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2021年考察

日本独自のベーシック・インカム、ベーシック・ペンションとは

「2002年アイルランド政府「ベーシック・インカム白書」によるBI定義・特徴」で取り上げた「ベーシック・インカム」の定義・特徴を意識・参考にしながら、当サイトがそれに代わって提案する「ベーシック・ペンション」とは何か、どういうものか定義・特徴を今回述べます。
その目的・背景などについては、別稿で述べることにします。
(参考)2002年アイルランド政府「ベーシック・インカム白書」によるBI定義・特徴(2021/1/13)

ベーシック・ペンションとは:生活基礎年金としての「ベーシック・ペンション」の定義

1.すべての日本国民に、個人ごとに支給される。
2.生まれた日から亡くなった日まで、年齢に応じて、無条件に、毎月定期的に生活基礎年金(総称)として支給される。
3.基礎的な生活に必要な物品やサービスを購入・利用することを目的に支給される。
4.個人が、自分の名義で、日本銀行に、個人番号を口座番号として開設した専用口座宛に支給される。
5.現金ではなく、デジタル通貨(JBPC、Japanese Basic Pension Currency)が支給される。

6.このデジタル通貨は、国の負担で、日本銀行が発行し、日本銀行から支給される。

以上が、ベーシック・ペンションの定義です。

※なお、6の項目は、2021年1月19日に追記しました。


次に、デジタル通貨JBPCで支給されるベーシック・ペンションの主な特徴とその条件を以下に述べます。

ベーシック・ペンション、デジタル通貨JBPCの特徴および条件

一般的に用いられるベーシック・インカムは、現金で支給されるとされていますが、ベーシック・ペンションは、現金ではなく、一種の電子マネーとして支給されることが大きな違いです。
それに伴い、以下の特徴及び条件があります。

【個人番号日銀口座限定】
1.日本銀行に開設した、個人番号を口座番号とするJBPC専用口座だけに保有でき、他の市中金融機関に送金・預金・保管はできない。
【国内限定】 
2.日本国内でのみ利用できる、一種の地域通貨である。
【使途限定】
3.利用できる商品やサービスは、基礎的な生活を送るための利用に限定される。
【利用事業所限定】
4.その目的に適応した、事前に申請し、認可された事業所で利用できる。
【デジタル通貨限定】
5.個人番号カードまたはインターネット上で、特定のアプリケーションソフトを用いて支払い決済し、それと同時に、個人口座から引き落とされる。
【期間限定】
6.利用できる期間が決められており、期限内に利用しない場合は自動的に日本銀行に回収される。
【譲渡・相続・資産化禁止】
7.個人当人の基礎的な生活に利用することを目的としており、他人への譲渡・相続や資産として長期に保有・蓄財することはできない。
【事業所法人番号紐付け日銀口座限定】
8.3の条件を満たし、事前に届け出て認可された事業所は、法人番号を口座番号としてたJBPC専用口座を、日本銀行に開設する。
【処理処分限定】
9.通貨保有者の利用によりJBPCを専用口座で受け取った事業所(以下、一次事業所)は、以下のいずれかの方法により、処理・処分できる。
 1)一次事業所と同様事前に申請し、承認を得た二次事業所からの物品の仕入れ・調達のために、一定期間内に利用する。
 2)国や地方自治体に納入する税金、保険料その他の納付金費用に充当し、国もしくは地方自治体に、一定期間内に納付する。
 3)決算時に、保有するJBPCを利益金と相殺処分して、日本銀行に送付する。
 4)上記のいずれかで、JBPCを一定期間内に利用・納付・処分することができない場合、期限内に日本銀行に届け出て、現金と交換する。
【日本銀行管理限定】
10.利用・流通・保管されたすべてのJBPCは、上記の期間内にすべて日本銀行に回収・返却され、日本銀行の資産処分により消却(バーン)され、還流してきたJBPC残高はなくなる。

以上が、JBPCの特徴とそれを利用するに当たっての条件です。

※上記10.項目目は、2021年1月19日に追加しました。


次に、では一体いくらベーシック・ペンション、生活基礎年金を受け取ることができるのか、です。

ベーシック・ペンション、JBPCの支給額

ベーシック・ペンションは、日本国籍を持つすべての日本国民に、生まれてから亡くなるまで、具体的には、出生届に記載された誕生日月分から、死亡した日が属する月の分まで、年齢及び学齢に応じて、(総称して)生活基礎年金として、毎月支給されます。
年・学齢は以下の4区分とし、それぞれ異なる名称を用います。

