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ベーシックサービス対ベーシックインカムの戦い?(2020/10/20)

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ベーシックインカム(生活基礎年金制度)案再考察-16

基本的人権基盤としてのベーシックインカム制導入再考察と制度法案創り
ベーシックインカムの定義再考察:JBIとは(Japanese Basic Income)
財源問題、所得再分配論から脱却すべき日本型ベーシックインカム
日本型ベーシックインカム実現をめざすカウンター・デモクラシー・ミーティングを開設!
BIは、日本国内のみ利用可、使途・期間限定日銀発行デジタル通貨に
ベーシックインカム生活基礎年金月額15万円、児童基礎年金8万円案
ベーシックインカム生活基礎年金15万円で社会保障制度改革・行政改革
ベーシックインカム生活基礎年金、段階的導入の理由と方法
実現シナリオ欠落の理想的ベーシックインカムの非社会性
ベーシックインカムの特徴と魅力、再確認・再考察
ベーシックインカム導入で健康保険・介護保険統合、健保財政改善へ
ベーシックインカムとコロナ禍の政府債務膨張、デジタル人民元実験との関係
コロナ禍がベーシックインカムの必要性・不可欠性を証明(山森亮教授小論より)
ベーシックインカム中央銀行通貨発行論者SS氏との仮想対話
日本型ベーシックインカム実現に思想家、哲学者、歴史家、学者は要らない。必要なのは
と、回を重ねること15回の<再考察シリーズ>。

 今回は、専用デジタル通貨について再考察する予定でしたが、前回の
日本型ベーシックインカム実現に思想家、哲学者、歴史家、学者は要らない。必要なのは
の中で名前を出した、藤田孝典氏のSNS上での発言が、ベーシックインカムと関係していたので、ちょっと寄り道します。
 ベーシックインカムへに対抗するかのように主張している、ベーシックサービスについて考えます。

ベーシックサービス提案の藤田孝典氏、公明党へアプローチ

 一昨日10月18日に、藤田氏がFacebookに投稿した内容を以下に転載しました。

 月刊「公明」への依頼原稿を脱稿。
 公明党の石井啓一幹事長が慶應義塾大学の井手英策さんたちと提唱し続けてきた「ベーシック・サービス」論に注目してくれており、幹事長報告でも「ベーシック・サービス論を本格的に検討する場を党内に設け、給付と負担の両面から積極的に議論を行っていきたい(月刊「公明」11月号P42)」と述べています。
 それを受けて、ポストコロナのための「新しい生活保障政策」の提案 -「脱商品化」と「脱成長」という社会構想の実現に向けて- をテーマに次号へ寄稿します。

 現代の貧困論では基礎的ニーズが満たされない状態を貧困と捉えますが、現代日本の基礎的ニーズとは何か、そのニーズを満たす政策はどうあるべきか、議論を進めてほしいと思います。
 公明党の石井啓一幹事長とは国土交通大臣時代に対談をさせていただきました。
 現在は政権与党の一角の幹事長です。
 党内でのベーシック・サービス論の普及・啓発、議論の活性化に期待です。

 公明党は現政権の与党ですから、少数派といっても可能な範囲で影響力を行使してほしいですね。
 2018年の井手英策さんたちとの共著「未来の再建」にベーシック・サービス論の叩き台があります。
 ベーシック・サービスは動的なもので、常に社会情勢によって基礎的ニーズが変化します。
 民主的に議論をしていかないと政策実現できないものでもあります。
 どのような手法でベーシックニーズを定めて政策化するのか、公明党の手腕に期待します。

 歴史的には日本共産党と公明党は犬猿の仲だと思います。
 私にとってはどうでもいいのですが、現実政治は社会へのインパクト、実効性ですので、双方に期待します
 野党の日本共産党は政策実行力がないので、社会へのインパクト、与党の公明党は政策実行力に期待ですね。
 双方できる範囲で尽力いただけたらと思います。

 ベーシックサービスは立憲民主党も政策に掲げてくれていて、与野党で議論しながら少しずつ、脱商品化を進めてほしいです。
 新自由主義に対抗するための武器になりますし、これまでの民営化、商品化、市場原理を牽制する効果もあります。
 それってお金出して買うべきものなの?と色々な商品に疑問を持っていきたいです。

