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2022・23年考察

少子化・高齢化社会対策優先でベーシック・ペンション実現へ:2022年ベーシック・ペンション案-2

少しずつ、よくなる社会に・・・

2050年日本独自のベーシックインカムJBPC完全実現に向けての2022年提案-2

前回、シリーズ第1回の以下の記事の初めに、今年2022年版ベーシック・ペンション案を作成するに当たっての基本方針(後述)を確認しました。
⇒ ベーシック・ペンション法(生活基礎年金法)2022年版法案:2022年ベーシック・ペンション案-1(2022/2/16)

2050年ベーシック・ペンション完全導入に向けてのベーシック・ペンション制度2022年提案基本方針

1.2021年提案ベーシック・ペンションの段階的導入
2.専用デジタル通貨JBPC実現までの支給通貨方式の段階的変更
3.社会保障制度体系の総合的改正に向けての同関連制度および法律の段階的改正
4.日銀によるJBPC発行管理運用システム開発状況に併せての段階的導入
5.日銀によるJBPC管理のための日銀法改正および銀行法等関連法律の改正
6.日本の一般会計による財政と完全に切り離した独自の財源方式実現までの段階的移行
7.インフレ抑制に配慮した支給額・支給方法の段階的実験的増額および方式の採用
8.国際社会での理解、関連必要事項の実現・実行
9.当制度・法律案を国会で提案する政党・政治グループへのアプローチと国会への法案提案審議段階に持ち込むための諸活動展開

これを受ける形で、昨年提案した「ベーシック・ペンション法(生活基礎年金法)」案とその「前文」を一部加筆修正して、第1回目の以下の記事を構成しています。

第1回:ベーシック・ペンション法(生活基礎年金法)2022年版法案:2022年ベーシック・ペンション案-1(2022/2/16)

今回第2回は、その中の項目をいくつかのテーマで整理して、イメージレベルですが、中長期計画風に描いてみることにします。

2050年ベーシック・ペンション完全実現までの想定3フェーズ

まず大枠での中長期スパンを、10年単位として、以下の3段階で構成するとします。
1.第1フェーズ:2021年~2030年
2.第2フェーズ:2031年~2040年
3.第3フェーズ:2041年~2050年

それぞれ大まかですが、5年単位で前期・後期もイメージとして持ちます。

テーマ別中長期取り組みフェーズ概要

次に、具体的に展開するに当たって重要なテーマを、まず以下の2項目に設定し、それぞれ大枠での3フェーズに具体的課題を配置します。

1.社会保障制度優先政策課題反映計画

<第1フェーズ:2021~2030年>
 1)児童基礎年金の段階的導入による児童手当・児童扶養手当制度の移管・廃止
   ※少子化対策、子どもの貧困化対策、片親世帯の困窮化対策を企図する
 2)高齢者基礎年金の段階的導入による国民年金制度・老齢基礎年金制度の廃止
   と生活基礎年金制による新・国民皆年金制移行への準備
   ※超高齢化社会による夫婦・単身高齢者世帯および困窮高齢者増加対策、
    現役世代負担増等世代間不公平意識拡大対策等を企図する

<第2フェーズ:2031~2040年>
 1)国民年金制度・老齢基礎年金制度の廃止と生活基礎年金制による新・国民皆年金制移行
 2)高齢者基礎年金、65歳以上生活基礎年金実現に伴う厚生年金保険制度の改正および同制度の賦課方式から積立方式への移行
 3)生活基礎年金制度の段階的導入に伴う、生活保護制度の段階的廃止準備
 4)新・厚生住宅制度(または住宅保障制度)の整備・導入
 5)年金制度改革に伴う年金保険料減額改定および一部減額分の健康保険料・介護保険料への転換
 6)上記保険制度改定に伴う、国民健康保険・職域健康保険と介護保険各制度との統合による健康介護保険制度化および健康介護保険料への一本化
 7)雇用保険における失業給付規定を改定および雇用保険の就労保険制度へ拡充改定
 8)その他必要関連社会保障制度の改廃

<第3フェーズ:2041~2050年>
 1)上記<第2フェーズ>未実現制度改定の実現
 2)全世代へのJPBCデジタル通貨への切り換えと規定満額支給段階的導入および2050年完全実施
 3)日本銀行法改正、銀行法改正
 4)基本的人権としてのベーシック・ペンション支給条文の憲法への組入れ(=憲法改正)

