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2022・23年考察

コロナ禍、目立つ低所得層の子どもの医療機関受診減少:ベーシック・ペンション導入が望まれる社会-3

少しずつ、よくなる社会に・・・

5月に入って、こういう時、日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金があれば良いのに、と思わせられる新聞記事をよくみかけます。
6月から検討しているテーマに入る前に、こうした思いを強く抱かせられているいくつかの記事を取り上げてみることにしました。
これまでに以下の2ブログを投稿。
2022年2月生活保護受給164万世帯、現役世代も増加:ベーシック・ペンション導入が望まれる社会-1(2022/5/16)
生活保護世帯の子どもの進学率に地域格差:ベーシック・ペンション導入が望まれる社会-2(2022/5/17)

今回は、3回目で、2022/5/8付け日経の以下の記事を取り上げます。
⇒ 子どもの受診、コロナ前より2割減 低所得世帯で顕著: 日本経済新聞 (nikkei.com)

コロナ感染拡大の長期化で、低所得世帯の子どもの受診が減少


この記事は、新型コロナウィルス感染症発生前と発生後の健康保険を用いての受診状況の違いを、日経が、厚労省の診療報酬明細書情報のまとめデータを独自集計・分析したものとしています。

その結果は
・10歳未満の子どもの2021年の外来受診はコロナ発生前の2019年比で23.8%減。
・全世代平均は7.4%減、65歳以上70歳未満のは15.0%減
・特に子どもの減少幅の大きさが際立つ。

問題は、子どもの減少には、感染者の減少も含まれるが、受診が必要だが行動を起こしていない人がいること。
他の調査だが、全国保険医団体連合会によると、「要受診」と診断された後に受診しない子どもが、内科関連では2018年の50.5%が2020年には53.6%に。
眼科・耳鼻科・歯科でも未受診率が高まっているといいます。

その状況を考察すると
1.フルタイムで働く高収入の親、子どもを保育所などに預けて働く共働き夫婦が、仕事上の評価や昇進への影響を考え、受診を見送るケース
2.これより深刻なケースが、低収入世帯が仕事を休むことで起こる生活費不足への不安
が考えられる。
場合によっては、子どもが病院でコロナに感染した場合や検査で感染が判明した場合濃厚接触者の親が出社・就労できなくなり、収入が止まることから、受診やPCR検査をためらうこともありうる。
としています。

健康保険の違いによる子どもの受診日数の違いと所得格差

健保には、大企業の社員などが入る組合健保、公務員などの共済組合、自営業者や非正規労働者らの市町村国保などの種別がある。
ここでも、未就学児の受診日数に違いがあり、市町村国保の受診は2021年以後、組合健保などより減少幅が月4~10ポイントほど大きいことが分かっている。
健保加入者の平均所得は組合健保222万円、共済組合245万円。
年金生活者やひとり親やアルバイト、非正規雇用者で収入が不安定であったり、組合健保に加入できない低所得者も加入している市町村国保は88万円と非常にその差が大きい。

子どもの医療費が、自治体の助成により無償の場合も多いのだが、親自身が受診に付きそうための時間・労力を負担し、仕事と収入に影響することを懸念することが現実的にあると想像できる。

市町村国保に見られる未就学児数の減少率の増加、かかる少子化への拍車

また、保険別データから、少子化問題を関連付けています。
未就学児数の減少率が組合健保で2017~2019年の約4%に対して市町村国保は約15%に。
組合健保などへの加入移動もあると思われるが、総じて子育て費用等経済的不安による出生数の減少も想定できるとしています。

しかし、少子化を抑制するための政策提案がここでなされているわけではなく、その要因であり、現象でもあるというレベルでの微視的な記述にとどまるにすぎません。

問題と改善・解決策の根源に迫るには、ベーシック・ペンションで

もちろん、最も問題視すべきは、親の経済状況によって子どもの健康管理に差が出、加えて保育や教育にその影響が及ぶことです。
一応、同記事において日経氏は、「本当は必要な診察を受けない子どもが増えれば健康面の懸念は強まる」とは指摘していますが、最後にはやはり、紋切り型で、無機的な論調のこの言で締めくくっています。曰く、
「政府にはバラマキ型になりがちな一律の対策ではなく、本当に必要な家庭に的を絞った支援策が求められる。」

バラマキを一律に、真に平等に行うことは決してムダなことではなく、本当に必要な家庭に的を絞る支援策は、必要なケースを丹念に拾い上げ、適用していくと、結局、すべての人々にベーシック・ペンションを支給することの合理性・有効性を確認するに至ります。
義務教育修了までのすべての子どもには、児童基礎年金が支給され、こどもの医療費や保育・教育費、生活費を賄うことができます。
ベーシック・ペンション導入は、すべての社会保障制度の改革と一体化・総合化して行うため、現状無償化された保育の年長コースの義務保育化や、子育て支援制度の拡充も伴い、他の子育て支援政策とも相まって、子どもの貧困問題の改善・改革に大きく寄与します。

何よりも、子育て不安の大きな要因となっている低所得の就労と生活を強いられているすべての両親・片親にも、生活基礎年金が支給されるのですから、異常時・非常時にあっても子どもに受診させることをためらうことはなくなるわけです。


【日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金2022年案】

ベーシック・ペンション法(生活基礎年金法)2022年版法案:2022年ベーシック・ペンション案-1(2022/2/16)
少子化・高齢化社会対策優先でベーシック・ペンション実現へ:2022年ベーシック・ペンション案-2(2022/2/17)
マイナポイントでベーシック・ペンション暫定支給時の管理運用方法と発行額:2022年ベーシック・ペンション案-3(2022/2/18)
困窮者生活保護制度から全国民生活保障制度ベーシック・ペンションへ:2022年ベーシック・ペンション案-4(2022/2/19)

                       少しずつ、よくなる社会に・・・

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