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母子・父子世帯の貧困と子育て家庭環境の改善をもたらすベーシック・ペンション:BP法の意義・背景を法前文から読む-5

「生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)前文」解説、始めます(2021/6/2)
でお伝えしたように、当サイトで提案の日本独自のベーシックインカム、「ベーシック・ペンション生活基礎年金」法律案の前文に掲げた、同法制定の背景・目的(当記事最後に掲載)の各項目ごとに補足・解説を行うシリーズを進めています。
(参考)
生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)前文(案)(2021/5/20)
生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)2021年第一次法案・試案(2021/3/2)

ここまで投稿したのが以下。
<プロローグ>:「生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)前文」解説、始めます(2021/6/2)
第1回:憲法の基本的人権に基づくベーシック・ペンション:BP法の意義・背景を法前文から読む-1(2021/6/12)
第2回:生活保護制度を超克するベーシック・ペンション:BP法の意義・背景を法前文から読む-2(2021/6/15)
第3回:少子化対策に必須のベーシック・ペンションと地方自治体の取り組み拡充:BP法の意義・背景を法前文から読む-3(2021/6/20)
第4回:子どもの貧困解消と幸福度の向上に寄与するベーシック・ペンション児童基礎年金:BP法の意義・背景を法前文から読む-4(2021/6/22)

 今回第5回目は、次のテーマです。

母子世帯・父子世帯の困窮支援の必要性

 前文では、以下のようにしています。

母子世帯・父子世帯の困窮支援の必要性>
 先述した、生活保護受給要件を満たすけれど申請せず、困窮した生活を送っている人々の典型的な例が、母子世帯・父子世帯と言われています。
 その世帯の多くは、育児の負担や家族資源の乏しさから、労働時間に制約を受け、やむなく非正規職として働かざるをえない状況にあります。
 当然育児・教育と仕事の両立が困難で、現状と将来への不安を解消する目処・当てがないまま困窮する生活を送っている例が非常に多く報告されています。
 子どもの数や成長段階に応じた多様かつ柔軟な社会福祉的支援とともに、経済的な不安を取り除く施策が強く求められています。


 こうした状況や実態を示す例や対策について、これまでと重複する内容もありますが、見ていくことにします。

生活保護世帯のうち、母子世帯が8.7%(2018年)を占める

 まず、前文の冒頭ある<生活保護>受給についてですが、すでに
生活保護制度を超克するベーシック・ペンション:BP法の意義・背景を法前文から読む-2
で述べたように、全受給世帯のうち、世帯類型別保護世帯構成でみると、母子世帯が、2018年で8.7%を占めています。
 2018年12月の受給全世帯数は、約164万世帯、約210万人ですから、母子世帯約14万世帯超が生活保護受給世帯となります。

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 この数字は、実際に受給している世帯数ですから、受給要件を満たしていても申請していない例を加えると、捕捉率の低さを考慮するとその数は相当増えると思われます。

(参考)「生活保護法」、「母子及び父子並びに寡婦世帯福祉法」

母子・父子世帯の半数が貧困


 また、母子・父子世帯の困窮については、前回
子どもの貧困解消と幸福度の向上に寄与するベーシック・ペンション児童基礎年金:BP法の意義・背景を法前文から読む-4
で取り上げました。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 2018貧困率.jpg

 「2019年 国民生活基礎調査」による2018年の子どもの貧困率(17歳以下)は13.5%で、約7人に1人の子どもが貧困状態にありますが、世帯主が18歳以上65歳未満の「子どもがいる現役世帯」の世帯員の「子どもの貧困率」は12.6%。
 そのうち、「大人が1人」のひとり親世帯は48.1%。
 これは、母子・父子世帯のほぼ半数が貧困状態にあることを意味します。
 そして、「母子世帯」では、生活が「大変苦しい」41.9%、「やや苦しい」44.8%で、合計が86.7%にのぼっています。

(参考)「生活保護法」、「母子及び父子並びに寡婦世帯福祉法」


母子・父子世帯の子どもの幸福度も低く、教育格差にも

 また先述の
子どもの貧困解消と幸福度の向上に寄与するベーシック・ペンション児童基礎年金:BP法の意義・背景を法前文から読む-4
で触れましたが、「子どもの幸福度」総合ランクは、OECD先進38カ国中20位。
1)精神的幸福度(生活満足度が高い子どもの割合、自殺率)
2)身体的健康(子どもの死亡率、過体重・肥満の子どもの割合)
3)スキル(読解力・数学分野の学力、社会的スキル)
以上の3つで構成する評価項目を考えると、母子・父子世帯の子どもたちの生活困窮度や親と一緒に生活できる時間や環境条件の弱さが、容易に想像できます。

 その中の一つの要素である保育・教育面での格差が、母子・父子世帯の子どもたちに及ぶことも容易に想定されるところです。

多くが非正規雇用で低所得を余儀なくされている

 すなわち、子どもを抱えて働くことを余儀なくされるひとり親は、子育てのための家族的資源・支援がなく、自ずとフルタイム労働や正規雇用労働に従事することができず、親子の生計を維持できる収入・所得を得ることができないことが常態となっています。
 あるいは、やむなく夜の仕事に従事することで生計を維持している世帯も認識されるところです。

