを受け取る様々な人々を想定して考えてきた。
 今回も引き続き、人に視点を当てて、夢を描くことができる人々にとってのベーシック・インカムについて考えてみたい。

夢を持つ子どもたちへのプレゼントとしてのベーシック・インカム

 まず、最も夢を持って生きてもらいたい人たちがいる。
 それは、子どもたちだ。
 まだ大人として、社会人として進む道が定まっていない、子どもたち。
 生まれて間もない乳児から幼児、そして義務教育課程にある児童・学生たちも入る。
 残念なことに、日本の若者は、他の国々の若者たちに比べ、学力は高くても、将来に対する夢を持つ比率が低く、不安を感じている比率が高いという。
(参考)
高校教育の多様化を教育の水平的多様性実現の起点に:『教育は何を評価してきたのか』から考える-1

 また、これとは別に、グローバルレベルでは、子どもに対する社会的コストのかけ方さえも、日本が大きく劣っていることも事あるごとに取り上げられている現実がある。
 家族手当・出産育児休業給付などの家族関係社会支出の対GDP比が、日本は1%台前半で、ヨーロパ主要各国の3%台に比べ、大きく見劣りしているのだ。
 加えて、種々の要因から、同じ日本という国の中で、子どもの間の教育格差も年々拡大していることも指摘されている。
(参考)
・『教育格差 ─ 階層・地域・学歴 』(松岡亮二氏著・2019年刊)
・『人口減少と社会保障 – 孤立と縮小を乗り越える』(山崎史郎氏著・2017年刊)

 幼保育の無償化がなされ、多少はその格差の是正には有効になると思われるが、教育にかかるコスト負担力格差が、実際の教育機会・教育環境の格差にそのまま反映される実態は簡単には解消・改善されることはないと考えられている。
 その原因の中で最も大きな比重を占めるのが、世帯の収入の格差である。

 しかし、ベーシック・インカムは、世帯人数分全員に無条件で支給される。
 それにより、多子世帯の世帯収入は多くなるし、平等に子どもも受け取ることで、現在と将来の教育資金に充てることが可能になるわけだ。
 子どもが親の保護・監護下にある年齢時には親の意識と活動に左右される可能性はあるが、一定レベル・基準で国や自治体などが管理・フォローすることで、不安やリスクを抑止する方策も必要になるだろう。
 子どもへの投資、という表現をよく見る。
 しかし、基本的には、子どもへのベーシック・インカムは、まさに子どもが、産まれきて、成長して大人になるまでの生きる権利、保育と教育の機会を平等に受ける権利を、国と大人が契約して形成する社会が保障するものだ。
 彼らが、成人して、稼いでその先行する世代の生活をケアすることを義務付けるためのベーシック・インカムとは考えまい。
 ただ、そうした役立ちが、彼らの目標や生きがいの一端になるならそれも良しとしよう。
 彼らには、彼らなりの夢の実現をめざしての人生を歩んで欲しい。
 その準備のための子ども時代をしっかり生きてもらい、成長過程で、様々な夢を抱き、その実現について考え、知識やスキルを身につけることに役立てて欲しい。
 そのための基礎的な条件としての、大人と同額・同条件でのベーシック・インカムである。
 ゆえに中学生の時期に、このベーシック・インカムの自分なりの使い方を考え、親との話し合いを始め、少しずつ反映できるようにしていくことが望ましいと考えている。

クリエイティブ系で成功を夢見る大人たちを支援してくれるベーシック・インカム

 以前取り上げた『AI時代の新・ベーシックインカム論 』(井上智洋氏著・2018年刊)で筆者は、AI社会において多くの職業がAIに取って代わられ消失するが、次の3つの職業は残るという。
 ・クリエイティブ系(創造性)
 ・マネージメント系(経営・管理)
 ・ホスピタリティ系(もてなし)