 貨幣、市場の強大な力を抑え込む政策がベーシックサービスの整備でもあるので、どんどん無償化、低負担領域を増やせ、と声をあげていきたいですね。


 前回以下の投稿で紹介した『ベーシックインカムを問いなおす』では、藤田孝典氏も今野晴貴氏も執筆しており、恐らく、同書で両氏とも「ベーシック・サービス」を提案・主張していると想像できます。
 左も右も中道も、どれも利用できるものは利用しよう。
 現実論として、その方法には賛成です。
 共通性を見出すことができれば、それを軸に統合・調整を図ればいい。
 私のベーシックインカム導入と同じ考えです。
 しかし、ベーシックインカムに関しては、それ自体問題があると思うので、その何股もかけるのはどういうものか。

菅内閣看板の行政改革・規制改革視点からベーシックサービス、ベーシックインカムを考える

 提案の詳細を読んでからにしなければいけないのですが、ベーシックサービスから想像されるのは、行政の拡大・肥大化です。
 これは、ある意味リベラルの得意とする領域なのですが、逆に、保守も官僚機構も既得権を守ることに加え、新たな権力も加えること(=お上としての仕事を増やすこと)にもなるため、同じ馬に乗る可能性、大です。
 サービスを受けるための申請とそれが適切かどうかの承認手続きが必須になると思われ、直接サービス以外にその管理コストがかかるわけです。
 いくら適用基準を設けても、何かしらの線引が必要で、裁量性も伴うことになる可能性もあります。
 加えて、そこから漏れる人々をどうするか。
 申請できない人、申請しない人、申請から漏れた人です。
 現状の生活保護制度で起きているのことと同質の問題が発生するのではないか。
 穿った見方をすれば、それらの人たちのためにサポートする組織も必要になるわけで、活動家の得意とする、かつその存在意義を示すことに繋がります。
 深読みし過ぎではありますが。

 一方、ベーシックインカムは、裁量性をなくし、それにより問題を抱える人々の多くをカバーできるメリットがあります。
 本来、主義的には小さな行政をめざすベーシックインカムを支持すべき保守が、行政の肥大化に繋がる可能性が高いベーシックサービスを志向することになれば、その裏の思惑が透けて見えることになります。

 しかし、こういうルートを持っていることは見倣うべきかもしれません。
 ベーシックインカム学会にマスコミが押し寄せるようになってきたのは望ましいこと。
 しかしそこで重要なのは、マスコミが興味関心を持ち、取り上げてくれる具体策とその内容・質でしょう。
 学会自体が、ベーシックインカムが実現してもしなくてもよいというようなスタンスならば、あまり存在意義はないような気がしてしまいます。
 まあ、くれぐれも、ベーシックインカム学会が、ベーシックサービス学会に宗旨変えしないように、と願うものです。
 ということで、一応、ベーシックサービスについては、知っておくべきなので、いずれもう少し突っ込んで考えたいとは思っています。

井手英策氏提案の「ベーシックサービス」とは何か?

 先述の図書を入手する前に、少しはベーシックサービスについて知っておこうとネット検索して行き当たったのが、その元々の提案者であり『欲望の経済を終わらせる 』を発刊した井手英策氏に対するインタビュー。
 その中からエッセンスを取り出して、紹介してみたいと思います。

 新型コロナウイルス関連政策では、短期不安と長期不安を区別しなければいけないのに、みんな不安だからと一律に10万円を配ったのはムダ使い。
 大企業や富裕層は影響が少ないのだから、彼らにもっと税金をかけなければおかしい。
 左派やリベラルはハッキリそう言うべきなのに、消費税減税だと言う。
 消費税を5%下げると税収は14兆円減る。
 減税するくらいなら国債を発行して借金をします
 そして、ベーシックサービス(医療、介護、教育など誰もが必要とするサービス)の充実に当てる。
 医療費や介護の自己負担額を思い切って軽減する。
 大学授業料もタダになる層を増やします。
 さらに、富裕層・大企業への増税を行ない、低所得層に直接届く現金給付を増やすでしょう。