母子・父子世帯の困窮に間違いなく寄与するベーシック・ペンション、生活基礎年金・児童基礎年金・学生等基礎年金

 こうした母子・父子世帯の困窮や、子どもに及ぼすさまざまな負の要素・状態を抜本的に解決するには、やはりベーシック・ペンションが間違いなく有効であることは言うまでもないでしょう。

・児童基礎年金 (学齢15歳以下)   一人月 8万円、年間 96万円 
・学生等基礎年金(学齢16~18歳)     月10万円、年間120万円
・生活基礎年金(学齢19歳以上満80歳未満) 月15万円、年間180万円

 子には児童基礎年金(もしくは学生等基礎年金)、そして親には生活基礎年金が支給され、日常生活と保育・教育に必要な費用を得ることで、困窮の解消と保育・教育の家庭環境の改善に結びつくことは間違いないと思われます。

一般的な母子・父子世帯のベーシック・ペンション受給額試算

 上記の年金を受け取ると、ひとり毎月8万円の児童基礎年金と親の生活基礎年金15万円で、合計毎月23万円。
 年間では、276万円。
 この金額が基礎収入としてあれば、非正規労働による所得でもやっていけ、家庭での子育ての時間もある程度確保できるようになる世帯が相当数増えるでしょう。

 こうした母子・父子世帯の生活は、コロナ禍で、最も厳しい影響を受けていることは想像に難くないところです。
 困窮度が厳しい世帯への支援策が課題にはなっていますが、実際に、具体的に、確実に行なわれているという政策も報道も確認できません。
 特別の事情がなくても、日常的に困窮を強いられ、各種制度・法律での申請・審査諸手続きを義務付けられた弱者を根本的に支援する究極のセーフティ・ネットとして、すべての国民に無条件で、平等に支給されるベーシック・ペンションが最も望ましいシステムである。
 1日も早く、こうした考え方に基づく、このシステムが、理解され、受け入れられ、実現する社会が来ることをと心から願っています。

 なお、これまでに以下の記事で母子・父子家庭の貧困について
◆ 養育費不払いとひとり親世帯の貧困問題:『離婚の経済学』が提起する、離婚による母子家庭貧困リスク(2020/5/19)
母子家庭の貧困、子育て世帯の不安、結婚し子どもを持ちたい人たち、すべてに機能するベーシック・インカム制の議論・検討を(2020/5/20)
 ベーシック・ペンションと直接結びつけるかたちでの記事としては、以下
ベーシック・ペンションによる貧困問題改善と生活保護制度廃止(2021/2/6)
ベーシック・ペンションによる児童手当・児童扶養手当廃止と発生余剰財源の保育・教育分野への投入(2021/2/7)
を投稿してきています。
 お時間があれば、チェックして頂ければと思います。

 次回は、以下の前文提起項目の6番目<非正規労働者の増加と雇用及び経済的不安の拡大及び格差拡大>がテーマとなります。

ベーシック・ペンション生活基礎年金制度の背景と目的(同法前文より)

1)憲法に規定する基本的人権及び生存権等の実現
2)生活保護の運用と実態
3)少子化社会の要因としての結婚・出産・育児等における経済的不安
4)子どもの貧困と幸福度を巡る評価と課題
5)母子世帯・父子世帯の困窮支援の必要性
6)非正規労働者の増加と雇用及び経済的不安の拡大及び格差拡大
7)保育職・介護職等社会保障分野の労働条件等を要因とする慢性的人材不足
8)共働き夫婦世帯の増加と仕事と育児・介護等両立のための生活基盤への不安
9)国民年金受給高齢者の生活基盤の不安・脆弱性及び世代間年金制度問題
10)高齢単身世帯、高齢夫婦世帯、中高齢家族世帯の増加と生活基盤への不安
11)コロナウイルス禍による就労・所得機会の減少・喪失による生活基盤の脆弱化
12)自然災害被災リスクと生活基盤の脆弱化・喪失対策
13)日常における不測・不慮の事故、ケガ、失業等による就労不能、所得減少・喪失リスク
14)IT社会・AI社会進展による雇用・職業職種構造の変化と所得格差拡大と脱労働社会への対応
15)能力・適性・希望に応じた多様な生き方選択による就労・事業機会、自己実現・社会貢献機会創出と付加価値創造
16)貧富の格差をもたらす雇用・結婚・教育格差等の抑制・解消のための社会保障制度改革、所得再分配政策再考
17)世代間負担の不公平対策と全世代型社会保障制度改革の必要性
18)コロナ禍で深刻さ・必要度を増した、安心安全な生活を送るための安全弁としての経済的社会保障制度
19)基本的人権に基づく全世代型・生涯型・全国民社会保障制度としての、生活基礎年金制(ベーシック・ペンション制)導入へ
20)副次的に経済政策として機能する、社会経済システムとしてのベーシック・ペンション
21)生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)導入に必要な種々の課題への取り組み

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