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ベーシック・インカム制と同時に改革・導入する社会保障保険制度:BI導入シアン-12(2020/7/17)

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 自分なりのベーシック・インカム制の一定レベル以上の提案のまとめ作業に入る前段階として、種々思いつき、思い浮かぶ事項をメモ書きし、整理していくための<BI導入シアン>シリーズ。
 ベーシック・インカムを受給する人々ごとのメリットを追求した後、先日から、財源問題、新たに構築すべき社会保障制度及び年金制度を含む社会保険制度・労働保険制度、支給されるお金の管理と制度運用方法などについて、順次思案を進めている。
 これまでは、前回の急遽変更編を含めて以下の3投稿。
ベーシック・インカム制導入で国民年金制度は廃止へ:BI導入シアン-9
所得税を主財源とするベーシック・インカム制で所得税法改正へ:BI導入シアンー10
週刊エコノミスト「ベーシック・インカム入門」で終わらせないために:BI導入シアン-11

 今回は、前回予定を延期した、BI導入と一体化しての社会保障制度改革のあり方についての思案。

現状の社会保険・労働保険の制度体系

 ベーシックインカム(以下BI)制は、基本的には社会保障制度の根幹の制度として、最低限度の生活を送るためにすべての国民に、平等に支給される制度だ。
 従い、BIは、社会保障制度全体の改革・再構築を行うことと一体のものとして制定・導入されなければならない。
 なぜか、BIが、すべての、あるいは一部の社会保障制度の替わりになるもので、現状の多くの社会保障制度が廃止あるいは縮小されるかのように受け止められているらしい。
 もしそうなら、提案者のサボタージュか、思想的狂信者の先走りか、まったくのアンチ派の暴論か、いずれにしろ、ありえない話だ。
 学者・研究者と自ら名乗り、他からも認められている人がそう認識していることを、前回の週刊エコノミスト特集「ベーシックインカム入門」で知ったのは、ある意味驚きだった。
 その無理解・誤解を解消するために、社会保障制度の概要を学習しておく必要がある。
 そこで、<社会保険関連体系>、<労働保険関連体系>、<その他の広義の社会保障関連体系>、<その他の社会福祉関連体系>に分けて、施策・法律項目をリスト化してみる。

1.社会保険関連制度体系

健康保険(法):療養・療養費等給付、傷病・出産手当金、出産育児一時金等
国民健康保険(法):上記健康保険に同じ
・高齢者医療確保法:(後期高齢者医療給付等)
介護保険(法)
児童手当(法)
国民年金(法)
厚生年金保険(法):老齢・障害・遺族厚生年金、障害手当金
・年金生活者支援給付金(法)
・特定障害者給付金(法)
・船員保険(法)

2.労働保険関連制度体系

雇用保険(法)
育児・介護休業法
労働者災害補償保険(法)
労働基準法
・職業安定法
・職業能力開発促進法
・求職者支援法
・労働者派遣法
・高年齢雇用安定法
・障害者雇用促進法
・パートタイム・有期雇用労働法
・最低賃金法

3.その他の広義の社会保障関連制度体系

義務教育(法):(教育基本法)
幼児教育・保育無償

4.その他の社会福祉関連制度体系

生活保護制度
障害者福祉:特別児童扶養手当、障害児福祉手当、特別障害者手当等
・生活困窮者自立支援制度
・児童福祉法
・老人福祉法
・社会福祉法

 まだまだ関連法規や制度があり、完璧ではないが、社会保障制度がいかに広範で、多様な行政・施策・法制・制度から成り立ち、それらのニーズに対応すべきかが、漠然とではあるが、理解できよう。
 そして、BIは、その多くの既存の制度・法律と関係することが、少しはイメージできるようになるのではないだろうか。