 僕は消費税増税を訴えるので、「反消費税派」からも悪魔のように嫌われるが、増税を分配とセットで語るのは財政学のイロハのイ。
 消費税に逆進性があったとしても、すべての人たちにベーシックサービスを給付していけば結果的に低所得層は得をする。
 また、国債を増やして現金をさらに給付するという主張もありますが、税の痛みのないバラマキは政治や民主主義への無関心を生む
 将来の負担につながることだから、今いらないものや、どうしても必要なものを議論する。
 それが民主主義であり、税があってこその「財政民主主義」
なんです。
 民主主義を犠牲にしてまでお金をバラまけというのは、政治家的には自己の存在否定であり、社会的には全体主義への道

 日本では、所得が生活保護の基準を下回る世帯のうち、実際に生活保護を利用しているのはわずか15、16%。
 雇用が不安定化し、所得が増えず、貯金もままならない状況なのに、日本人は「人様のご厄介になりたくない」というメンタリティが強い。
 歯を食いしばって耐えているから、生活保護利用者に対するバッシングも起きます。
 生活保護は誰かに助けてもらっているのではなく、生きていく権利なんです。
 ただ、その意識が日本では弱い。
 だから、お金持ち貧しい人も、お年寄りも若者も外国人も、すべての人が税金を払う代わりに、すべての人がベーシックサービスを受け取る権利を持つ社会に変えていくんです。
 現金給付ではなく、サービスを直接給付することによって、「国のご厄介になる」という意識は小さくなります。

 ベーシックサービスのメニューがここですべて示されているわけではないので、決めつけられないのでが、「すべての人が受け取る権利を持つベーシックサービス」でも、申請手続きを必要とすることで「ご厄介になる」感覚を持たせることになるのでは、と思います。
 また、すべての人が受け取るかどうかも、サービスメニュー次第でしょう。
 消費税を財源とすることと所得税を財源とすることとは、本質的にはあまり変わらないことも確認しておきたいですね。
 減税するのなら赤字国債を発行する、というのも同根。
 民主主義の捉え方にも違和感がある。
 まあ、ここまでの発言内容には、ほとんどインパクトはなく、短絡的です。
 ベーシックサービスをベーシックインカムに置き換えたほうがしっくり来るのですが。

なぜベーシックインカムではなく、ベーシックサービスなのか?

 インタビューアーのこの質問への回答は、以下。

 実現可能性が高いからです。
 そもそもベーシックインカムは、働くか、余暇を楽しむかを自由に選べるようにすることに狙いがある
 10万円の一律給付で、みなさんは仕事を休んでバカンスを楽しみましたか? 
 そうではないはず。欲しい物を買うか、多くの人は貯金したでしょう。
 それなのに13兆円ものお金がかかったんです。
 これは幼保無償化14年分、大学無償化5、6年分のお金。
 また、単身世帯への生活保護支給額は平均で月12万円といわれていますが、これを全国民に給付するとなると、約173兆円必要になる。
 一瞬にして国家予算が破綻します。
 ベーシックサービスは17兆円くらいで実現できます。
 とても安上がりなんです。要らない人は使わないですから。
 大学がタダになっても、すでに卒業した人は入り直さないでしょう? 
 でも、必要な人にとっては劇的に暮らしが楽になる。
 一方、年間10万円の現金給付だと、子供ひとりの大学の学費を貯めるのに40年かかります。
 ベーシックサービスが提供されれば、将来不安も解消されて、子供の数も増えると思います。

議論したいのだが、議論にならないですね、残念ながら。
一部繰り返します。

そもそもベーシックインカムは、働くか、余暇を楽しむかを自由に選べるようにすることに狙いがある。」
年間10万円の現金給付だと、子供ひとりの大学の学費を貯めるのに40年かかる。ベーシックサービスが提供されれば、将来不安も解消されて、子供の数も増える。

 この程度の子どもじみた理解をし、バカな断定や例え話をする学者もいるのです。
 10万円の特別定額給付金という一時金の話がどうしてここで出てくるのか。
 こんな学者は、本当に要らない。
(参考) 日本型ベーシックインカム実現に思想家、哲学者、歴史家、学者は要らない。必要なのは

 「安上がり」だから「実現性が高い」。
 保守自民党政権には、美味しい話で、望むところのはず。
 得意の小手先政策、「やっている感」政治の見本のようなものになってしまう。
 恐ろしいのは、もしこれに公明党やなんと立民までもが乗って超党派になってしまったら、社会保障システム改革は遠のくばかり。
 あの藤田氏が、この考えに乗るとは信じられないのですが。

