社会保障制度の根幹として、日本独自のベーシックインカム制構築へ:BI導入シアン-23(2020/8/30)
これまで、現状種々の組織・団体・グループで展開されているであろうベーシックインカムをめぐる方針・考え・主張には、目を向けずに、自分流で考えたものを、当サイトに投稿してきた。
その全稿は、本稿最後にリスト化してある。(間接的に触れた投稿は、他にもあるが。)
但し、例外として、既に発行されている4冊の新書と1冊の経済週刊誌を参考にした以下の5つの記事がある。
<書籍リスト>
・『ベーシック・インカム入門 無条件給付の基本所得を考える』(2009年初版:山森亮氏著)
・『ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか』(2015年初版:原田泰氏著)
・『AI時代の新・ベーシックインカム論』(2018年初版:井上智洋氏著)
・『MMTが日本を救う』(2020/6/24刊:森永康平氏著)
・『ベーシックインカム入門』(週刊エコノミスト7月21日号特集)
<記事リスト>
◆ ベーシック・インカムとは-1:歴史から学ぶベーシック・インカム
◆ ベーシック・インカムとは-2:リフレ派原田泰・前日銀政策委員会審議員から学ぶベーシック・インカム
◆ ベーシック・インカムとは-3:AIによる脱労働社会論から学ぶベーシック・インカム
◆ 週刊エコノミスト「ベーシック・インカム入門」で終わらせないために
◆ MMT論から考えるベーシックインカム制
自分なりのベーシック・インカム制の一定レベル以上の提案のまとめ作業に入る前段階として、種々思いつき、思い浮かぶ事項をメモ書きし、整理していくための<BI導入シアン>シリーズ。
前回を最終回とする予定でしたが、もう1回、今回を加えて最終回とすることにしました。
BI導入思案からBI私案・試案、とりまとめ・提案へ
前回、ベーシックインカムをめぐる同床異夢を批判する日経記事を紹介した。
◆ 同床異夢のベーシックインカム論から共通性を見出す :BI導入シアン-22
それとても、マスコミのスタンスのいい加減さ、無責任さを示す一端でもある。
で、当サイトとしては、今月の今回で、これまでのベーシックインカム論を終わりにし、次月9月から、別の展開に切り替えようと思案している。
2つの方針を今考えている。
一つは、現在存在し、活動しているベーシックインカム推進者・推進組織の考え方にアクセスし、そこで展開されているベーシックインカム論を比較・確認・評価していくこと。
もう一つは、従来の私のシアン、提起レベルに、前項の作業を通じて新たに考えた、あるいは修正すべきと考えたベーシックインカム制度の基本案をとりまとめていくこと。
この2つである。
ただ不安はある。
というか、限界と言うべきだろうか。
ベーシックインカムが関連する種々の社会保険・労働保険、社会福祉制度、関連法制などの専門知識について、不足する点が多すぎる。
財源問題を考える時、現状の税制とそこからの収支など、具体的な数値情報を入手・分析・活用するスキルが不足している。
できることならば、そうした弱点・問題点・問題意識を少しでも軽減し、解決に導いてくれる論述や提案を、前述のアクセス結果やネットや書籍などから見つけ出すことができることを期待しているのだが、やってみなければ分からない。
識者に、こちらからアプローチして教えを請うことが必要、有効になることもあるだろう。
自分自身のスタンス、姿勢を変えていくべき段階と認識している。
日本独自のベーシックインカム制の検討・とりまとめへ
ベーシックインカムという用語を目にし、耳にすると、どうしても外国・欧米にその思想・考え方の起源や歴史を持つイメージを持たざるを得ない(気がする)。
もちろん、そうした背景を学び、理解することは大切なことだと思う。
だが、民主主義を例にすると、それ自体一つの理想の形であって、未だ完成形が実現していないのと同様、ベーシックインカムも、一つの雛形、モデルとして、実際の導入・定着事例はない。
あくまでも実験や参考レベルである。
また、決して、コロナ禍のような社会経済的な危機に対応するための制度としてだけ考えるのは、非常に狭い視野でベーシックインカムを捉えるにとどまり、その本質を看過することになるので、留意したい。
わが国における望ましいベーシックインカム制を考える時、わが国固有の社会保障制度や歴史的経緯、現状の社会保障制度や関係する社会経済システム、行政システムの抱える問題点、そしてそれらの将来予測、そこから考えるべき将来対策など、多面的かつ総合的に、検討し、議論し、取りまとめ、合意形成していく必要がある。
もちろん、その進め方・取り組み方を望ましい形で創り上げていくことも含めてだ。
これが最も難しい課題のような気もする。
当サイトの内容が、そのために多少なりとも役立つことになればと思う。
カテゴリー BASIN INCOMEの設定と活用
既にお気付きの方もいらっしゃるかと思うが、当サイトのメニューに、BASIC INCOME というカテゴリーを設定し、そのサブカテドリーとして、
<目的・定義、管理・運用方法、給付内容・実施方法、財源政策、社会保障・社会保険等との関係、細則・準則>
という区分を設定した。
そして、これまでのベーシックインカムに関する投稿は、すべて<ベーシックインカム私論>というサブカテゴリーに適用した。
こうすることで、ベーシックインカム法の原案の総合的・体系的なとりまとめに活かすことができるよう分類し、推敲を加え、その質の向上を図っていきたいと考えている。
わが国独自のベーシックインカム制起案の基本方針例
上記のサブカテゴリーに組み入れていく試案・私案内容は、以下のような視点・方針で具体化し、議論の起点としてだけでなく、議論の帰結としても、明確化していく。
例えば、
・制度目的に沿った使途に限定するための独自の通貨システム
・堅固な安全信用管理のための独自の管理システム
