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中国がベーシック・インカム制を導入したら:BI導入シアン-3(2020/6/30)

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本稿は、WEBサイト https://2050society.com 2020年6月30日投稿記事 2050society.com/?p=872 を転載したものです。

 前回、
現状の年金生活者もベーシック・インカム受給者のようなもの:BI導入シアン-2
で、「もし中国がベーシック・インカム制を導入したら」という問いを投げかけた。
 今回は、私なりの回答である。

コロナ禍により各国でばらまかれたヘリコプター・マネー

 コロナで就労と収入の機会を多くの人が奪われ、日常生活に支障をきたすことから、各国で、救済措置が取られている。
 なんらかの形で、政府が国民・住民に一時的な現金給付を行った。
 いわゆるヘリコプター・マネーを撒いた。
 コロナにような感染症パンデミックに限らず、大規模災害時などにもこうした社会主義的な施策が、保守政治国・保守政治社会においても執られることは多い。
 日本でも、全員一律10万円の特別定額給付金が配布された。
 その殆どは、消費に回り、停滞する経済に多少なりともプラスに働くことになる。
 大義名分は成り立ち、国民の多くは反対しない。
 政治家も一律に受け取るのはおかしいという声が大きかったが。
 まあ、これは、コロナ禍における総理・内閣、政治・行政、国会・国会議員のお粗末な仕事の連続を見ての、呆れ返りと怒りに拠るものなのだが。

一時的ではなく、継続して無条件で全員に配布するのがベーシックインカム

 この一時的なヘリコプター・マネーではなく、生まれてから死ぬまで、無条件で、毎月、一律のおカネを給付するのがベーシックインカムだ。
 特に何か厄災があった時に限らず、平時でも、非常時でも、変わらず給付する。
 見方によっては、何かあった時に備えて、支給し続けるということも言える。
 経済的に余裕がある人は、べーシックインカムに手を付けずに貯蓄しておくかもしれない。
(私の提案では、ベーシックマネーは、基本的には、家族を含め、他人への譲渡や相続はできないのだが。)
 このとき、ベーシックマネーは、ヘリコプターマネーからファンダメンタルマネーに変わるのだ。

共産党一党独裁国家中国がベーシックインカム制度を取り入れたら

 先述したが、コロナで、多くの国がヘリコプター・マネーの配布など社会主義的施策を執らざるを得なくなっている。
 以前にも述べたが、実は過去、ベーシックインカム制は、政治体制において右からも左からも提案された経緯がある。
 それなりに成程と思わせる理由があるわけだ。
 ただ、時にそれはポピュリズム政策として、政治の道具とされる可能性がある。
 タダでは済まない何かが裏にあるわけだ。
 そこで、もし、中国がベーシックインカム制を導入したら?
 習近平ならばやりかねないと思う部分がある。
 人権問題で欧米諸国から非難・批判を浴びている、新疆ウイグル自治区への弾圧や、香港の民主化運動・反中国活動の抑圧。
 それらに対する新疆や香港の人民すべてに、ベーシックインカムを給付して、生活の安心・安定を保障したら・・・。
 加えて、3億人に近い農民工などの格差是正を掲げて、全人民にベーシックインカムを給付する共産党独裁政治を行ったら・・・。
 人民・住民の抑圧された怒りや不満のかなりが消滅する可能性が十分ある。
 その引き換えに、個人への監視が一層強化されるのだが、伴って独裁政治が盤石なものとなる。
 その財源は?
 巨額な国防費を抑制すれば十分可能だろうし、ベーシックマネーのために特別のカネか暗号通貨を発行することくらい、独裁政治ならばいとも簡単なことだろうから。
 ベーシックインカム導入でもたらす、人民の忠誠心は、ある意味、破壊兵器・殺人兵器にもまさる武器にさえなりうるだろう。
 脅威である。
 そして、国内基盤がより盤石にした上で、国家資本を投じて既に経済的に植民地化しつつあるアフリカ・アジア等諸国にもベーシック・インカム的な支援を行えば、悪夢の覇権主義国家群が誕生する。
 現地住民の圧倒的支持を受けて。
 彼らは完全に洗脳される。
 それで安心と幸せを感じることができるなら、それもいいのかもしれないが。
 否、そのようなことは絶対にあってはならないのだ!
(外野が吠えてもせん無いことだが。)

民主主義のモデル国家日本としてのベーシックインカム制導入検討を

 だから日本も先手を打ってベーシックインカムを!
 などと短絡して主張する気はない。
 しかし、そういうこともありうると考えておくべきかもしれない。
 で、日本はどうするかを考え、議論し、望ましいベーシックインカムのあり方、実現の仕方を議論・検討すべきではないか。
 ウィズコロナ、アフターコロナ、どちらを考えることにしてもだ。
 ただ、それを推し進めるのが、戦前の日本への回帰を目論む超保守派・右派であっては絶対にならない。
 まだ実現を見てはいないが、民主主義のモデル国家を創造するプロセスの軸の一つとして、ベーシックインカム制導入を位置付けることが望ましい。
 それが望ましい 2050society 2050年の日本社会に繋がると信じている。

<BI導入シアン・シリーズ>ラインアップ:
1.所得がある個人を別人格とみなす社会経済システム
2.現状の年金生活者もベーシック・インカム受給者のようなもの
3.中国がベーシック・インカム制を導入したら

 次回は、4回目で「公務員の給料の一部は、ベーシック・インカムのようなもの」を予定。

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当ベーシックインカム、ベーシック・ペンション専用サイト http://basicpension.jp は2021年1月1日に開設しました。
しかし、2020年から、冒頭のWEBサイトで、ベーシックインカムに関する考察と記事投稿を開始。
同年中のベーシックインカム及び同年12月から用い始めたベーシック・ペンションに関するすべての記事を、当サイトに、実際の投稿日扱いで、2023年3月から転載作業を開始。
数日間かけて、不要部分の削除を含め一部修正を加えて、転載と公開を行うこととしました。
なお、現記事中には相当数の画像を挿入していますが、当転載記事では、必要な資料画像のみそのまま活用し、他は削除しています。
原記事は、冒頭のリンクから確認頂けます。

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