藤田孝典氏の介護の仕事と介護業界・介護制度への認識

 実は、「この程度の認識」のサンプルみたいなことが、先述した藤田孝典氏の昨日のFB投稿でもありました。
 それは、同氏のこんなコメント。

・厚生労働省が介護福祉業界への転職、参入を促す政策を実施しています。
 失業中、休業中の方で介護福祉に関心があれば参照いただきたいです。
 また新しく介護福祉業界に参入される方には、業界の処遇改善にも取り組む労働組合への参加も併せてお願いしたいです。
・失業中、休業中の方は介護福祉に転職しませんか? 動く厚生労働省 20万円の条件付き支給制度も予定
厚生労働省の広報力は低いし、メディアもあまり取り上げないので、拡散いただけたら幸いです。

と厚労省の片棒を担いで関連コンテンツへのリンクを貼っていたのです。
 抜本的な改革を行わず、人材紹介ビジネスのような事を平気でやる厚労省のお手伝いです。
 これにはびっくりしました。
 彼の活動には敬意を持っていたのですが、お役所のなんとか委員会などに名を連ねるようになると、勘違いするかのようなお手本のようなもの。
 厚労省のやっていることがあまりにもお粗末であり、本末転倒であり、取り上げる方がおかしいのです。
 恐らく介護分野はあまりご存じないのだと思いますが、ビックリとガックリ同時発生でした。
 案の定、疑問に思う方のコメントがしっかりあったので、少しは現実を知ったでしょうか。それを引用しました。

 国は転職を促す政策だけではダメだと思います。
 異業種から転職された方は特に研修が大切ですが、コロナもあって、各々の事業所の研修体制はほぼ壊滅状態ではないでしょうか。
 社会資源不足から国が規制緩和で事業者を増やしたのは仕方がなかったとも思います。
 しかし、例えば東京都社会福祉協議会では、新規参入事業者の多くは会員施設となっていません
 東社協でどれほど重要な研修を行っても、非会員施設の株式会社やNPO法人などにはそれを受ける機会がありません。
 就A事業所の閉鎖・利用者解雇問題など、営利法人の不祥事は後を絶ちませんし、社会福祉法人も同様
 募集も人手不足から「経験不問」です。
 社会福祉の基本的な知識がないままに仕事をすると大変な人権侵害を引き起こしますし、支援技術がないままに先輩からの口伝のやり方で仕事をすると、利用者に死に至る事故などを起こしかねません。
 支援現場はそんなギリギリの状態が、コロナ以前から続いています。
 とにもかくにも研修が必要です。

 しかし、労働組合が学習会などを呼びかけてもなかなか職員の参加がないのが現状です。
 労働組合への偏見もあるし、忙しくてそれどころじゃない職場の現実もあります
 派遣職員に限らず、直接雇用の職員にすら研修機会が保障されない事態が続いています。
 利用者の原因不明の事故、ケガ・・・。
 このままじゃ本当に利用者が死んでしまいます。
 何より業務扱いでの研修がそれぞれの事業所で職員に保障されていなければいけないと思います。
 国は介護・福祉など誰でもできると考えているのでしょう。
 介護や福祉を担う労働者をどう育てるのかという観点で政策を立ててほしいと心底思います。

 高齢者介護に関わる制度の見直しをしない限り、これからの方、今までの方も介護に携わる方々の処遇は良くならんと思いますが。
 介護業界の人材確保において、派遣やら、紹介やらの金儲けを目的とした輩がたかっている中、直接、事業者に就労を申し出ないと補助金が出ないなどの制度を設けてもらえないと、介護事業者の負担が増すだけ。
 結果、補助金で撒いた金は、福祉と全く関係のない人材会社に回収されると、考えちゃいますね。

また労組、組織化に関する同氏の以下のコメントがあります。

 制度見直しの要求圧力も強めないといけないのですが、なにぶん、介護労働者が結集をしないことには始まらないと思っています。
 集まれば労働者人口で圧倒的な数になりますし、エッセンシャルワークなので、他の労働者、家族の社会生活にも甚大な影響を与える分野です。
 介護労働で日本が回っているといっても言い過ぎではないくらいの重要度です。集まって声をあげたいですよね。
 職能団体も労働組合も双方の機能を活かせばいいのではないかと思います。

