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年金改革法、厚生年金パート加入拡大で考えること

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2022年10月から厚生年金保険・健保適用事業所拡大で、パート加入者増加

 年金改革法が2020年5月に成立し、厚生年金と健康保険の適用事業所が従来よりも拡大されることになっている。
 具体的には、
・週20時間以上30時間未満の短時間労働で
・月額賃金8万8千円以上を受け取る労働者が加入を義務付けられていた企業規模の条件が
・現行の従業員501人以上から、2022年10月以降101人以上、24年10月以降51人以上へ段階的に引き下げられる。
 これにより、約65万人が新たに加入する見込みという。
 負担が増える被用者には減収を嫌う人がいるが、将来の自身のプラスになるし、既に多くの同様の人は加入している。
 問題は、保険料の半分を負担すべき雇用者・事業者の方だ。
 従来負担を免れていたが、この措置がなくなり、経営コストが増える。
 あるいは、保険料負担を嫌い就業時間を減らすパートなど非正規被用者も出る可能性があり、流通サービス業などでは、人事労務管理上影響を与える。
 頭が痛い経営者が多くいることと推察する。
 しかし、零細企業・小企業であることが本来理由になることとは思えないのだが。

 1988年に独立し、当初から株式会社化した私は、休業状態にある今に至るまで、一人だけの被用者でもあり経営者でもある自分と企業、双方の負担保険料を払い続けてきた。
 それが、企業の使命・責任と考えてきた。

在職老齢年金支給規定変更で、高齢者の働き方長期化・多様化

 一方、今回の改正では、60~64歳の被用者の在職老齢年金の支給停止が開始される賃金・年金合計額を、現在の月28万円から2022年4月に47万円に引き上げる。
 また、現状60~70歳の年金受給開始年齢を、22年4月か60~75歳に拡大。
 受給開始を遅らせれば年金月額が増え、例えば75歳からとすれば、元の1.84倍となる。
 従い、高齢者の働き方の選択肢を増やすことになり、企業サイドには労働力人口が減少する中、プラスに働き、被用者の老後にもプラスになるとされている。
 いろいろ選択肢があるかのように書いたが、長く働くか、年金を何歳から貰うようにするか自分で決める、その中での選択、という意味でのことだ。
 何歳から要介護状態になるか、何歳で夫婦の一方が亡くなるか。
 年金受給は、それらのライフステージと関係する重要な要素・要件だが、人の人生は、いつどうなるか分からない。
 その中での意志決定は、クジを引くようなものだ。
 といろいろ思いつくが、実際の改定の狙いは、年金財政の悪化のスピードをごく僅かだが緩めることにある。
 年金制度の抜本的な改革など、全く念頭にない、弥縫策に過ぎない。
 いろいろ、考えうることを、その中で、実現しやすいことをタイミングとレベルを選択して改定内容としているわけだ。
 またこの改定は、厚生年金被保険者である被用者に限った話であり、国民年金のみに加入の自営業者には無縁の話であり、メリットもデメリットもない。
 要するに、繰り返しになるが、本来必要な抜本的な年金制度改革・社会保険制度改革とは無縁なもので、問題の先送りを続けるモラトリアム政治・行政の象徴である。
 コロナ禍と毎年繰り返される自然大災害の復旧・復興に必要となる赤字国債とは根本的に異なる、恒常的な財政赤字の要因である社会保険制度に関わる課題だ。
 政治や行政には、将来に対する責任意識など期待する方がムリなのだろうか。
将来とは言っても、自分たちの子どもとその子ども世代が生きる時代の社会のことなのだが。