・制度目的に沿った利活用に限定する独自の運用システム
・持続性を確固たるものにする独自の財源システム
・関連諸制度と整合する総合的・体系的社会保障制度システムにおける国民皆ベーシックインカムシステム
・失敗絶対回避のための段階的導入・プロセス重視システム
・危機管理、リスク忌避のためのハイパーセキュリティシステム
などだ。
これだけでは何のことか分からないが、最後にリスト化した過去記事に少しずつ書いてきた内容もこれらに入ってくる。
他から有意義・有効な案も、これらに加わ得ることができるようになれば、質も高まってくる。
また、私の考えから抜け落ちている課題や内容が発見されれば、より充実した、体系的な提案に近づくことになり、有り難い。
当サイト、当該記事をご覧頂き、種々ご指摘や助言・ご提案等を頂ければとも。
最後に、当サイトにおけるベーシックインカムに関する投稿は、できるだけベーシックインカムに興味関心をお持ちの方々に見て頂ける機会が増えればと願っています。
繰り返しになりますが、最後尾にこれまでのベーシックインカムに関する投稿のリストを載せています。
内容的に質が低いもの、まとまりがないもの、論点が定まっていないものなど、ラフなものがほとんどかとは思いますが、お時間が許せば、ぜひお読み頂ければと思います。
それらから、ベーシックインカム制の意義や価値について、少しでも汲み取り、制度・法律として検討に値する糸口でも感じ取って頂ければ幸いです。
そして、Twitter でのツィート、リツィート、Facebookでのシェア、サイト及び記事へのリンク等で、ベーシックインカム考察の拡散にご協力頂ければ望外の幸せです。
諸々、今後ともどうぞ当サイトを、よろしくお願い申し上げます。
(参考):<BI導入シアン>シリーズ
1.所得がある個人を別人格とみなす社会経済システム
2.現状の年金生活者もベーシック・インカム受給者のようなもの
3.中国がベーシック・インカム制を導入したら
4.公務員の給料の一部は、ベーシック・インカム性を持つ
5.働く人の格差是正と安心を目的としたベーシック・インカム
6.不測の事態に備え、機能するベーシック・インカム
7.夢のある人、夢の実現をめざす人のためのベーシック・インカム
8.高額納税者も当然の権利として受け取るベーシック・インカム
9.ベーシック・インカム制導入で国民年金制度は廃止へ
10.所得税を主財源とするベーシック・インカム制で所得税法改正へ
11.週刊エコノミスト「ベーシック・インカム入門」で終わらせないために
12.ベーシック・インカム制と同時に改革・導入する社会保障保険制度
13.ベーシック・インカム制導入に伴う厚生年金保険制度改革
14.ベーシックインカムは独自の電子通貨で支給・管理を
15.ベーシックインカムとは最低所得保障か
16.ベーシックインカムの適正額はいくらか
17.ベーシックインカム制は、大家族化・多子家族化を招くか
18.ベーシックインカム導入で予想される社会構造の変化
19.日本在住移民・外国人へのベーシックインカムをどうするか
20.ベーシックインカム導入で行なうべき雇用保険改革
21.MMT論から考えるベーシックインカム制
22.同床異夢のベーシックインカム論から共通性を見出す
23.社会保障制度の根幹として、日本独自のベーシックインカム制構築へ
(参考):2050 SOCIETY ベーシック・インカム論ラインアップ
◆ 憲法で規定された生存権と「社会保障」:全世代を対象とする社会保障システム改革-1
◆ ○○手当は○○年金!?:全世代が年金受給機会を持つ社会保障システム改革-2
◆ 所得者全員が年金保険料を!:国民年金の厚生年金統合による社会保障システム改革-3
◆ ベーシック・インカム制の導入を!
◆ ベーシック・インカム生活基礎年金の年間総額、216兆円
◆ ベーシック・インカム生活基礎年金はポイント制で
◆ ベーシック・インカム「生活基礎年金制度」続考
◆ 社会保障保険制度試論
◆ ヘリコプターマネーではなく、ファンダメンタルマネー:全国民受給のベーシック・インカム制へ
◆ 母子家庭の貧困、子育て世帯の不安、結婚し子どもを持ちたい人たち、すべてに機能するベーシック・インカム制の議論・検討を
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◆ ベーシック・インカムとは-1:歴史から学ぶベーシック・インカム
◆ ベーシック・インカムとは-2:リフレ派原田泰・前日銀政策委員会審議員から学ぶベーシック・インカム
◆ ベーシック・インカムとは-3:AIによる脱労働社会論から学ぶベーシック・インカム
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本稿は、WEBサイト https://2050society.com 2020年8月30日投稿記事 2050society.com/?p=2166 を転載したものです。
当ベーシックインカム、ベーシック・ペンション専用サイト http://basicpension.jp は2021年1月1日に開設しました。
しかし、2020年から上記WEBサイトで、ベーシックインカムに関する考察と記事投稿を行っていました。
そこで、同年中のベーシックインカム及び同年12月から用い始めたベーシック・ペンションに関するすべての記事を、当サイトに、実際の投稿日扱いで、2023年3月から転載作業を開始。
数日間かけて、不要部分の削除を含め一部修正を加えて、転載と公開を行うこととしました。
なお、現記事中には相当数の画像を挿入していますが、当転載記事では、必要な資料画像のみそのまま活用し、他は削除しています。
原記事は、上記リンクから確認頂けます。
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