ベーシックインカムでカバーする、現状の社会保障制度

 では、実際に、BIはどの社会保障制度の全部、または一部をカバーする、すなわちその代わりになるのか。
 思いつく順にメモしていきたい。

1.老齢基礎年金が大幅増額され、生活基礎年金(BI)に代わる。
 (国民年金制度は廃止。有収入者は厚生年金に加入)
2.児童手当が大幅増額され、児童基礎年金(BI)に代わる。
3.生活保護(支給)制度が廃止され、生活基礎年金(BI)に代わる。
4.雇用保険の失業給付のうち、生活基礎年金額(BI)部分の給付が不要になり、それを超えて給付すべき場合のみ失業給付を行なう。
5.障害者福祉制度で支給される諸手当のうち、児童基礎年金額(BI)または生活基礎年金額(BI)部分の給付が不要になり、それを超えて給付すべき場合のみ手当給付を行なう。
6.育児・介護休業法に基づき行われる現金給付が、生活基礎年金額(BI)内で賄われ、不要になる。


 もっと出てくる可能性があるが、今回はここまでとしておきたい。
 不要になる給付や手当分が、国や自治体の財源上節約されることになる。
 あるいは、その分が、BIの財源の一部に充当可能になるともいえる。

ベーシックインカム以外の社会保障制度

 次に、BIとは別の枠組み・仕組みとして残る、主な社会保障制度を上の項目から抽出しよう。

健康保険(法):療養・療養費等給付、傷病・出産手当金、出産育児一時金等
国民健康保険(法):上記健康保険に同じ
・高齢者医療確保法:(後期高齢者医療給付等)
介護保険(法)
厚生年金保険(法):老齢・障害・遺族厚生年金、障害手当金
雇用保険(法)
労働者災害補償保険(法)
義務教育(法):(教育基本法)
幼児教育・保育無償

 労働者災害補償保険、いわゆる労災は、企業が保険料を全額負担する制度で、基本的には変更はない。
 義務教育である小中学校教育は、保険制度ではなく公費で賄われている。
 今年無償化された幼児教育・保育は、いずれ義務教育・義務保育化される方向が望ましいと考えている。

BI導入と同時に創出する社会保障保険制度体系

 上記のうち、保険制度として残るものは、以下となる。

健康保険(法):療養・療養費等給付、傷病・出産手当金、出産育児一時金等
国民健康保険(法):上記健康保険に同じ
介護保険(法)
厚生年金保険(法):老齢・障害・遺族厚生年金、障害手当金
雇用保険(法)

 国民健康保険は、健康保険と統合する方法を探りたい。
 厚生年金保険は、大幅な改革が必要になる。
 雇用保険も、同様である。
 これにやはり改定すべき介護保険を加えた保険法を一つに統合し、<社会保障保険>を設定。
 保険料の徴収を一本化する。
 但し、運用管理は個別に行うことにする。
 当然、統合保険料の設定や個々の運用規定で、現状の財源問題や負担方式、運用方法など、改定を行う必要がある。
 その内容の思案は、今後継続して進めていく予定である。

 以上、現状の社会保障制度を広範に、概括的に把握し、BI導入と同時に、どう改革すべきか、同様概括的に思案してみた。
 まだまだ思案段階なので、欠落した事項・課題は多い。
 ご意見やご指摘を歓迎いたします。

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本稿は、WEBサイト https://2050society.com 2020年7月17日投稿記事 2050society.com/?p=997 を転載したものです。

当ベーシックインカム、ベーシック・ペンション専用サイト http://basicpension.jp は2021年1月1日に開設しました。
しかし、2020年から上記WEBサイトで、ベーシックインカムに関する考察と記事投稿を行っていました。
そこで、同年中のベーシックインカム及び同年12月から用い始めたベーシック・ペンションに関するすべての記事を、当サイトに、実際の投稿日扱いで、2023年3月から転載作業を開始。
数日間かけて、不要部分の削除を含め一部修正を加えて、転載と公開を行うこととしました。
なお、現記事中には相当数の画像を挿入していますが、当転載記事では、必要な資料画像のみそのまま活用し、他は削除しています。
原記事は、上記リンクから確認頂けます。

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