すべての事業所が社会保険・労働保険適用事業所に

 実際に、企業が負担する社会保険料・労働保険料などの法定福利費は、膨大である。
 しかも確実に毎年負担が増えていく。
 本来、働く本人と国が負担すべき筋の社会保険料を、被用者に支払う賃金に加えて負担させることは、ある意味賃金を二重に負担させているに等しいとも言える。
 ほとんどが被用者として働き、賃金という形で報酬を得なければいけない社会に作られた仕組みであり、この仕組みを変えることが不可能になってしまっているかのようだ。
 資本主義社会に限らず、社会主義国家においても、共産主義国においても、実質的に社会的基盤を形成し、維持しているのは、利益獲得を目的として事業を営む企業活動だ。
 ならば本来、事業規模の大小に拘らず、賃金がいくらであろうと、被用者に賃金を支払い事業活動を行なう企業・事業主は、被用者の賃金から保険料を、代行して徴収・控除すべきだろう。
 システム、社会経済的ルールとして。
 しかしまた、被用者負担と同額を雇用者が負担すべきという合理的な理由・根拠は、本来ないはずだ。
 要するに、必要な保険給付を行なうために、いくら保険料徴収が必要かを考えるに当たって、被用者の負担を過剰に大きくできないため、補充・補填は企業から、ということになるわけだ。
 個人が受ける医療給付サービスや年金給付を受けるために企業が保険料を負担する。
取れるところがそこしかないから、ということになるのだろう。
 それが宿命。
 それができなければ、事業経営の舞台から去るしかない。
 それを可能にする事業経営の力を形成・蓄積・維持していくのが事業経営者の役割・責任というわけだ。
 現在、保険加入が免除されていたり、任意となっていて加入していない事業所・事業主は、いずれすべて加入すべきことになると想定し、それに耐えうる企業創り、経営体質作りにすぐに取り組むべきだろう。
 コロナ禍で、どんな経営体質を日常活動において構築しておくべきか考えざるを得なくなった。
この機会に、数年後、10年後を想定して、企業改革・事業革新を構想し、着手しよう。
 規模の大小は関係ない。
 小さければ小さいほど、新しい形・在り方を考える余地があると考えることもできよう。

本来は、所得のある人すべてが加入すべき社会保険

 企業が覚悟を必要とするのと同様、個人も、働く場を外部に求めるからには、あるいは、自ら事業を起こすからには、社会保険という社会的基盤に加入し、保険料を負担するという最低限の役割・義務を果たす必要があることを理解し、対応しよう。
 それは、これからの社会をより望ましいものに創り上げていくため、変革していくための一歩になるのだ。
 最小の義務責任を果たす行動が、より報われた権利権限を得ることにつながっていく。
 それ故に、現在とこれからの社会の望ましい形・在り方について考える関心と機会を持つようにしていきたい。

年金制度の抜本的な改善に有効なベーシックインカム制導入

 ベーシックインカム制とは、無条件にすべての国民に、毎月定額の給付金を支給する制度。
 当サイトが目標とする望ましい2050年の社会を実現する基盤として、5~15年間の間に導入を実現したい制度だ。
 最近の以下の投稿を見て頂ければ、ベーシックインカム制の導入で、国民年金制度が廃止され、代わって、国民年金額を大幅に上回る<生活基礎年金>が全世代に支給される。
 国民年金制度の廃止に伴い、従来厚生年金には加入せず、国民年金にのみに加入していた自営業者や、厚生年金の非適用事業所で働いている人は、新しい厚生年金保険制度に加入することとしている。

<参考>
ベーシック・インカム制導入で国民年金制度は廃止へ:BI導入シアン-9
ベーシック・インカム制と同時に改革・導入する社会保障保険制度:BI導入シアン-12
ベーシック・インカム制導入に伴う厚生年金保険制度改革:BI導入シアン-13



当初考えてもいなかった方向に、(本稿が)流れてきてしまった。

要は、現在の財政大赤字の大元である、医療保険制度と年金制度は、将来の世代に不安を残さないためには、抜本的な改革が必要であること。
それを先送りする政治・行政を変えなければ、その改革の着手も不可能であること。
それを可能にするには、既得権者であり、多数を占める高齢者世代が、逃げ切らず、現実とこれからの課題にきちんと対峙し、改善・改革の道筋を付けていくべきである。
(国政選挙が最大の機会だが。)

そこに帰結したかったわけだ。
私たちに残された時間は、次第に少なくなっていく。

しかし、道はわずかながらも開けていく気がする。
そういう取り組みを、このサイトを通じて、と何度も言い聞かせながら、その歩みを一歩一歩進めていきたい。

その突破口になりうるのが、否、これこそが2050年の望ましい社会創造に直結する唯一の方策であり戦略?。
それがベーシックインカム制、と思い、前項を書き加えるに至ったわけである。

引き続き、お付き合い頂ければ、とお願いします。



2050society.com/?p=868

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