1.0歳以上学齢15歳まで     児童基礎年金  毎月8万円
2.学齢16歳以上学齢18歳まで  学生等基礎年金 毎月10万円
3.学齢19歳以上満80歳未満まで  生活基礎年金  毎月15万円
4.満80歳以上           高齢者基礎年金 毎月12万円

当然、乳幼児や義務教育児童、重度の介護を必要とする高齢者などのJBPCの管理は、親権者・保護者・後見人などに法に基づき委嘱されることになります。
詳細は、別に規定することとしています。


次に、【使途限定】制であるJBPCを利用できる物品及びサービスの内容について説明します。

ベーシック・ペンション、生活基礎年金JBPC通貨の利用方法

JBP通貨は、生活基礎年金という名称が示すように、基礎的な生活を送るために必要な一定の商品やサービスの支払いだけに利用することができる、使途限定通貨です。
そのため、原則として、以下の分類での物品購入やサービス利用などにのみ利用できます。

1.飲食費・住宅費・水道光熱費・衣類日用品費などの生活基礎費
2.通信費・交通費・国内旅行費及び一部娯楽サービス費 
3.入学金・授業料・受験料、教育訓練研修費・教材費・新聞図書費
4.健康関連費・市販医薬品費
5.医療保険・介護保険等社会保険給付サービス利用時の本人負担費
6.その他法令で定める生活諸費用

実際には、対象商品やサービスなど、詳細に法令で規定することになります。
パチンコ、競馬・競輪・競艇等への支出や、一定額以上の高額品・奢侈品などの購入を認めるかなど、十分検討した上で決定することになります。

JBPCの利用期間・期限

支給され、利用される【期間限定】のデジタル通貨JBPCには、発行西暦年が記録されており、受給者は、その年次を1年とみなして通算4年間に限って利用できます。
一次事業所は、受け入れたJBPCの利用・納付・処分などを、受け入れ西暦年次を1年とし、合計3年以内に行う必要があります。
二次事業所も、同様です。
各々その期限までに利用・納付・処分を行わず保有していた場合、自動的に日銀に回収され、回収されたJBPC価額は、会計上損金処理します。

これにより、受給者に支給されたJBPCは、最長で8年間国内に流通存在し、政府・地方公共団体を経て、あるいは直接、日銀に回収され帰着します。
納付あるいは回収された政府・地方自治体および日銀におけるJBPCの取り扱いについては、別稿で説明します。

今回は、生活基礎年金ベーシック・ペンションとはどういうものか、定義と特徴に絞って説明しました。
しかし、これは、ベーシック・ペンションがどういうものかを理解するだけのためのもので、なぜ支給するのか、なぜデジタル通貨なのか、どうして条件が付くのか、など、本来知り、理解しておく必要がある重要な内容に触れていません。

これから順次、別稿にて説明・解説を行っていきます。

【ベーシック・ペンションを理解するための論考リスト】

日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金「10のなぜ?」を始めます(2021/1/19)
なぜ国がベーシック・ペンションを支給するのか?憲法の基本的人権を保障・実現するため:ベーシック・ペンション10のなぜ?-1(2021/1/20)
なぜすべての個人に、平等に、無条件にベーシック・ペンションを支給するのか:ベーシック・ペンション10のなぜ?-2(2021/1/21)
なぜ日本銀行が、デジタル通貨でベーシック・ペンションを発行・支給・管理するのか:ベーシック・ペンション10のなぜ?-3(2021/1/22)
諸説入り乱れるBI論の「財源の罠」から解き放つベーシック・ペンション:ベーシック・ペンション10のなぜ?-4、5(2021/1/23)
なぜ循環し、回収消却され、再生し、世代を継承していくベーシック・ペンションなのか:ベーシック・ペンション10のなぜ?-6~10(2021/1/24)
ベーシック・ペンションの年間給付額203兆1200億円:インフレリスク対策検討へ(2021/4/11)

<ベーシック・ペンションをご理解頂くために最低限お読み頂きたい3つの記事>

⇒ 日本独自のベーシック・インカム、ベーシック・ペンションとは(2021/1/17)
⇒ 生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)2021年第一次法案・試案(2021/3/2)
⇒ ベーシック・ペンションの年間給付額203兆1200億円:インフレリスク対策検討へ(2021/4/11)

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