それに対するフォロアーの以下のコメントがありました。

 なんで労働組合なのですか?
 職能団体のはず。
 労働組合は、対使用者との交渉で。
 待遇や介護報酬改定など制度的な部分は職能団体でまとまって国にです。

 介護系のでかい労組は、雇い主が介入している。
 ある意味、国の言いなり。
 本当に介護労働者の結集は何を持ってなされるか。
 職能も事業団体も、与党系色が強い。
 声上げの方法、この業界に働く方々が、個々で声の挙げられる方法(選挙)にて、今の政治では成り立たん事に気づいて、動いてくれる事を願いますね。

 さまざまな社会問題に果敢に挑んでいる藤田氏、の印象が強いのですが、この介護に関しては、随分甘い認識なんだな、と少々残念な思いをしています。
 介護業界も保育業界も、根本的には誤った行政による問題が、改善どころか、どんどんひどくなっています。
 そしてコロナによって、決定的なダメージを受けた状況に至っています。
 しかし、それよりも何よりも、このままベーシックサービス派である続けるのかどうかは、少しばかり気になります。
 同じ考えをお持ちと想像される今野晴貴氏は、FBの友達リクエストには、即応えてくれましたが、藤田氏は反応なし。
 しかしFB等SNSでの発信力は素晴らしいので、ベーシックインカムについても、別の観点から見直してほしい。
 率直にそう思っています。

介護職・保育職の方々に必要なベーシックインカム

 そのエセンシャルワーカーの方々に提供される、利用できるベーシックサービスには、何が、どの程度あるのでしょうか。
 訴えるにも訴えられない。
 こういう人たちが、いかに多いか。
 基本的に、ベーシックサービスは、受益者・利用者に目は向けていますが、自分で申請する、ある意味「自助」必要主義です。
 そのため、申請者はサービスを受益できるでしょうが、それができない人は、結局「自助」努力がないために排除される可能性がある。
 そして何より、保育や介護等の厳しい労働条件・労働環境の現場で働く人々や、やむなく非正規雇用で働いている人たちは対象になっていない、あるいは対象から外れていることをほとんど認識していません。
 せいぜいで、その人たちが、介護や医療や教育などのベーシックサービスを受ける家族がいる場合には想定できるかもしれません。
 しかし、根本的に厳しい労働条件や労働環境の改善は、ベーシックサービスの及ぶところではありません。
 やはり、こうした方々のために有効なのはベーシックインカム。
 そう思います。

「安上がり」に乗る可能性があるベーシックサービスは危険

 いずれにしても、井出氏の「安上がり」だから、というこの決め文句の、なんと「安っぽい」こと!
 保守自民が喜ぶ文句ですし、万一立民似非リベラルまで賛同すれば、もう何をか言わんや、です。
 まあ、しっかりその主張・内容を読んだわけではないので、早とちり、誤解もあるかも知れませんが、大筋のところは間違っていないのでは、と思います。
 機を改めて取り上げたいと思っています。
 しかし、竹中の無茶苦茶7万円論にしても、この安上がりベーシックサービス論にしても、あの自民党・菅内閣、財務省・厚労省ならば、絶対に乗らない、やらないとは断言できない、と不安になります。
 多くの人々の賛同・支持をえることができる日本型ベーシックインカムの提案と活動展開を少しは急がねばと思うのですが。

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本稿は、WEBサイト https://2050society.com 2020年10月20日投稿記事 2050society.com/?p=5362 を転載したものです。

当ベーシックインカム、ベーシック・ペンション専用サイト http://basicpension.jp は2021年1月1日に開設しました。
しかし、2020年から上記WEBサイトで、ベーシックインカムに関する考察と記事投稿を行っていました。
そこで、同年中のベーシックインカム及び同年12月から用い始めたベーシック・ペンションに関するすべての記事を、当サイトに、実際の投稿日扱いで、2023年3月から転載作業を開始。
数日間かけて、不要部分の削除を含め一部修正を加えて、転載と公開を行うこととしました。
なお、現記事中には相当数の画像を挿入していますが、当転載記事では、必要な資料画像のみそのまま活用し、他は削除しています。
原記事は、上記リンクから確認頂けます。

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