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女性活動家にとってのベーシックインカム:『ベーシックインカムとジェンダー』から考える

山森亮氏の著『ベーシック・インカム入門 』(2009/2/20刊)の第2章に「家事労働に賃金を! ー 女たちのベーシック・インカム」という章があります。
フェミズム運動の一環としてのベーシック・インカムを要求する過去の歴史とその事例を紹介した章です。
ただ、章のタイトルでは<家事労働>としているため、対象領域が随分狭い印象を受けますが、フェミニズム運動は、ジェンダー問題と結びつけてこそ意味があることと私は考えています。

そのため、その章だけでは非常にもの足りず、他に参考になる書がないかとして知ったのが、本書『ベーシックインカムとジェンダー』(2011/11/15)です。

この書を参考に、当サイトの起点となったWEBサイトhttps://2050society.com で、2020年11月28日から3回にわたって、まさに「ベーシックインカム」と「ジェンダー」問題とを結びつけて考えて投稿しました。
今回、その記事をリンクして紹介したいと思います。

まず、3回共通して冒頭記したのが、同書の構成に当たる以下の目次です。

ベーシックインカムとジェンダー 
  - 生きづらさからの解放に向けて -


 はじめに                     白崎朝子氏
 第1部 ベーシックインカムとジェンダー      編者一同
   - 現代社会における女の位置付けとベーシックインカム -
  はじめに
  1 現代社会における女の位置付け
  2 女にとってのベーシックインカム
  3 ベーシックインカムは、女にとっての「解放料」か「口止め料」か?
 第2部 様々な「おんな」の立場から-ベーシックインカムを語る 
  1 女性労働問題の課題と展望        屋嘉比ふみ子氏
  2 社会活動と「食っていくこと」のはざまで   野村史子氏
  3 自由と自律 ~ベーシックインカムをめぐって 白崎朝子氏
   - シングルマザー、サバイバーの立場から
  4 暮らし方・生き方モデルを示す制度にNo!   桐田史恵氏
   - 私が私の暮らしを生きる権利を阻害させないための
     ベーシックインカム
  5 女/学生/ベーシックインカム       堅田香緒里氏
   - 女/学生に賃金を!
  6 うっとりする時を取り戻すために      佐々木 彩氏
  7 ケアワーカーと貧困、低学歴問題としての
    不登校・引きこもり            吉岡多佳子氏
  8 私とベーシックインカム           楽 ゆう氏
  9 セクシュアル・マイノリティの立場から
     ベーシックインカムを考える         ミナ汰氏
   - ジェンダー公正を踏まえた社会保障の
      ユニバーサルデザインに向けて
 第Ⅲ部 座談会 ベーシックインカムは家父長制を打ち破れるか
  桐田史恵・瀬山紀子・野村史子・屋嘉比ふみ子氏 司会白石朝子氏
 あとがき                     白崎朝子氏
 

次に、3つの本論を紹介する前に、以下の1回目で紹介した当書の編著者である白崎朝子さんによるプロローグ「はじめに」の一節を紹介します。

 本書は、今の日本社会で懸命に生活を営み、働き、子育てをしながら、貧困状態や生きづらさを余儀なくされている当事者たちの”生の声”である。
 本書は必ずしもベーシックインカムを無条件に賛美するものではない。
 日本のベーシックインカムを巡る現状はアカデミズム中心の議論であり、そこではマイノリティへの真摯な眼差しが欠落しがちであり、多くはジェンダー視点が不足している。
(中略)
 本書はアカデミズム中心の議論に終始している現状に対する異議申し立てである。

本書の発行は2011年。
長引くコロナ禍を背景としてその必要性が喧伝されている現状を考えると、ここに書かれた「アカデミズム中心の議論」が今も変わらずなされているとは言えないでしょう。
しかし、コロナ故に、ジェンダー視点は、一層欠落しているのではと考えざるを得ないのも事実です。
本書を斜め読みして結論付けたことは、第3回目で展開しています。
また、その回で『ベーシックインカムとジェンダー』に『お金のために働く必要がなくなったら、何をしますか?』を両書で執筆している堅田香緒里さん繋がりで利用しました。

以下、各回のタイトルと記事中の展開項目(小見出し)をピックアップしました。
詳細は、リンク先の記事でお読み頂くか、本書そのものでお読み頂ければと思います。

1.白崎朝子氏「あとがき」から考える『ベーシックインカムとジェンダー』論(2020/11/28)

・編著者・白崎朝子さんの思いを<あとがき>から知る
・『ベーシックインカムとジェンダー』編集方針と構成
・女性間でのベーシックインカム実現の位置付け・目的の共通認識化を

2.性別役割分業解放料としてのBI、口止め料としてのBI(2020/11/29)

・「ベーシックインカムは、女にとっての「解放料」か「口止め料」か?」から
・「社会活動と「食っていくこと」のはざまで」:野村史子氏著から
・「暮らし方・生き方モデルを示す制度にNo!」:桐田史恵氏著から

3.マジョリティとしての女性水平グループ創出へ(2020/11/30)

・座談会の発言からのピックアップ 家父長制、男性優位社会批判を超越して!
・家父長制打破に照準を合わせる必要があるか
・『お金のために働く必要がなくなったら、何をしますか? 』における堅田香緒里氏の「フェミニズムとベーシックインカム」より
・新しい魔女の出現を期待!?
・男女共通社会問題を解決・解消する取り組みへ!
・経済・経営への女性主体事業創り、組織作りを進める!
・多種多様な社会運動を包摂し、政治活動に結びつけるカウンター・デモクラシー・グループ形成へ!

活動家としてのベーシックインカム、その意義と限界


言うならば、同書は主に活動家視点でのベーシックインカム論です。
というよりも、ベーシックインカム云々よりも、ジェンダーを巡る社会問題の現状を語り、ついでにベーシックインカムの在り方に関係させて意見を述べる、という形と言えるかと思います。

活動家としての生き方は素晴らしいと思いますが、その及ぼす影響は、自身の活動領域のみにとどまります。
それは当然で、それで良いのでしょうが、結局根本・本質的な解決には至らないことがほとんどと思います。
すなわち、視野が限定されているが故に、成果・効果(これも実際獲得できることも稀れなのですが)も限定的。
故に、本質的に繋がっている真因や問題自体にまで踏み込めない、踏み込まないため、社会変革・改革に至らないのです。

そこで、3回目にまとめとして提起したのが政治の場に活動を移すべきということです。
そしてこの帰結は、ベーシックインカムの実現においても同様の課題を持つことに繋がることも、ご理解頂けるのではないでしょうか。

最後にもう一つ。
ベーシック・ペンションは、すべての女性が抱えるジェンダー問題の改善・解消に直結する、換言すれば、すべての女性ジェンダーを包摂する社会システムとなることを申し添えておきたいと思います。

<ベーシック・ペンションをご理解頂くために最低限お読み頂きたい3つの記事>

⇒ 日本独自のベーシック・インカム、ベーシック・ペンションとは(2021/1/17)
⇒ 生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)2021年第一次法案・試案(2021/3/2)
⇒ ベーシック・ペンションの年間給付額203兆1200億円:インフレリスク対策検討へ(2021/4/11)

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