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2020年blog&考察

ベーシックインカム制導入・法制化を想定した私的法案作成について(2020/9/5)

ベーシックインカムを巡る議論等に関する私の現状認識

 当サイト運営の基本方針・目的として、2050年の望ましい社会実現のための種々の提案を設定しています。
 その中で、最も重要で、不可欠なものとして、すべての日本国民が、生まれてから死を迎えるまで、安心して日々の基本的な生活を送ることができる給付金を、国から受け取ることができる、ベーシックインカム制の導入を提案していきます。
 べーシックインカムに関しては、新型コロナウイルス感染症パンデミックを契機にして、日本では、特別定額給付金の支給で、他の複数の国・地域での、実験的なものも含め、ベーシックインカム及びその性格に似た制度の導入により、注目されるようになりました。
 しかし、現状、ベーシックインカムをめぐる議論や取り組みは、多様・多面的に取り上げられ、一つに統一されるに至ってはいません。
 また、いずれの取り組み・活動においても、一つの制度モデル案としてまとめられてはいませんし、現実に制度として継続して運用され、定着している事例及びその報告もありません。

 日本でも、一部政党や議員選挙の立候補者レベルで、公約的に掲げられることもあり、コロナ禍で以前に増して注目を集めつつあることは確かです。
 しかし、未だ一つの方向に向かって、建設的に議論検討されるまでに至っていません。
 SNS等を見ても、単発的な発言や、妄信的な発言、他国の導入情報紹介、信じる者同志による布教活動的発言及び会合などが散見されます。
 そして、同時にそれらに対する反論、そのまた反論、が応酬されるような、ある意味不毛な時間の消費の域から出ていないようにさえ感じます。

ベーシックインカム法案としての私案作成に向けて

 ベーシックインカムの導入は、当然、国会に法案が提案され、審議され、賛成多数で可決され、施行されるという手順・手続きを踏んで初めて実現するものです。
 従い、政治の場に持ち込まなければ話になりません。
 そこまでの戦略・戦術が必要です。
 そのためには、当然、導入するベーシックインカムについて、法律で規定し、その法律を読めば、どういう制度か、どのように導入され、どのように利用できるのかなど、その制度の詳細について法令として条文化されなければいけません。
 その法案は、国会議員か、議員の所属する政党か、内閣の首相または担当相の指示を受けた官僚・官庁が立案します。
 あるいは、一般国民や学者や研究機関などが、その原案的なものを提起し、それを目にした内閣・政党・国会議員などが、それらを参考にして、必要な活動を展開する方法もあります。
 あるいは、内閣得意の、専門の諮問機関を設置して、議論検討し、提案を求めるのもあり、というわけです。
 いずれにしても、いろいろ議論・応酬ばかりしていても、政治の舞台に引き上げなければ、いつまで経っても画に描いた餅に過ぎないことは、だれでも分かることです。

 これまで個人的に、ベーシックインカムについて種々思うところを当サイトで書き連ねてきました。
 が、ここらで、政治過程に少しでもアプローチしやすくなるよう、わが国にベーシックインカム制を導入することとした場合、どのような法律案を作成して審議段階に持ち込むか、私的法律案、私案としてまとめることにしました。
 これを、国会において審議される段階に持ち込む、何段階か前の議論の材料にしてもらうことが目的です。
 従い、これまで投稿してきた、本稿の最後にリスト化した過去の記事は、あくまでも私論であり、今後の法律私案で掲げていく内容とは異にする、あるいは矛盾する点もあることをご了承ください。

「日本国民の基本的人権に基づく生活保障のための生活基礎年金給付に関する法律」(略称「生活基礎年金法」)私案構成案

前文
 
前文その1 本法制定の背景
 前文その2 本法の構成
第1章 総則
 
第1条 目的
 第2条 定義
 第3条 方針
 第4条 対象者 
 第5条 所管 
第2章 給付金の管理方式
 
第6条 給付金管理所管
 第7条 給付金形態 
 第8条 受給口座
 第9条 特例管理方式
第3章 給付金の給付・利用方式
 
第10条 基礎年金の種別
 第11条 生活基礎年金の給付方法
 第12条 児童基礎年金の給付方法
 第13条 生活基礎年金の利用方法
 第14条 児童基礎年金の利用方法
 第15条 利用先登録 
 第16条 利用先の給付金の取り扱い
 第17条 利用有効期間
 第18条 権利資格喪失時の取り扱い
 第19条 利用禁止事項
第4章 給付金の財政管理方式
 
第20条 給付金の基礎財源
 第21条 給付金の二次的財源
 第22条 給付金の予備的財源
 第23条 給付金の回収及び消却
 第24条 給付金特別会計
第5章 社会保障制度体系との関係
 
第25条 総合的社会保障制度と本法の位置付け
 第26条 厚生年金保険制度との関係 
 第27条 雇用保険制度との関係
 第28条 健康保険制度との関係
 第29条 社会福祉制度との関係
 第30条 その他の社会保障制度との関係
第6章 その他
 
