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2022・23年考察

中央銀行、民間銀行、金融システム大変革の時代のCBDCとJBPC:ベーシック・ペンション実現へのヒント-4

少しずつ、よくなる社会に・・・

(日本独自のベーシックインカム)<ベーシック・ペンション実現への課題2022>シリーズ-4


当サイト提案の、日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金実現に向けて、さまざまな課題があります。
その視点で、種々の情報から改善・解決につながる、つなげることができると思われるもの、コト、情報を、都度取り上げる、日本独自のベーシックインカム、<ベーシック・ペンション実現への課題2022>シリーズ。
第1回: 地方自治体プレミアム商品券、スマホ決済ポイント還元へ切り替え:ベーシック・ペンション実現へのヒント-1(2022/2/3)
第2回:日銀、CBDC中銀デジタル通貨発行に現実味:ベーシック・ペンション実現へのヒント-2 (2022/2/5)
第3回:ベーシック・ペンション導入によるインフレリスクと対策を考える:ベーシック・ペンション実現へのヒント-3(2022/2/12)
と進めてきており、今回は第4回です。

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ベーシック・ペンション案に向けられた2つの懸念

これまでベーシック・ペンションの提案において、
1)日銀にすべての国民が、専用デジタル通貨の口座を持つこと、そのためのシステムを持つこと、口座管理を行なうには膨大なコストが掛かり不可能
2)日銀が膨大な金額のベーシックインカムを発行給付すること、専用口座を作ることで、民間の市中銀行が潰れる

といった問題を指摘されたことがあります。
こうした指摘について、今回大雑把ではありますが、最近気になった日経記事や思うところとと結びつけてメモしてみます。


日銀のベーシック・ペンションのシステム開発・システム管理コスト問題

日銀法改正が不可欠:デジタル通貨発行で日銀法改正規定路線化

中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入に向け、これを法定通貨とするには財務省が所管する通貨法改正が必要であり、日銀や金融庁と緊密に連携して制度設計等その準備に入ったとされています。
CBDC導入に伴い行われるこの法改正が、国内専用の法定通貨の1種でもあるベーシック・ペンションデジタル通貨JBPC発行をも認める再度の法改正と、その新たな事業を行なうことを盛り込んだ日本銀行法改正の呼び水となるわけです。

システム開発・システム管理コスト、サーバー、半導体等ハードコスト負担

次に、JBPC発行のためのシステム開発と導入に必要なシステム基盤としてのサーバーおよび個人情報管理、システム運用管理のための運営・保守・管理システムに関するコストは膨大な額になります。
これには、サーバー等ハード費用や利用事業所の端末システム(一部は事業所負担も)も含みます。
こうしたJBPC導入・運用に伴うコストは、独立した日銀JBPC特別会計で管理し、日銀の損益管理システム内で処理します。
一般の国家財政にはまったく影響を及ぼさないものになります。
なお、そのための半導体やサーバーその他必要資材は、極力全量内製化、すなわち国産のものを調達する政策を明確に打ち出すことも必要と考えています。

すなわち、膨大なコストの発生とその負担に関しては、税など国民に負担を求めるものではまったくありません。
JBPC特別会計において、すべてが日銀勘定のもので管理されるものであることを確認しておきたいと思います。

  

                                                                                                                                                                                                                                                                                                     

日銀によるベーシック・ペンション通貨発行と民間銀行業務との関係問題

民間銀行の信用創造との関係

ベーシック・ペンションが仮に年間総額100~200兆円規模で発行され、従来の賃金等の預貯金がそのまま民間金融機関に向かい積み上がるとします。
このとき、恐らく銀行による信用創造額も、不動産投資等の需要が高まり、増加する可能性が高くなるのではという予想もありえます。
この状況はインフレ要因でもあり得るため、私は、銀行の預金準備率を高め、信用創造度を低下させるルール変更が必要と考えています。
ベーシックインカムでもJBPCでも同じなのですが、言い換えれば、法定通貨発行権は当然中央銀行に限定すべきであり、ステープル・コインとしての民間でのデジタル通貨発行も、一定の制約を課すべきと考えます。
なぜならば、民間銀行によるデジタル通貨による信用創造を、従来と同じように認めることも、同様インフレリスクを増幅するとともに、銀行の既得権を拡大することになり、著しく公平性を欠くことになると考えるゆえです。