2.給付方式(支給通貨方式)および財政・会計方式の経過的段階的変更・導入方法

<第1フェーズ:2021~2030年>
1)マイナンバーカードと連携するマイナポイント(電子マネー)での支給
2)国庫における一般会計における給付予算計上と管理に基づく
<第2フェーズ:2031~2040年>
1)マイナンバーカードと連携するマイナポイント(電子マネー)での支給
2)国庫におけるBP特別会計制度における管理方式に移行
<第3フェーズ:2041~2050年>
1)専用デジタル通貨JPBCへの段階的切り換え(一部マイナポイント支給継続)
2)日銀管理下におけるJBPC特別会計制度による管理方式に移行

デジタル通貨によるベーシック・ペンション実現の壁

ベーシック・ペンション原案ではデジタル通貨として支給することとしています。
しかし現実的には、日銀が中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行の検討に向けて実証実験を行っている段階であり、現状の法定通貨に変わるCBDCの実際の発行時期についての目処はたっていません。
一応、2030年頃までにはいつから発行され、どのように運用管理されるか具体的な計画が発表されるのではと思います。
としても、これとは別のBP専用デジタル通貨JBPCは、まったく別のシステム・仕様を必要としており、早くても第3フェーズでないと具体的な議論・計画化には持ち込めないと思います。
従い、2050年完全実現は願望レベルとも言えるのですが、一応目標として設定しました。


(参考)
日銀、CBDC中銀デジタル通貨発行に現実味:ベーシック・ペンション実現へのヒント-2 (2022/2/5)
中央銀行、民間銀行、金融システム大変革の時代のCBDCとJBPC:ベーシック・ペンション実現へのヒント-4(2022/2/14)

第1次段階ではベーシック・ペンション専用マイナポイントで支給を

当然、当初マイナカードと直接紐付けされているマイナポイントで支給することについては、疑問や問題が指摘されるかと思います。

まず、マイナカード=個人番号カードは、デジタル通貨によるBP発行時にも、これと紐付けすること、受給するすべての国民がこれを取得している必要があります。
現状すでにマイナポイントが流通しており、システムインフラはできているのがメリットです。
上述したように、10年近く後のことになりますが、新たにBPとしての電子マネーであるマイナポイント支給時には、すべて現金に換金し、BPだけのためのマイナポイントシステムに切り替えることが望ましいと考えています。
また、デジタル通貨JBPCでは利用できる事業所と用途が限定されていますが、マイナポイントでも同様に限定できるため問題はないと思います。

2大優先政策別ベーシック・ペンション段階的年次別導入案(第1・第2フェーズ分)

次に、以下の2つの優先政策課題と結びつけてのベーシック・ペンション導入計画案を整理しました。

1.児童基礎年金および学生等基礎年金の部分的段階的導入

1)2026年:新生児対象、児童基礎年金月額8万円(満額)マイナポイント支給開始
2)2032年:学齢12歳以下小学生対象、児童基礎年金月額8万円マイナポイント支給化
3)2035年:学齢15歳以下中学生対象、児童基礎年金月額8万円マイナポイント支給化
4)2038年:学齢18歳以下対象、学生等基礎年金月額8万円マイナポイント支給化

2.高齢者基礎年金、生活基礎年金の部分的段階的導入とそれ伴うに国民年金・老齢基礎年金制度の改廃その他

1)2026年:満85歳以上高齢者対象、高齢者基礎年金月額8万円マイナポイント支給開始および対象者への老齢基礎年金支給停止
2)2031年:満65歳以上高齢者への生活基礎年金月額8万円マイナポイント支給および対象者への老齢基礎年金支給停止
3)2040年:学齢19歳以上満年齢65歳未満生活基礎年金月額8万円マイナポイント支給

<参考:「ベーシック・ペンション法案」から>
(生活基礎年金の額及び支給日等)
第10条
 生活基礎年金の額は、第6条の区分に従い、以下のとおりとする。
 1) 児童基礎年金毎月8万円
 2) 学生等基礎年金毎月10万円
 3) 生活基礎年金毎月15万円
 4) 高齢者基礎年金毎月12万円
2.この給付金は、JBPCで、法定通貨と同価額で、毎月1日に、第9条で開設した本人名義の日本銀行専用口座に送金される。
3.但し、給付額を、社会経済等の状況により法令で改定することがある。

今回は、以上2つの社会保障制度の改善・改革に焦点を当て、ベーシック・ペンション実現の優先順位に反映させてのプランを提示しました。
また、10年スパンの3フェーズでの実現構想を併せて提示しました。

次回は、主にマイナポイントによる暫定的な措置時の管理運用方法、その必要財源問題とインフレ抑制策との関係などについて整理し、2022年版の基本的な提案を続けます。

                       少しずつ、よくなる社会に・・・

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