第31条 罰則
 第32条 特例規定
 第33条 本法関連法令
 第34条 本法規定外関連事項の取り扱い
付則
 
1.本法施行日
 2.本法施行計画及び日程
 以降、順次必要事項付加

「生活基礎年金法」(別称「ベーシックインカム法」私案作成においてのお願い

 なお、上記体系は、現時点での構想レベルでの案です。
 当初の章建ては、サイトメニューのカテゴリー<BASIC INCOME>のサブカテゴリーの構成とほぼ一致させています。
 規定条文案を整備・作成しながら、必要に応じて、章建て・条建てを含め、追加・変更・削除などを行います。
 そのため、当初の構成が次第に変化していくことをご了承ください。
 条文案は、上記の構成順・条項順に作成するものではなく、アトランダムに作成を進めていくことも合わせてご了承ください。
 その作成においては、前回の以下の投稿で示した方針に沿って、作業を進めていきます。
同床異夢のベーシックインカム論から共通性を見出す:BI導入シアン-22
社会保障制度の根幹として、日本独自のベーシックインカム制構築へ:BI導入シアン-23

 なお、条文だけでは理解することが難しい場合、あるいは規定としてではなく、理解するためにより詳しく説明しておくべきことなどを、書き添え、書き加えていく予定です。
 そのために、カテゴリーに、<解説・補足>という項目を設定し、活用していきます。
 加えて、これらの私案内容についての、ご意見・ご提案も随時喜んで承ります。
 お気軽にお寄せください。
 なお、ご批判も承りますが、その場合、できれば対案・代替案等添付頂ければ幸いです。
 参考にさせて頂き、より望ましい法案に精度を高めていくことができればと願っています。
 今後ともどうぞ宜しくお願いします。

当サイトにおけるこれまでのベーシックインカム私論集

(参考):<BI導入シアン>シリーズ

1.所得がある個人を別人格とみなす社会経済システム
2.現状の年金生活者もベーシック・インカム受給者のようなもの
3.中国がベーシック・インカム制を導入したら
4.公務員の給料の一部は、ベーシック・インカム性を持つ
5.働く人の格差是正と安心を目的としたベーシック・インカム
6.不測の事態に備え、機能するベーシック・インカム
7.夢のある人、夢の実現をめざす人のためのベーシック・インカム
8.高額納税者も当然の権利として受け取るベーシック・インカム
9.ベーシック・インカム制導入で国民年金制度は廃止へ
10.所得税を主財源とするベーシック・インカム制で所得税法改正へ
11.週刊エコノミスト「ベーシック・インカム入門」で終わらせないために
12.ベーシック・インカム制と同時に改革・導入する社会保障保険制度
13.ベーシック・インカム制導入に伴う厚生年金保険制度改革
14.ベーシックインカムは独自の電子通貨で支給・管理を
15.ベーシックインカムとは最低所得保障か
16.ベーシックインカムの適正額はいくらか
17.ベーシックインカム制は、大家族化・多子家族化を招くか
18.ベーシックインカム導入で予想される社会構造の変化
19.日本在住移民・外国人へのベーシックインカムをどうするか
20.ベーシックインカム導入で行なうべき雇用保険改革
21.MMT論から考えるベーシックインカム制
22.同床異夢のベーシックインカム論から共通性を見出す
23.社会保障制度の根幹として、日本独自のベーシックインカム制構築へ

(参考):2050 SOCIETY ベーシック・インカム論ラインアップ

◆ 憲法で規定された生存権と「社会保障」:全世代を対象とする社会保障システム改革-1
◆ ○○手当は○○年金!?:全世代が年金受給機会を持つ社会保障システム改革-2
◆ 所得者全員が年金保険料を!:国民年金の厚生年金統合による社会保障システム改革-3
◆ ベーシック・インカム制の導入を!
◆ ベーシック・インカム生活基礎年金の年間総額、216兆円
◆ ベーシック・インカム生活基礎年金はポイント制で
◆ ベーシック・インカム「生活基礎年金制度」続考
◆ 社会保障保険制度試論
◆ ヘリコプターマネーではなく、ファンダメンタルマネー:全国民受給のベーシック・インカム制へ
◆ 母子家庭の貧困、子育て世帯の不安、結婚し子どもを持ちたい人たち、すべてに機能するベーシック・インカム制の議論・検討を
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◆ ベーシック・インカムとは-1:歴史から学ぶベーシック・インカム
◆ ベーシック・インカムとは-2:リフレ派原田泰・前日銀政策委員会審議員から学ぶベーシック・インカム
◆ ベーシック・インカムとは-3:AIによる脱労働社会論から学ぶベーシック・インカム

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本稿は、WEBサイト https://2050society.com 2020年9月5日投稿記事 2050society.com/?p=5233 を転載したものです。

当ベーシックインカム、ベーシック・ペンション専用サイト http://basicpension.jp は2021年1月1日に開設しました。
しかし、2020年から上記WEBサイトで、ベーシックインカムに関する考察と記事投稿を行っていました。
そこで、同年中のベーシックインカム及び同年12月から用い始めたベーシック・ペンションに関するすべての記事を、当サイトに、実際の投稿日扱いで、2023年3月から転載作業を開始。
数日間かけて、不要部分の削除を含め一部修正を加えて、転載と公開を行うこととしました。
なお、現記事中には相当数の画像を挿入していますが、当転載記事では、必要な資料画像のみそのまま活用し、他は削除しています。
原記事は、上記リンクから確認頂けます。

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