民間銀行・一般企業グループもデジタル通貨DCJPY発行を発表

三菱UFJ銀行等3メガバンクやNTTグループなど74社・団体参加の企業連合が1月下旬に、2022年後半のデジタル通貨「DCJPY」の実用化と、年内に実証実験に入ることを発表。
DCJPYは円建てで、取引の最小単位を1円とし、小売企業とメーカー・卸企業の間での決済、地域通貨としての利用、スーパーシティ構想を掲げる会津若松市が加わり行政での税の納付や給付金の配布などでの活用することをも課題としているのです。

変わる銀行機能、誰もが「銀行」に、銀行不要に

ビル・ゲイツが30年前に「銀行業は必要だが、銀行は必要ではない」と言ったという。
ブロックチェーン(分散型台帳)技術を用いたDeFi(分散型金融)システムに流れた資金は、昨年11月で11兆円で1年で5倍。
借入先は、インターネット上にお金を預ける不特定の個人で、融資は数秒で手数料はほぼ不要。
銀行は不要であるという声が聞こえてくるわけです。

上記のように、銀行は自らの存在基盤を守るべくデジタル通貨の発行を手掛けることを強く求めています。
銀行不要論も高まる中、なんとか巻き返しを図る動きは、私からみれば、既得権をベースとした公平性を欠いた動きと、あまり快く思っていません、

メタ、デジタル通貨ディエム(旧リブラ)発行断念

この記事との関係は薄いのですが、話題性があることとCBDCに大きな影響があったということで取り上げたいと思います。
米メタ(旧フェイスブック)主導のデジタル通貨「ディエム(旧リブラ)」運営団体ディエム協会はす先月1月末、関連技術や知的財産の売却と発行計画からの撤退を発表した。
ブロックチェーンを活用した決済システムを開発し、SNS利用者に利便性が高いサービスを提供する計画だった。
通貨ではなくグローバルな決済システムを作ることを目的とし、法定通貨を裏付けとする「ステーブルコイン」にすれば、暗号資産の欠点とされてきた価格変動も抑え、低コストで送金できる決済網ができると考えた。
しかし、通貨秩序への挑戦ととらえて強硬に反対する各国政府・中央銀行に対抗できなかったということですね。

日銀開設口座にJBPCが振り込まれても、従来の預金口座は継続され、民間銀行は存続する

日銀に国民全員がJBPC口座を持ち、民間銀行での預金に充てられなければ、民間銀行が潰れる、と懸念した人がいます。
それは早計というもので、従来の賃金の振り込みや、通常の法定通貨の預貯金は従来どおり民間銀行口座で行なうのですから思い違いです。
また、一般の法定通貨としてのCBDCも、恐らく民間銀行にもつ口座に入出金できるようになるでしょうから心配は要りません。
但し、先述したように、銀行の機能、求められる役割は変化していますから、従来どおりのイメージでいると、いずれ退化・衰退することが想像できるのでは、と思われます。

ベーシック・ペンション実現までに乗り越えるべき課題は、今後の動向・進捗・成果でクリア可能に

以上から確認できること、あるいはクリアすべき課題に、日銀の新たなJBPC事業導入とそれに必要な日本銀行法の改正、銀行法の改正があります。
そして、JBPC導入・運用のための開発業務と必要なコストの負担に関する合意形成は言うまでもありません。

本稿のまとめとしては物足りないですが、以上の他、ベーシック・ペンションの課題として認識している諸課題に関しては、上記の動向を含め、何かしらの取り組み例や関連情報があります。
従い、長期的な視野と中長期的な目標設定で、修正を加えながら実現可能な課題を積み上げることで現実化できると考えています。
じっくりと、着実に進んでいければと思います。

今回の<ベーシック・ペンション実現への課題2022>シリーズは、一旦ここまでとし、次回からは、ベーシック・ペンションの2022年提案のまとめ作業に入りたいと考えています。

参考:ベーシック・ペンションの基礎知識としての5記事

日本独自のベーシック・インカム、ベーシック・ペンションとは(2021/1/17)
諸説入り乱れるBI論の「財源の罠」から解き放つベーシック・ペンション:ベーシック・ペンション10のなぜ?-4、5(2021/1/23)
生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)前文(案)(2021/5/20)
生活基礎年金法(ベーシック・ペンション法)2021年第一次法案・試案(2021/3/2)

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  1. zoritoler imol

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