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公務員の給料の一部は、ベーシック・インカム性を持つ:BI導入シアン-4(2020/7/1)

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正規公務員の処遇上の優位性とベーシック・インカムとの親和性

 先の投稿
現状の年金生活者もベーシック・インカム受給者のようなもの:BI導入シアン-2
で年金受給高齢者は、現状の老齢基礎年金と厚生年金の一部を、ベーシック・インカム=生活基礎年金として受け取っているように見える、と述べた。
 今回は、叱られることは目に見えているが、公務員が現状得ている給料の一部は、ベーシック・インカム性を持つということについて考えてみたい。
 ここでの公務員は、どんどん増えている非正規職員の公務員ではなく、正規の公務員を指す。
 その理由として、以下挙げることができる。

1.公務員の給料は、税金を財源としている。
2.比較的公務員の給料と賞与は、企業のように業績などに左右されることなく安定しており、退職金も同様である。地方公務員においては、同一地域の民間企業の賃金レベルを上回る恵まれた処遇を得ている人が多い。
3.近年、公務員として非正規職員が採用される例が増えてきており、正規職と比べて、給料レベルが低い。これは、政府が主導する同一労働同一賃金制に反するもので、是正を要する。
4.多くが民間の事業所で働く、本来公共的な業務である保育職・介護職などの職種の賃金レベルが著しく低く、公平性を欠き、是正を必要とする。

 上記3.に関しては、非正規社員の処遇を引き上げることは期待できず、民間同様、正規職の処遇を抑制する方向に働くだろう。
 4.については、低賃金を補填する目的で補助金が事業所に給付されているが、あまねく行き渡っている証拠がなく、またそれでも賃金格差は改善されていない。
 ベーシックインカム制は、貧困と並んで格差を是正することを目的として、所得を再分配することで行う。
 公務員の給料・賞与は、民間企業のよう利益獲得を目的として事業経営を行うために、雇用した従業員に支払われた賃金・給料から徴収された所得税を源泉としている。
 その処遇が、民間企業の平均賃金よりも上回り、かつ同一職務である正規雇用公務員と非正規公務員とに処遇上の格差があるならば、その上回る部分は、ベーシック・インカムとして上乗せされ、正規職員に保障され加算されたものとみなすことができる。

公共的職業である社会福祉・社会保障関係職の低賃金との格差是正も

 このことについては、前項の4.で述べたので、多くの説明は不要かと思う。
 また、次回のテーマの一つでもあるので、ここでは省略したい。

すべての公務員にベーシック・インカムが支給されれば

 ベーシック・インカムは、有業・無業、正規・非正規、年齢・性別すべてを問わず、平等に支給される。
 従い、公務員にもベーシック・インカムは支給される。
 もちろん例外は考慮すべきだが、基本的にはこの時、民間企業の平均生涯平均所得よりも上回る部分を、引き下げ、給与・賞与を調整することが望ましいと考える。
 その調整額は、同時に、非正規公務員の給料・賞与と比較して、合理性があることも検討されてよい。
 もちろん、比較に用いる所得データが、どのレベルの民間企業かで議論が分かれるところだが、一般的に用いられる方法は、決まっていると思うので、それに委ねれば良いと思う。
 後日、当方でも調べて報告したい。いささか乱暴な意見をふっかけている自覚があるが、万一、所得データで納得できる格差と呼べるような数字・金額が出なかったら、お詫びして撤回すべきと考えている。
 ただ、正規・非正規の公務員間の格差の是正は、ベーシック・インカム導入時には必要と考える点は、譲れない。
 現状では、思案するとそう思え、私案化して俎上に乗せたいというレベルだ。
 公式に、試案として提起するレベルには至っていない。
 議論されてもよいテーマではないか、ということで。

<BI導入シアン>シリーズ紹介

 あまり肩肘張らずにベーシック・インカムについて考えてみる。
 思案投げ首とまでいかなくても、自由に発想・シアンしてみる。
 そうしながら、実現可能な、現実的な方策をシアン化・私案化する。
 それらをある程度批判に耐えられるようなレベルに、整理し、まとめて、当サイトのカテゴリー<BASIC INCOME>の該当する項目にシアン・試案として提案する。
 そういう流れをイメージして、<BI導入シアン>シリーズを始めている。
 今回までのラインアップは、以下となっている。
1.所得がある個人を別人格とみなす社会経済システム
2.現状の年金生活者もベーシック・インカム受給者のようなもの
3.中国がベーシック・インカム制を導入したら
4.公務員の給料の一部は、ベーシック・インカム性を持つ

 次回は、「働く人の格差是正を目的としたベーシック・インカム」というテーマを予定。
 日本におけるBI導入の大義名分・目的として、最も重要と考える背景についてのシアンです。

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本稿は、WEBサイト https://2050society.com 2020年7月1日投稿記事 2050society.com/?p=885 を転載したものです。
当ベーシックインカム、ベーシック・ペンション専用サイト http://basicpension.jp は2021年1月1日に開設しました。
しかし、2020年から、冒頭のWEBサイトで、ベーシックインカムに関する考察と記事投稿を開始。
同年中のベーシックインカム及び同年12月から用い始めたベーシック・ペンションに関するすべての記事を、当サイトに、実際の投稿日扱いで、2023年3月から転載作業を開始。
数日間かけて、不要部分の削除を含め一部修正を加えて、転載と公開を行うこととしました。
なお、現記事中には相当数の画像を挿入していますが、当転載記事では、必要な資料画像のみそのまま活用し、他は削除しています。
原記事は、上記のリンクから確認頂けます。

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