 AIが雇用、収入を得る機会を奪う脱労働社会においても消滅しないとされるクリエイティブ系、芸術・文化・エンタテインメントの領域で、社会にも受け入れてもらえる作品等を表現・創造することを志向する人々にとって、ベーシック・インカムはありがたいだろう。
 一般的に、その活動とアウトプットが社会に受け入れられる保証はなく、一攫千金どころか日々の暮らしにも困っている人々が多い現状がある。
 世代・年齢に拘らず、アルバイトや夜の仕事、ダブルワークなどで糊口をしのぎながらの生活を送っている人が多く存在する。
 しかし、彼ら・彼女たちにとって、ベーシック・インカムがあれば、それで最低限の生活が保障されるわけだ。
 最低限食うことに不安がなくなれば、追求する夢や目標を実現するために没頭することも可能になるだろう。
 傍から見ると遊んで暮らしているように見えるかもしれないが、迷惑はかけずに、適度な社会との繋がりを維持しながら、好きなこと、好きな世界で生きていく。
 時には、そのアウトプットが、社会に公開され、関心を抱かせ、価値付けされ、称賛され、あるいは反対に厳しい評価を受けるかもしれない。
 AI時代にあっても、そういう社会がしっかりと維持され、新しい社会の価値観の中に根ざしていればそれはそれで、喜ばしいではないか。

大学生や院生が安心して学業や研究に専念できるベーシック・インカム

 学費が高く学費・生計費を稼ぐため、学業が本業か、アルバイトが本業か分からない生活を送っている学生は多い。
 50年前の私の学生生活も、学費も生活費も自分で稼ぐべく、働いている時間のほうが長かった気がする。
 その時ベーシック・インカムがあれば、もっと真面目に?勉強できるだろうし、専門分野の研究に専念できる大学生・大学院生も多いだろう。
 留学を希望する学生も増えるかもしれない。
 前向きに生きる学生には、ベーシック・インカムがフォローの風になる。
 将来の所得が違ってくるかもしれない。
 投資になる可能性が高くなるといえるだろう。

起業や自己実現・社会貢献をめざす、チャレンジ精神に富む人々を支援するベーシック・インカム

 クリエイティブ系を拡大すれば、新規事業を起こすこともそのグループに入れてもよいだろう。
 起業には、時間もコストも掛かる。
 調査研究や資本金など元手の確保、会社設立や事業開始の準備などだ。
 彼・彼女の夢の実現に、ベーシック・インカムは手助けになるだろう。
 種々のNPO法人やボランティア活動も、限られた予算・費用の中で耐えながら、工夫し、社会的貢献や使命感の達成などの夢・目標の実現に熱意を注いでいる多くの人たちもいる。
 それらの人々にとっても、ベーシック・インカムは心強い支援となるだろう。

 どちらかというと貧困・格差という負の面からの対策としてのベーシック・インカムの効用・効果にこれまでは焦点を当ててきた。
 しかしそこからの脱却が、人生に夢を与えることにも繋がるわけだ。
 加えて、社会には、積極的に、夢・目標を持ち、その実現にチャレンジするであろう人々が多く存在すること、またそれにより多く輩出されることに、ベーシック・インカム本来の意義・意味があることをも確認したいと思う。

 次回は、「所得再分配の権利として受け取るベーシック・インカム」というテーマで、ベーシック・インカムを受け取る人々についての思案の区切りとしたい。

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本稿は、WEBサイト https://2050society.com 2020年7月4日投稿記事 2050society.com/?p=691 を転載したものです。

当ベーシックインカム、ベーシック・ペンション専用サイト http://basicpension.jp は2021年1月1日に開設しました。
しかし、2020年から上記WEBサイトで、ベーシックインカムに関する考察と記事投稿を行っていました。
そこで、同年中のベーシックインカム及び同年12月から用い始めたベーシック・ペンションに関するすべての記事を、当サイトに、実際の投稿日扱いで、2023年3月から転載作業を開始。
数日間かけて、不要部分の削除を含め一部修正を加えて、転載と公開を行うこととしました。
なお、現記事中には相当数の画像を挿入していますが、当転載記事では、必要な資料画像のみそのまま活用し、他は削除しています。
原記事は、上記リンクから確認頂けます。

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